セイゴはどんな魚?
セイゴはスズキ(シーバス)の幼魚のことを言いますが、日本中どこにでも見られます。夜行性で夜になると活動を始めます。銀白色の体と固い棘条(きょくじょう)の尾ひれや背びれ、エラブタに鋭い棘を持つのが特徴です。肉食性で甲殻類や多毛類などを捕食します。
その身は白く血合いは殆どありません。食べて美味しい魚です。良質のたんぱく質を多く含み脂質は少ないですがオレイン酸を含んでいますので悪玉コレステロール低下の効果が期待できます。また量は少ないですがDHA,EPAも含まれています。美味しいだけでなく健康にも良い魚です。
セイゴは出世魚!
セイゴの成魚であるスズキは出世魚として有名で、縁起が良いとされる魚です。地方によって呼び方は変わりますが、関東では15cm未満の当年魚はコッパ、1年もので30cm未満はセイゴ、2~3年もので60cm未満はフッコ、60cm以上はスズキと呼ばれます。フッコは関西ではハネ、中部ではマダカと呼ばれています。
どんなところに生息しているの?
北は北海道南部から南は九州まで、日本各地の沿岸に生息します。汽水域や沿岸の浅海などに棲みますが、河川を遡る単体もあり淡水域でみられることもあります。工業地帯付近など水質が悪い地域でも生息が可能です。
セイゴが美味しい時期!
一般的にはスズキと同様に夏が一番美味しいと言われていますが、地方によっては12月が旬とも言われます。これは12月頃セイゴが越冬のため荒食いするからだと思われます。セイゴは四季を通して釣れる魚ですし、いつでも美味しくいただけます。
セイゴのおすすめ調理法!美味しく食べるならこんな料理!
新鮮なものは生のままお刺身で食べても美味しいですが、シンプルな塩焼きは絶品です。また煮付けや天ぷらにしても美味しく、煮ても焼いても揚げても美味しくいただける万能食材です。続いてはおすすめの料理方法をいくつかご紹介します。
セイゴのフライ!
三枚におろしたセイゴを大きめの一口大に切り少量の塩コショウを振って馴染ませます。溶き卵に小麦粉を入れてよく混ぜセイゴの切り身を入れてよく絡ませます。パン粉を付けてバッド等に並べラップをして30~1時間冷蔵庫で休ませます。高温の油でカラッと揚げれば出来上がりです。ケチャップやソース、タルタルソースでいただきます。
セイゴのムニエル!
三枚におろしたセイゴに塩コショウをし、ハーブをのせておきます。暫くしたら水気をふき取り、両面に小麦粉をまぶします。フライパンに油をひき火にかけます。セイゴを乗せて中火で両面を焼きます。フライパンにバターを乗せてセイゴに絡ませたら出来上がりです。レモンを絞っていただきます。お好みでタルタルソースを添えても美味しいです。
セイゴのカルパッチョ!
三枚におろしたセイゴを刺身よりも薄くスライスし、予め冷やしておいた皿に並べます。オリーブオイル大さじ2、レモン汁大さじ2、醤油大さじ1/2、すりおろしにんにく小さじ1/2、イタリアンハーブミックス適量、ブラックペッパー適量を混ぜ合わせたカルパッチョソースをかけ、プチトマト、パプリカ、ベビーリーフなどを飾ります。
セイゴを料理する際に気を付けたいポイント!
セイゴは銀色に輝くその美しい容姿に似合わず危険な魚です。危険といっても毒があるわけではありませんが。ご自分で調理する際に気を付けていただきたいポイントをまとめましたので参考になさってください。
鋭いエラやヒレに注意しよう!
セイゴのエラブタはの縁は薄く固くなっておりカマのように鋭いです。また背びれや尾ひれにも固い棘があります。死んでいても危ないのに変わりありませんで、調理の際は手を切らないように注意しましょう。あらかじめキッチンバサミでエラやヒレを取り除いておくのもよいでしょう。
セイゴのうろこは結構固いのでしっかり取り除きましょう。細かい部分は包丁の先などで落とします。続いて内臓を取り除きますがキッチンバサミを使うと簡単です。まずアゴの下の繋がった部分を切ったあとお腹を切り開きます。エラをはずして内臓を引っ張り出し、綺麗に水洗いすれば下準備完了です。
寄生虫がいないか確認しよう!
セイゴには怖いアニサキスの心配は殆どありませんが、ウノコバンや粘液胞子虫が寄生していることがあります。どちらも人間に寄生することはありません。ウノコバンは尾の近くに付きますが取り除けば問題ありません。粘液胞子虫も加熱すれば大丈夫ですが、見た目が気持ち悪いのと魚の味は落ちていますので食べる前に判断してください。
セイゴとスズキ、味や調理法の違いは?
セイゴもスズキも大きさ(年齢?)が違うだけで同じ魚です。魚は大きくなるほど大味になると言いますがスズキにも当てはまるのでしょうか?味の違いやそれぞれの魚に適した食べ方をご紹介して行きます。
大きいほうが美味しい?!
一般には成魚のスズキが一番美味しく、続いてフッコ、セイゴの順に味が良いといわれます。セイゴは身が固く、脂があまり乗っていないのでスズキに比べると旨みに欠けます。あっさりした魚が好きな方にはおすすめです。スズキも体長80cmを超えると身に締りがなくなり不味くなります。
また、スズキは冬の産卵期から春の産後までは身が細り極端に味が落ちます。その時期はセイゴのほうが美味しいでしょう。秋のスズキは意見が分かれるところです。脂がのって夏よりも美味しいという方もいれば、子持ちになると急に味が落ち生臭くなるという方もいます。
スズキの刺身は最高!
6月から8月が旬の魚ですが、この時期に刺身にして食べると脂が乗っていて最高です。独特の臭いが気になる方は洗いにしても良いでしょう。残ったアラは煮付けやアラ汁にすると美味しくいただけます。スズキは生で、セイゴは塩焼きや揚げ物にして食べるほうが美味しいようです。