カニバリズムの狂気と戦慄|現代のカニバリズムとは?

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2003年に第一弾が封切りされてから6作品まで制作されている人気ホラー映画。キャンプへ出かけていた主人公一行は山道で車のパンクにより立ち往生してしまいます。困り果てた主人公達がたどり着いたのは一軒の山小屋。中へ入って見ると、鍋で煮立っている人の歯、冷蔵庫いっぱいの人間の内臓…そこはこの地に住み着いているという噂の食人族の男の住み家でした。

(閲覧注意)日本で実際に起きたカニバリズム事件

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有名なカニバリズム事件といえば海外の話ばかり取り上げられますが、私たちが住む日本でも同様の事件が発生しています。ここでは身近な狂気をご紹介しましょう。

連続幼女誘拐殺人事件

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昭和63年から平成元年にかけて発生した誘拐殺人事件。ターゲットとなったのは全て幼女で、遺体をバラバラにするなど犯人の残虐性の高さから、当時センセーショナルに報道されました。4人目に殺害した幼女の両手を食べたとの自供があり、カニバリズムが日本人に多く知れ渡る事に繋がりました。

群馬連れ子殺人・人肉食事件

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昭和20年の終戦間際に起こった殺人事件です。戦争の影響で食糧難に陥る人々が多く、その中でも貧困にあえいでいた家庭で発生しました。9人家族で暮らしていたが、食料が尽き大人も子供も衰弱していた折に、空腹に苦しむ子供の内の一人を殺害し、山羊の肉鍋と偽り他の家族に振る舞ったと言われています。

小笠原事件

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敗戦間近の1945年父島にて日本陸軍幹部がアメリカ軍の捕虜を処刑の後、解剖し遺体の内臓を食したとされる事件です。酒の席のつまみにしたという非人道的行為から起訴され関係者は有罪処分を受けました。当時の日本軍は「捕虜に対してはどんな屈辱を与えても構わない」という訓示が施行されており、兵士の士気向上のために行った行動だと記録に残っています。

世界を震撼させた日本の食人鬼

皆さんは佐川一政という日本人で最も有名なカニバリストをご存知でしょうか。女性を殺害後、遺体を食したことで起訴されたものの無罪判決を受けた非常にショッキングな事件の当事者です。

佐川一政

幼少の頃から虚弱体質であった佐川は裕福な家庭で育ち、芸術や文学の面で優秀な成績を修めた優等生タイプでした。小学生の頃から食人に対する興味があり、「同級生の太ももを見るたびに恍惚とした気分になった」という証言から既にカニバリストとしての片鱗をのぞかせていました。

パリ人肉事件

フランスの大学院へ進学した佐川はある日、同級生のオランダ人女性宅を訪れ、殺害後、屍姦し遺体の一部をフライパンで調理して食べました。この時の心境を後に、「この機会を失えば、二度と人間を食べるチャンスは訪れない」という強迫観念から起こした行動だったと振り返っています。また、この被害者に行為を抱いていたが告白する勇気もなく「肉片として彼女の一部を自分の体内に入れておきたかった」とも語っています。

帰国後の生活

逮捕後起訴された佐川でしたが、父親の持参した示談金と佐川の精神鑑定の結果「心神喪失」であるとの結果が出たことにより不起訴となり、精神病院へ入院が決まりました。1年3か月後退院した佐川はマスコミに持て囃され、執筆活動やTV出演などに追われましたが、ほとぼりが冷めるとメディア露出は激減しました。佐川は現在も日本に暮らしています。

狂気と隣合わせのカニバリズムの今

古代のカニバリズムは宗教的な意味合いや、閉ざされた土地に根付く風習によるケースが多く存在しますが、近代になるにつれ自己を満たすための快楽的な手段として行われる事件が増えています。科学や社会性が急速に発展し多様化した現代にも、そんな狂気はすぐ側に潜んでいるのかもしれません。