イサキの生態
東北の南、新潟県から九州の南岸の温暖な海域に生息するイサキ。岩礁地帯を好んで群れで生息し、日中は水深50m付近の海底域に潜んでいますが、夜になるとエサを求めて海面付近まで浮いてきます。肉食で小魚や、甲殻類などをエサにしています。
イサキの名前の由来
イサキは磯に棲んでいることから「磯魚(イソキ)」、幼魚の時にある縞が斑紋の目立つ魚であることから「斑魚(イサキ)」に由来しているといわれます。そこから、「伊佐木」、「伊佐幾」という漢字が付けられたと言われています。
イサキの地方名
地方によって呼び名が様々で、オクセイゴ(東北地方)、クロブタ(神奈川)、コシタメ(静岡)、エサキ(北陸)、トビ(三重)、ウズムシ(近畿)、カジヤコロシ(和歌山)、イセギ(高知)、イッサキ(九州)、ハンザコ(大分)、ジンキ(宮崎)、ソフ(鹿児島)、クチグロマツ(奄美大島)と呼ばれています。
イサキ料理を食べてみよう!
イサキは6月~9月にかけて産卵期を迎えます。冬を越し産卵期を目前にした初夏の5月~7月くらいまでが脂がのって美味しいと言われています。産卵後は脂が落ち、味は落ちてしまいます。冬場は身が締まるため、冬にイサキを好む方もいます。
イサキとはスズキの仲間
スズキ目コショウダイ亜科イサキ科イサキ属に属する海水魚の魚です。体長は成魚で最大50cmほどで、褐色の体色をしている。幼魚の時には、黄色っぽい縦縞があり、イノシシの子供に似ているとして「ウリボウ」とも呼ばれている。
イサキは臭みが少なく食べやすい
新鮮なイサキの身は、魚臭さが少なく脂がのっていてクセが少ないため生の魚が苦手という方にでも食べやすいと言われています。美味しい新鮮なイサキを選ぶ時には、お腹に張りがあり目が黒いものを選びましょう。イサキは目が濁りやすいので、よく注意して選んでください。
イサキは様々な料理がある
白身の魚なので淡白な味わいをしながらも、脂分に甘みがあるのでイサキ独特の旨味があります。生で食べるなら刺身はもちろんですが、火を通しても美味しく、塩焼きや煮つけにしても良し、揚げての良しの万能魚です。また、卵や白子も美味しく食べることができます。
イサキ料理を作ってみよう!捌き方をご紹介
これからレシピをご紹介していきますが、料理をする前にまずはイサキを捌いてみましょう。新鮮なイサキを買ってきても捌き方を失敗していまえば、せっかくの料理が台無しになってしまいます。
イサキの捌き方①鱗をとって頭を落とす
鱗取り器で尾びれ側から頭に向かって、両面の綺麗に鱗を取り洗いあ流します。(包丁でも取れますが、イサキの鱗はしっかりとしているので専用の鱗取り器があると便利です)
【注意!】イサキの背びれは固く鋭いので、怪我防止のために前もってキッチンばさみで切っておきましょう。
後頭部から腹ひれの後ろ側を結ぶ線に包丁を右に傾けて中骨に当たるまで切り込みを入れます。
イサキを裏返しにし、反対側も同じく包丁を入れます。中骨に当たったら頭を切り離します。
イサキの捌き方②内臓をとる
- イサキの腹を手前に向け、包丁で肛門から頭までまで切り開きます。包丁を深く入れすぎると内臓が傷付いてしまうので、包丁は浅めに入れます。(ハサミを使うと簡単に切れるのでハサミを使用しても良いです)
- 白子が入っているので、傷を付けないように取り出し水洗いをして塩を振っておきましょう。
- その他の内臓は取り出し、背骨部分の血合いを取り除き流水で水洗いをします。水けはしっかり取っておきましょう。
イサキの捌き方③三枚におろす
- イサキの背に包丁を当て、背びれに沿って中骨まで切り込みを入れます。
- 腹側は尾の付け根部分から、尻びれに沿って中骨まで切り込みを入れます。
- 中骨と腹骨の軟骨を切り離します。
- 尾を持ち、包丁を差し入れて身を切り取ります。
- 反対側も同じ手順で行うと三枚おろしの完成です。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキの煮つけ
魚をおいしく食べる料理の代表が、煮つけです。煮つけはご飯にぴったりのおかずです。イサキを煮つけるとどんな味わいになるのでしょうか。レシピも合わせてご紹介ます。
イサキと言えば煮つけ
イサキと言えば煮つけです。しっかりとした白身のイサキを甘辛く煮るとホクホクの煮つけができます。ショウガをたっぷり入れるとさっぱりとした味わいになり、白子を一緒に煮るとトロッとした旨味がありイサキの虜になってしまいます。
イサキの煮つけのレシピ
材料(2人分)
- イサキ 2匹
- ショウガ 1片
- *水、料理酒 各400cc
- *醤油 120cc
- *みりん 100cc
- *砂糖 大さじ2/1
