オニダルマオコゼとは?
この魚は、全長40㎝程度で全身にコブがあるような見た目です。オニオコゼ科に分類されますが、身を守るための猛毒を持っているので注意が必要です。ダイバーや釣り好きの方の間では非常に危険な魚として有名です。
オニダルマオコゼの生態
この魚は、全身にコブがあるような見た目を利用して岩場に潜み獲物がくるのをじっと待つ我慢強いタイプです。また海の中を泳ぎ続けるために必要な浮袋がないため長時間泳ぐことが苦手です。その反面、海底で身動きをせずに居続けることがに特化しています。そして猛毒を持つと有名です。
見た目を利用して周りの岩や砂に擬態するのが得意なだけでなく、その保護色能力も素晴らしいものです。静止画でも見つけるのが難しほどです。記事の後半では擬態している画像や動画を載せているのでそちらも見てみてください。
オニダルマオコゼの生態息
この魚は、インド洋、太平洋西部に生息しています。暖かい海を好むので日本近海では、小笠原諸島、奄美大島、沖縄の周辺に生息しています。サンゴ礁などがある浅い海にいる場合と海底で体の半分を砂の中に隠している場合があります。意外と見つけ辛いので誤って踏んでしまったり、触らないように細心の注意が必要です。
オニダルマオコゼの毒性
中心となっている物質はストナストキシンです。オニオコゼ科の魚は、個体差はありますがそれぞれ何かしらの毒を持っています。この物質は、他のオニオコゼ科の生き物の中でも強く最悪死に至ります。
毒がある場所
オニダルマオコゼは背びれに6本もの毒腺と繋がる鋭い棘があります。棘が鋭いうえに4㎝程度もあるので、ダイバーや釣りをしている人の靴やサンダルを突き抜けて刺さることが多いので注意が必要です。
毒の特徴
主な成分であるストナストキシンは、神経毒で体重1㎏あたり0.8mgあれば動物の約半数が死ぬと言われています。この強さはハブの30倍で同じ魚類だとフグの80倍もあり最悪死に至るので注意が必要です。
オニダルマオコゼに刺されたら
どれだけ気を遣っていても刺されることはあるでしょう。もしもの時のために、対処方法を知っているのと知らないのでは、毒の回る速度が変わってきます。また、自分が刺されなくても周囲の人が刺された場合などに役に立つことがあるのでぜひ覚えておきましょう。
刺された時の対処法
刺されたらまずは砂浜にあがりましょう。そのまま海にいると毒が回って動けなくなり、そのまま溺れてしまう可能性があります。砂浜にあがったら傷口を流水でよく洗い棘が残っていないか確認しましょう。まだ刺さっていた場合は、その場で抜きます。棘がないのを確認したら傷口を55度以上のお湯で温めましょう。
オニダルマオコゼの毒の成分であるストナストキシンはタンパク質で出来ています。タンパク質は55度程度のお湯で温めると凝固する性質を持っているので毒性を和らげることができます。刺された場合は、応急処置を行い医療機関を必ず受診するようにしましょう。
刺されやすい場所
刺されやすい場所は足です。先ほども軽く触れたようにサンダルなどを関通して足裏に刺さるということが多いです。ダイビング中には特に注意が必要です。擬態してオニダルマオコゼに気づかず岩だと思って手をついてしまったり、足を付いてしまうとその時に刺されるというのも多いです。
岩やサンゴ礁に擬態していることが多いので海に行くときは安易に近づかない方がいいでしょう。そして、見た目から興味をもって触ってしまう人も多いです。触ろうとしている人がいたら注意してあげましょう。
オニダルマオコゼに刺されるのを事前に防ごう
ここまでの内容で毒の強さ、怖さが理解出来たと思います。大事なのは出会う前に出来ることをしておくということです。事前に準備が出来れば岩場や珊瑚にも恐怖感なく近づくことができるでしょう。ここで紹介する準備を事前に行い、オニダルマオコゼの恐怖から解放され海を楽しみましょう。
