黒ムツとはどんな魚
黒ムツとは
ムツとは、スズキ目・ムツ科に分類される魚の一種で、肉食性の大型深海魚で、食用に漁獲されます。ムツという名前は、脂っこい事を「むつっこい」、「むつこい」、「むっちり」などという事に由来しており、その名の通り、非常に脂ののった魚です。体長は全長60cmのものから、大きくなると1mを超える者もいます。目と口が大きく、顎には鋭い歯が並んでいます。
ムツと黒ムツの違いは
ムツは昔、一種類であるといわれていましたが、体の色が茶色いものをムツ、黒いものを黒ムツと分類されるようになりました。大きな違いは体の色です。ムツは60cmほどのものがほとんどですが、黒ムツは1mを超えるものも珍しくなく、体長が大きいのも黒ムツの特長です。この2点で違いを見分けるとよいです。
黒ムツとは高級魚の一種
黒ムツは黒いダイヤといわれるほど、高級な魚です。脂がのっていて美味しい事が一番の理由ですが、その脂は上品なとろける脂です。また、入荷量が少なく、小型のものはほとんど見られず、大型魚ばかり入荷してきます。市場にあまり出回らない珍しい魚なので、超高級魚として扱われます。
黒ムツはおいしい魚
黒ムツは沢山あるムツの一種
ムツ科の魚は日本では本種のムツとクロムツの2種のみからなります。その昔は、ムツも黒ムツも一種類として扱われていたようです。そのほかにも、アカムツ、バラムツ、シロムツなどのように名前や通称などに「ムツ」を名乗るものがありますが、本種のムツとは異なります。
本種のムツは体が少し茶色っぽく、小型のものもありますが、黒ムツはその名の通り、体が真っ黒で大型なのが特徴です。大きなものでは20キロにもなるそうです。
黒ムツの旬と産地
黒ムツの旬は秋から冬
黒ムツは秋から冬にかけてが特に脂ののった旬の時期になります。春になり、卵巣や、精巣が膨らむと脂がやや落ちてくる為、冬の魚として珍重されています。また、4月から5月にかけての産卵期前の卵はムツコと呼ばれ、産地では煮つけにして食べられたりしています。通の人はこのムツコを楽しみにしているようです。
黒ムツは関東で主に釣る事が出来る
黒ムツは東北以南に生息していますが、主に伊豆半島や、伊豆諸島、房総半島、相模湾等、関東近辺の太平洋側のあたたかな海に生息しています。伊豆半島が主な生息地ですが、千葉県の内房、外房や、神奈川県の三浦半島でも多く釣れている実績があり、多数の釣り船が出ています。黒ムツ釣りに挑戦した方は是非、関東で釣りに出かけてみてはいかがでしょうか。
黒ムツの値段について
黒ムツは高値で取引されています
秋から冬にかけて、脂ののった黒ムツは重さ1.5kg前後の物で、5000円~10000円の高値で販売されています。大きく、色艶、質の良い物だと1万円以上する物もあり非常に高値で取引されています。個人的には楽天市場などでも購入する事ができます。
値段は時期によって変わってきます
ムツ自体は通年水揚げがあり、市場に並びますが、深海から産卵の為に水深100mほどのところまで上がってくる晩秋から冬が旬とされ、11月から3月ごろまでが最も高い値段で取引されています。
黒ムツ料理のレシピをご紹介 刺身
黒ムツは脂がのっていておいしい
脂がのっている魚は大トロ、サーモン等色々ありますが、その脂が好きな人、苦手な人はいます。しかし、黒ムツは脂がのっている割にくどさがなく、あっさりと品のある味で、甘味が強く、さすが高級魚という味わいだそうです。生臭さもなく、クセもない為、お刺身が苦手な人も一度食べてみると、その味の虜になるかもしれません。食感ももちもちで、女性好みの食感です。
黒ムツのさばき方(2枚おろし)
- 黒ムツには粗い鱗があります。まずはその鱗を飛び散りやすいので注意しながら綺麗に落とします。
- 胸ビレと腹ビレにそって包丁を入れます。反対側も同様に。
- お腹を上側に向けて、胸ビレと腹ビレの間から中骨主骨を切り落とします。
- お腹に切れ目をいれ、内臓を取り出します。
- お腹の中と全体を綺麗に水洗いし、キッチンペーパー等で水切りをします。
- 頭の切り口から包丁をいれ、背骨に沿って尾の付け根まで、背身を切り開きます。
- 次に尾の切り口から、尻ビレに沿って腹身を切り開きます。
- 中骨主骨と腹骨のくっついている部分にある軟骨を切り離したら片側のみを持ち上げながら身を切り取ります。
刺身にする場合は、そのあとに腹骨や皮を切り落とします。煮つけや揚げ物の場合はブツ切りにして使用します。
黒ムツ料理のレシピをご紹介 煮つけ
黒ムツは煮つけに最適
黒ムツは脂がのっているので、お刺身でいただくと美味とされていますが、その身は柔らかく、ほろほろで、甘みがあるので煮つけにしても美味しくいただけます。新米との相性も最高です。
黒ムツの煮つけのレシピ
下準備①お好みの大きさに捌いた後、90度以上のお湯で霜降りにして水気を切っておきます。
下準備②(中鍋に入る程度の黒ムツの量を想定)
水 200~250cc/酒 100cc/みりん 50cc/きび砂糖 50g/醤油 50cc/ショウガ(薄切り、チューブでも可) 5~7枚
以上の材料を鍋に入れて、ひと煮立ちさせる。
下準備②に下準備①の黒ムツを入れて、弱火~中火で煮込みます。身が崩れやすいため、ひっくり返さずに、スプーン等で煮汁を身に回しかけながら15分程度煮込んでいきます。
黒ムツ料理のレシピをご紹介 塩焼き
簡単に作れる黒むつの塩焼き
料理が苦手な人でも簡単に作れるのが塩焼きです。その名の通り、塩を振ってグリルで焼くだけ。身がほろほろで、塩が黒ムツの甘味を引き立ててくれて、簡単なのに絶品です。