作り方
- 鱗と内臓を取り出して下処理をします。白子や真子は一緒に煮るので捨てないようにしましょう。
- イサキに味を染みやすくするために、表面に切り込みを入れます。
- ショウガを薄切りにします。
- 鍋に*の調味料を入れ沸騰させます。
- 弱火にして鍋にイサキとショウガを入れ落し蓋をして10分煮れば完成です。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキをイタリアンで食べる
イタリアン料理としても様々な調理法が多いの魚料理ですが、イサキはワインに合うイタリアン料理としても良い食材です。レシピも合わせご紹介します。
イサキはイタリアンでもおいしい
イサキは煮ても美味しですが、おしゃれで手軽で色どりの良いハーブソルト焼きにしてグリーンオリーブを加え白ワインで煮ると和食とは違ったおもてなし料理に変化します。パスタを加えてアレンジもできます。
イサキのイタリアンのレシピ
材料(4~5人分)
- イサキ 2匹
- ニンニク 1片
- グリーンオリーブ 80g
- 白ワイン 200cc
- オリーブオイル 50cc
- ハーブソルト 適量
- 胡椒、薄力粉 少々
- ミニトマト 適量
作り方
- イサキは鱗を取り、内臓は取り除きます。塩水で洗い、キッチンペーパーで水分を取ります。
- ニンニクはスライスし、ミニトマトは洗ったら半分に切ります。
- イサキにハーブソルトをたっぷりふり、胡椒もふって味をなじませます。
- 味がなじんだら、茶こしを使って薄力粉をイサキ全体にまぶします。
- 熱したフライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ、ニンニクの香りがしてきたら取り出します。
- フライパンにイサキを入れ両面に焼き目を付け、イサキ全体にオリーブオイルをかけながら焼いていきます。
- グリーンオリーブとミニトマト、白ワインを入れ蓋をしてじっくり焼けば完成です。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキの唐揚げ
白身の魚は唐揚げにすると、ホクホクとした身のおいしさが良くわかる調理法です。皮まで食べられる唐揚げはお酒のおつまみとしても人気です。レシピも合わせてご紹介します。
イサキの唐揚げはお酒に合う
イサキの身はしっかりとしているので、唐揚げにすると皮のパリパリとした触感とふんわりとした身を味わうことができます。アツアツのうちに食べるとお酒もすすむ一品です。イサキの幼魚(ウリボウ)でも美味しく食べれます。
イサキの唐揚げのレシピ
材料 (4人分)
- イサキ(2尾)
- 小麦粉 適量
- 揚げ油 適量
- *ガーリックパウダー、黒胡椒、レッドペッパー 適量
作り方
- イサキは下処理をして、三枚おろしにし食べやすい大きさに切ります。
- *のスパイスを混ぜ、イサキにすりこみます。
- 小麦粉をまぶし、180度に熱した油でカラッと揚げます。
- 十分に油を切ったら、お皿に盛り付けて完成です。レモンやスダチを添えるとさっぱりと味わえます。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキの塩焼き
魚の塩焼きは塩をふって焼くだけとシンプルな料理ですが、魚料理の代表として誰もがしっている食べ方です。レシピも合わせてご紹介していきます。
イサキの塩焼きは簡単に作れる
イサキ料理の定番と言えば塩焼きです。焼いているとイサキの脂がじわじわと染みだしてきて、作っている最中にお腹が鳴ってしまいます。下処理をしたイサキに美味しい塩を染み込ませ焼けば簡単に作れます。
イサキの塩焼きのレシピ
材料 (1人分)
- イサキ (1尾)
- 塩、日本酒 各適量
- レモンスライス 2枚
作り方
- 鱗、内臓を取りのぞきます。
- 流水でよく洗い、表面に飾り包丁を入れます。
- 日本酒を振り、塩を多めにすり込みませ1時間程度置きます。
- 軽く洗い流して、余熱をしたグリルで15分焼きます。両面が焼けたら完成です。レモンを添えて盛り付けましょう。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキのアクアパッツァ
フライパン一つで簡単にできるイタリア代表の魚料理のアクアパッツァ。シンプルながらも、魚本来の味を引き出しお酒にも合う料理です。レシピも合わせてご紹介します。
イサキのアクアパッツァは見栄えもばっちり
トマトや旬の野菜、アサリなどの貝類と共にイサキを丸ごと一匹煮込むアクアパッツァは、お皿に盛り付けると彩りも良くインスタ映えにもばっちりなおしゃれな料理になります。ホームパーティーでの一品にも向いています。
