幻の魚アラとは
アラはスズキ目ハタ科の海水魚です。スズキに似ていますがアラの方が鱗が小さく目と頭が大きいです。そして成魚になると体長が1m以上で重さ30㎏以上になるほどの大型魚です。大きい程値段が上がりますが、成魚を獲ることは大変難しくなっています。
アラの特徴
アラは成長すると灰褐色や茶褐色になります。幼魚は灰色で縦に暗色の縞模様が入っており、体の側面の明るさがはっきりしているのが特徴です。この縞模様は成魚になると自然と消えるのもアラの特徴の一つです。ウロコが普通の魚に比べて細かく尾びれは大きいのも特徴です。産卵期はおおよそ7月~8月で、旬は秋~冬場となっています。
アラの生息域
アラは水深70m~300m程の沿岸部岩礁域や砂底に生息しています。成魚は手に入れることが難しいので、小型魚を日本海でまとめて獲ったりします。南シナ海、東シナ海の大陸棚縁辺にも生息しています。アラはあまり動き回る魚ではないため同一の場所にいることが殆どです。
アラが幻の魚と呼ばれるわけ
アラは群れで行動することがなく動きもあまりない為一本釣りで稀に釣れるというくらいです。よって捕獲量も少なく扱っているお店も少ないことから幻の魚といわれています。幼魚でもかなりの値段になることがあります。
アラの捌き方
成魚のアラはとても美味しく一度食べたらやみつきになるほどです。そんなアラを捌く際の注意点や調理の仕方などご紹介したいと思います。中々手に入れることが難しいアラですが、手に入れることができた際は是非参考にしてみてください。
アラの毒に注意!
危険な魚は絶品といわれていますがアラもその一つです。そんなアラには棘があり刺されると大変危険です。棘は背鰭棘が13本あり、前鰓蓋骨に1本の強くて大きな棘があります。そこに毒があります。この棘に刺さると患部は大きく腫れ上がり激しく痛みます。釣り上げた時や調理する際は注意が必要です。
アラの食べられるウロコの取り方
通常の魚のウロコは包丁やスプーン、ペットボトルの蓋を使って簡単に取れたりしますが、アラのウロコの取り方は違います。尾から包丁を当てウロコと皮の間に包丁を入れて胸鰭のあたりまで皮ごと剥ぎ取ります。
アラの鱗すき
アラのウロコがきれいに剥げると白い皮が現れます。大きなものになると中々一気に削ぐことは難しいため一度に削ごうとせず丁寧に少しづつ削いでいくと上手にと剥がれます。アラのウロコは剥いだ後も調理できるのでとっておくことをおすすめします。
アラのさばき方①内蔵を取り出し三枚におろす
まずアラの内臓を取っていきます。基本的に他の魚の内臓の取り方と同じ様に捌いていきます。両面の胸鰭の下に包丁で切り込みを入れて頭を落とし中の内臓類を取り出します。腸内を流水で綺麗に洗い菌や血を洗い落とします。その後三枚におろしていきます。
三枚おろし
背骨のガリガリしている感触を感じながらまず尾びれの方から背中側に切り込みをいれます。切り込みの深さはちょうど背中と腹の真ん中程です。次に腹側を背中側で入れた切り込みに合わせるようにして包丁を入れ二枚におろします。
同様にして反対側も下ろしていきます。一気に包丁を入れず何回かに分けて切り込みを入れていくと綺麗に下せます。
アラのさばき方②頭を割る
アラのさばき方①で切り落とした頭を更に切り分けます。かなり力がいりますので手を切らぬように細心の注意を払って進めて下さい。まず鰓蓋を切り落とします。次に頭をまな板に立ててしっかり抑え上唇の真ん中に包丁を入れます。そして一気に力を入れ下まで切り落とします。頭が開いたら少しずつ包丁で半分に切ります。
アラのさばき方③内蔵の処理
アラは内臓も鰓も骨もウロコも出汁にしたり湯切りをしたり唐揚げにしたり、調理の仕方ですべて美味しく食べられる万能の魚です。取り出した内臓を綺麗に流水で洗い流し細かく調理しやすい大きさに切り分けて使います。
アラは内臓まで食べられる
アラの内臓は調理方法で様々な食べ方ができます。内蔵が食べられる他の魚と同じような調理もあり、煮物にしたり醤油、みそ漬けにしたり、ポン酢につけて食べたりすることができます。どんな食べ方があるかご紹介します。
アラの肝
アラの肝は細かくたたいて醤油漬けにし刺身につけて食べたり、みそと混ぜて肝みそにし味噌汁等に入れて食べたりします。また切り身に塗ってホイル焼きにして食べたりする事もあります。
肝は細かくたたけば安全ですが、お酒で洗って湯通しするとより安心していただけます。肝臓は非常に多くの栄養素を含んでいるのでおすすめです。
アラの白子
アラの白子は茹でてポン酢で食べるのが王道ですが、他にもたくさん食べ方があります。白子鍋にしたり、みそをつけてみそ焼きにしたり、てんぷら、みぞれ煮にしたり、バターソテー、ムニエル、ホイル焼きにしたり様々です。
アラの胃袋
アラの胃袋も調理するとコリコリとした食感で病みつきになります。調理の際は裏返してよく洗ってください。胃袋は食べやすい大きさに切ってガーリック醤油で炒めたり、茹でて細く切りポン酢でいただくなど美味しくいただけます。