フェルト型の靴やブーツ
オニダルマオコゼの対策として1番有効な対策は、フェルト型の靴やブーツを着用することです。フェルト型というのは靴底にさらにフェルトがついている構造です。フェルトの部分が棘が刺さるのを防いでくれます。
フェルト型の靴やブーツをご紹介:フィッシングシューズフェルトスパイク
こちらの商品は日本人に合うように設計された1足で、サイズもS~5Lまであり様々な人が履くことを想定して作られています。軽重量で滑り止め用のグリップも付いているので岩場の多い浅瀬でも滑らず安心して行動することができます。
フェルト型の靴やブーツをご紹介:ウェーディングシューズ
滑りやすい岩場でも安定して釣りが楽しめるように設計されています。またフィット感もありアタリがあった時に踏ん張りが効くので釣り好きの方の間では人気の商品です。靴底には10mmもあるフェルトが付いています。オニダルマオコゼの棘は4㎝なのでこのブーツは安心だと言えるでしょう。
ダイビング用の靴は貫通するので注意
ダイビング用の靴はオニダルマオコゼの毒針は貫通してしまうので注意が必要です。海底の砂浜に潜っていることがあるのでよく観察しないと気づけません。安易に足を海底につけたり手をつけたりしないようにしましょう。
オニダルマオコゼの擬態に注意!
記事内で何度も岩やサンゴ礁に擬態するのが得意と言ってきましたが、実際に目の前にいても本当に気付かないことが多いです。そこで次は擬態している姿を紹介していきます。皆さんもクイズ感覚で探してみてください。
擬態の画像
こちらの写真は、ダイバーさんがダイビング中に撮った写真です。一見どこにいるのか分かりませんが、中心部をよく見てみてください。岩と同じ色になり、ばれないように動かずじっとしているのがわかります。
こちらは神奈川県にある水族館での1枚です。この中にオニダルマオコゼが隠れていますがよく探さないと分かりません。ここに中にいると分かってよく探すと見つかりますが、海で探すのは骨が折れます。海に行くときは、常にオニダルマオコゼの存在を意識して過ごすようにしましょう。
こちらは砂に隠れているオニダルマオコゼです。どこにいるか分かりますでしょうか。写真で見ると分かりやすいですが、ダイビング中は気づかないことが多いので注意が必要です。誤って手をついてしまわないようにしましょう。
擬態の仕方
次は擬態の仕方を紹介します。岩に擬態する場合は、岩にピッタリとくっつき全く動きません。周りに岩がない場合は砂場に隠れます。砂場に隠れる場合は、尾びれを使って顔が砂から出るように隠れて砂に擬態します。
擬態の様子を動画で見てみよう
次は実際に擬態しているオニダルマオコゼの様子を見てみましょう。擬態する前後では色や形など様々な変化があります。写真では分からないオニダルマオコゼの擬態の様子が分かり、海に行ったときの対策になるでしょう。
こちらの動画は初めは砂の中に完全に埋まっているところから始まり、途中で砂の中から出てきます。そして最後は尾びれを使って砂に埋まっていく様子も見ることができます。擬態する様子がよく分かります。
こちらの動画を見ると、オニダルマオコゼの最初の色と最後の色が違います。初めは周りに落ちている石たちに保護色するように少し赤っぽいです。最後は、場所を移動し岩にくっつき岩の色にすぐ変化します。
オニダルマオコゼの料理
オニダルマオコゼは危険な魚ですが正しい方法で調理すれば美味しく食べることができます。その美味しさから1匹で5000円以上もする高級魚です。そんな高級魚を自分で捕まえて調理してみましょう。
オニダルマオコゼの刺身
オニダルマオコゼは表面の皮をむくと綺麗な白身になります。裁いたときは透明感のある白身ですが、時間が経つと少し白濁してしまいます。しかし、刺身の食べ頃は冷蔵庫で1日~2日程度寝かせた方が味がおいしくなります。