イサキのアクアパッツァのレシピ
材料 (2人分)
- イサキ 1尾
- アサリもしくはムール貝 200g
- ミニトマト 8個
- ブラックオリーブ 6個
- ニンニク 1片
- 水 2/1カップ
- 白ワイン、オリーブオイル 各大さじ2
- めんつゆ 大さじ1
- 塩、胡椒、イタリアンパセリ 適量
作り方
- イサキは鱗、内臓を取り除き洗います。キッチンペーパーで水分を取ったら、両面に切り込みを入れて塩、胡椒をふりましょう。
- アサリは塩水(分量外、濃度3%)につけて砂抜きをし、貝同士を擦り合わせあらいます。
- ニンニクはみじん切り、ミニトマトは半分に切ります。
- フライパンを熱し、オリーブオイル大さじ1を入れニンニクを炒めます。ニンニクの香りが出てきたらイサキを入れ両面軽く焼きます。
- 水、白ワイン、めんつゆ、ミニトマトを入れ2分ほど煮ます。
- ブラックオリーブとアサリを入れ、蓋をして蒸します。アサリの口が開いたら蓋をとります。
- オリーブオイル大さじ1を回し入れ、再度2分煮ましょう。
- お皿に盛りつけイタリアンパセリをちらし完成です。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキのムニエル
味付けは塩と胡椒、小麦粉を付けて焼くだけの簡単料理のムニエル。お弁当のおかずにもピッタリな一品です。レシピも合わせてご紹介します。
簡単で美味しいイサキのムニエル
今日は疲れているから料理したくないという時にピッタリの料理といえば、ムニエルです。簡単につくれますが、イサキのフワフワとして脂ののった身を味わうことができます。
イサキのムニエルのレシピ
材料 (2人分)
- イサキ 一切れ
- 塩、胡椒、小麦粉 適量
- オリーブオイル 小さじ3
- バター 20g
作り方
- イサキは食べやすい大きさに切り分け、塩、胡椒をまぶしたら、小麦粉をまぶします。
- フライパンでオリーブオイルを熱し、イサキを皮目から入れたらバターで香りづけをします。
- イサキを返して蓋をし蒸し焼きにします。
- 蓋を外して水分を飛ばしたら完成です。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキのあら汁
魚の旨味を味わうことができるのがあら汁です。魚を捌いて残ったあらは野菜と一緒に煮れば、体も温まるあら汁に変化します。レシピも合わせてご紹介します。
濃厚な旨味が出るイサキのあら汁
旬のイサキが手に入ったら是非味わいたいのが、あら汁です。イサキから出る美味しい出汁は、余計な調味料を必要としないくらい濃厚です。あらは鮮魚店などでも安価で売られているのでお試しください。
イサキのあら汁のレシピ
材料 (2人分)
- イサキのあら 小3尾分
- 酒 大さじ1
- 水 600ml
- 塩 適量
- 野菜(大根、など) 適量
- 青ネギ 適量
作り方
- 臭みを取るために塩(分量外)をまぶし、10分ほど置いたら熱湯をかけます。
- 大根はいちょう切り、青ネギは小口切りにします。
- 鍋に水と大根をいれ沸騰させます。沸騰したら、酒を入れあらも入れます。あらを入れたら弱火にします。
- 弱火でしばらく煮ましょう。灰汁が出てきたら取ってください。
- 灰汁が出きったら、塩で味を調え火を止めます。器に盛り付け青ネギを添えたら完成です。
イサキ料理のおすすめ22選|イサキの干物
魚の身を干して乾燥させた干物は保存食としても、日本だけではなく世界各国で作られています。作り方が面倒などと思われがちですが、実はとても簡単に作ることができます。レシピも合わせてご紹介します。
干物にすると旨味がアップ
干物は魚の水分量を減らすことにより、魚本来の旨味成分がアップすると言われています。外に干す場所がないという場合でも冷蔵庫で作ることも可能です。干物を買って食べるよりも自分で作るほうが、より美味しいのは間違いありません。
イサキの干物のレシピ
材料 (6枚分)
- イサキ 6尾
- 塩 100g
- 水 1000cc
作り方
- イサキの鱗を取り、背開きにします。エラ、内臓、血液を綺麗に取り除きます。
- 水1000ccに塩100gと入れ塩水を作ります。
- イサキを塩水に1時間漬けます。
- 1時間後、塩水からイサキを取り出しキッチンペーパーで水分を拭き取ります。
- バットにキッチンペーパーを引きイサキを並べます。ラップはせずに冷蔵庫に入れ1日置きましょう。途中、半日くらい経ったら裏返しにします。
- 1日経てば完成です。出来上がった干物はラップの包んで冷蔵庫で保存しましょう。