アカメフグ釣りでは、「カットウ釣り」という仕掛けを使います。カットウ釣りとは、魚の体に針を引っ掛ける釣り方で、“カットウ針”という魚を引っ掛けることができる大きな針が特徴です。上手くエサに魚を引き寄せること、寄ってきた魚を上手く針に引っ掛けることがポイントとなる釣り方です。船宿によってカットウ仕掛けが禁止されていて、食わせ仕掛けのみというところもあるので、事前に確認しておくとよいです。
2、エサ
エサは一般的に、冷凍甘エビ・赤エビなどを使用します。2尾をむき身にし、カットウ仕掛けのエサ針に抱き合わせに装餌します。食わせ針を使う場合は、むき身を半分にしたものを通し刺しにするとよいです。
3、タックル(釣り具)
竿は船用の長さ1.6~1.8mほどの8:2~7:3調子の専用竿や硬めのカワハギ竿などを使用します。体重1kg超の大物が釣れることも多々あるので、繊細なアタリを取りつつ、胴のしっかりした竿がバレにくくおすすめです。リールは小型の両軸リールをセットし、PEライン1号を100m巻いておくと大物がヒットした時でも安心です。東京湾の場合、潮が濁りやすいためオモリの色は夜光系が人気です。
Contents
アカメフグ(ヒガンフグ)の釣り方
釣り方は、仕掛けを一度着底させ5秒ほど待ちます。そして、竿先を目線の高さにキープしたままライン(釣り糸)を軽く張ります。エサをアカメフグに見つけてもらえるよう、数秒ごとに軽く竿を上下に動かし、仕掛けをアピールさせることがポイントです。竿先になんらかの動き(アタリ)を感じたら、即アワセ(魚に針を掛ける)が基本です。ただし、強く引っ掛けるようにアワせると乗りにくくなるので、ゆっくり静かに竿を持ち上げるようにアワセることがコツとなります。フグのアタリは小さいので、小さなアタリにいかに気づくことができるかが重要です。
アカメフグ(ヒガンフグ)の美味しい食べ方
アカメフグの身は透明感があり、その美味しさはトラフグにも匹敵するほどと言われています。刺身で食す場合、釣ってすぐの新鮮なものだと身が固く旨み成分も少ないので、冷蔵庫で5~7日ほど寝かせると熟成され身が柔らかくなり、甘みも出てきます。
アカメフグ(ヒガンフグ)の食にまつわる注意点
フグ類は地方名で呼ばれることが多く、種類によって毒の強さや毒をもつ部位が異なるため、それが原因で食中毒を起こすケースが数多くあります。前述のようにアカメフグをヒガンフグ・ナゴヤフグなどと呼ぶが、アカメフグとヒガンフグは本来別の魚であるため、呼び名だけで種類を判断してはいないです。フグはテトロドトキシン毒性があるため、必ずフグ調理師の免許を持つ方や船宿などで、フグの種類を見極めて捌いてもらいましょう。もし免許を持たない方がフグを捌き、調理しようとした場合違法になりますので注意してください。
アカメフグ(ヒガンフグ)の料理
1、フグちり鍋
アカメフグの身のぶつ切りを、昆布だしと酒と塩だけのシンプルな味付けで煮込み、野菜は白菜やわけぎ、水菜などお好みの具材を入れます。身が適度にしまり、フグのだしとフグの旨みを存分に堪能できます。お好みでポン酢をつけて食すのも絶品です。
2、お味噌汁
適宜に切ったフグの身を、昆布だしで水から煮出し、ナスや大根などの水分を吸いやすい野菜を加えます。身に火が通ったら一度火を止め、味噌を溶き入れます。フグのだしとフグの身や野菜の風味を味噌がまとめ、非常に旨みのある滋味豊かなお味噌汁ができあがります。
3、薄造り・たたき
三枚におろしたフグをキッチンペーパーやさらしに巻き、冷蔵庫で5〜7日ほど寝かせ、適度に水分が抜けたら薄く切ります。薄造りにすることで、アカメフグの本来の味を楽しめます。お好みですだち醤油で食べるとよいです。たたきは、 薄造りと同様に冷蔵庫で寝かせ、皮の方だった部分を炙って切りつけます。軽く炙ることで甘みが増し、香ばしさも相まって絶品です。ポン酢かわさびしょうゆで食べるとよいです。
アカメフグ(ヒガンフグ)の雑学
日本では、はるか昔からフグを食し、多くの人が食中毒で命を落としてきた歴史があります。そのため江戸時代には武士はフグを食すことを禁じられていました。しかし、庶民はフグの味を堪能していたようで、庶民が飯屋で飲食をしている諷刺画の中の店内のお品書きに“ナゴヤふくなべ”と描かれたものがあります。この“ナゴヤふく”は、ヒガンフグかショウサイフグと考えられます。フグの毒の恐さについて知れ渡っている近年でも、年間40〜50人ほどの人が毒にあたり食中毒をおこし、2・3名が亡くなっています。自分で釣ったフグに当たっている人がほとんどで、自己責任といえど亡くなってしまっては元も子もありません。
まとめ
楽しく釣って美味しく食べるには、細心の注意を。
アカメフグ(ヒガンフグ)はとても味がよく、乗合船も多く出ているため、釣ること自体はそこまでハードルの高いことではありません。しかし毒性が強いため、食すことの危険はとても高い魚です。せっかく自分で釣ったフグを美味しく安全に食すには、きちんとフグの種類を見極めることができるフグの調理師免許を持った方に捌いてもらいましょう。