カニバリズムの狂気と戦慄|現代のカニバリズムとは?

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「食べてしまいたいほどかわいい」は聞きなれた言葉ですが、実際に愛する人を食べてしまう行き過ぎた愛情表現としてのカニバリズムも存在します。

愛する人とひとつに

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愛する者を失いたくない一心から、死者の体の一部を食べることによって自分の体と一体化し、永遠を共に過ごせる安心感を得ようとする考えからからくるカニバリズム。骨や内臓を食べてしまったケースも世界各地に見られます。

聖書にみるカニバリズム

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事実行われたわけではありませんが比喩としてのカニバリズムを感じる文面が福音書に記載されています。いわく、「私の肉を食べ私の血を飲む者には永遠の命があり、私はその人を終りの日に蘇えらせるであろう」とはイエスの言葉です。

敵を征服する|敵意

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古代の少数民族や戦争期にまま見られるカニバリズムでは、敵に対する侮辱や仲間同士の士気を高めるために捕虜にした敵を食すといったケースもありました。

死者の弔い|敬意

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エンドカニバリズムに分類される世界中に古来からある風習としてのカニバリズム。現在も限られた地域でカニバリズム的な弔いをする地域が存在します。

気になる人肉の味

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我々現代人にとってはタブー中のタブーというべき人の肉の味への興味。ここでは実際に人肉を食したサイコキラーの証言をご紹介します。

見た目は牛肉、味は豚?

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新鮮な状態の人肉は一見して牛肉のようだと多くの食人者は語りますが、腐るのが早くすぐに赤みを失い、どす黒く変色するといいいます。

成人男性は美味しくない?

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子供や女性の肉は柔らかく、特に乳房は豚や猪などの偶蹄類のような野性味のある味わい、臀部はマイルドな甘みがあると言います。一方男性の肉はあまり美味しく無いと言われています。

部位によって異なる調理法

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多くの場合頭部は煮込み調理にされる場合が多く、臓物はウインナーやハンバーグなどに加工されるケースが多々見られます。

カニバリズムを扱う映画・ドラマ

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グロテスクとサイコをテーマに扱う映画には、単純な恐怖を超えた人間に内包されている狂気を如実に現します。ここでは様々な猟奇的思考や事件をクローズアップして映像化した不朽の名作をご紹介。

羊たちの沈黙

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アカデミー賞主要部門を総なめした大ヒットサイコサスペンス。FBIに所属する女性と元精神科医の猟奇殺人犯がタッグを組み連続猟奇事件を解決するストーリー。名優アンソニー・ホプキンス扮するレクター博士の狂気と卓越した頭脳は映画ファンから多くの反響を呼び続編が次々にリリースされハンニバルシリーズと呼ばれるほどのモンスター作品となりました。

ひかりごけ

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1944年に北海道で起きた事件を元に制作された映画。海難事故により遭難した船員が食べ物が何も無い極限状態の中でカニバリズム行為によって生き延びた事実に焦点を当てたストーリー。日本の歴史においても食人の事実は多々見られるものの、食人によって裁判が開かれた始めての事件としても興味深く、ノンフィクションという点で食人について考えさせられる作品です。

スウィーニー・トッド

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2007年公開。ジョニー・デップが主演をつとめたホラーミュージカル。中期ロンドンを舞台に繰り広げられる復讐劇。主人公が営む理髪店に訪れる客の末路、ひたすらカラートーンを抑えたモノクロの世界で繰り返される惨劇はインパクト大。また、架空の人物とされているスウィーニー・トッドですが1800年代のフランスで映画の内容と酷似した事件があったとされ、事実無根のファンタジーとは言い切れない部分もあります。

RAW 少女のめざめ

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フランス、ベルギー産のホラー・スプラッター映画。獣医学校へ通うベジタリアンの女性主人公は新入生歓迎会でカオスな儀式に巻き込まれウサギの肉を無理矢理食べさせられてしまいます。その事がトリガーとなりベジタリアンから一点、人の肉を追い求める食人種に。陰鬱とした学生生活特有の雰囲気が全面に出た、ジュブナイル映画としても評価の高い作品といえます。

クライモリ

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2003年に第一弾が封切りされてから6作品まで制作されている人気ホラー映画。キャンプへ出かけていた主人公一行は山道で車のパンクにより立ち往生してしまいます。困り果てた主人公達がたどり着いたのは一軒の山小屋。中へ入って見ると、鍋で煮立っている人の歯、冷蔵庫いっぱいの人間の内臓…そこはこの地に住み着いているという噂の食人族の男の住み家でした。

(閲覧注意)日本で実際に起きたカニバリズム事件

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有名なカニバリズム事件といえば海外の話ばかり取り上げられますが、私たちが住む日本でも同様の事件が発生しています。ここでは身近な狂気をご紹介しましょう。

連続幼女誘拐殺人事件

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昭和63年から平成元年にかけて発生した誘拐殺人事件。ターゲットとなったのは全て幼女で、遺体をバラバラにするなど犯人の残虐性の高さから、当時センセーショナルに報道されました。4人目に殺害した幼女の両手を食べたとの自供があり、カニバリズムが日本人に多く知れ渡る事に繋がりました。

群馬連れ子殺人・人肉食事件

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昭和20年の終戦間際に起こった殺人事件です。戦争の影響で食糧難に陥る人々が多く、その中でも貧困にあえいでいた家庭で発生しました。9人家族で暮らしていたが、食料が尽き大人も子供も衰弱していた折に、空腹に苦しむ子供の内の一人を殺害し、山羊の肉鍋と偽り他の家族に振る舞ったと言われています。

小笠原事件

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敗戦間近の1945年父島にて日本陸軍幹部がアメリカ軍の捕虜を処刑の後、解剖し遺体の内臓を食したとされる事件です。酒の席のつまみにしたという非人道的行為から起訴され関係者は有罪処分を受けました。当時の日本軍は「捕虜に対してはどんな屈辱を与えても構わない」という訓示が施行されており、兵士の士気向上のために行った行動だと記録に残っています。

世界を震撼させた日本の食人鬼

皆さんは佐川一政という日本人で最も有名なカニバリストをご存知でしょうか。女性を殺害後、遺体を食したことで起訴されたものの無罪判決を受けた非常にショッキングな事件の当事者です。

佐川一政

幼少の頃から虚弱体質であった佐川は裕福な家庭で育ち、芸術や文学の面で優秀な成績を修めた優等生タイプでした。小学生の頃から食人に対する興味があり、「同級生の太ももを見るたびに恍惚とした気分になった」という証言から既にカニバリストとしての片鱗をのぞかせていました。

パリ人肉事件

フランスの大学院へ進学した佐川はある日、同級生のオランダ人女性宅を訪れ、殺害後、屍姦し遺体の一部をフライパンで調理して食べました。この時の心境を後に、「この機会を失えば、二度と人間を食べるチャンスは訪れない」という強迫観念から起こした行動だったと振り返っています。また、この被害者に行為を抱いていたが告白する勇気もなく「肉片として彼女の一部を自分の体内に入れておきたかった」とも語っています。

帰国後の生活

逮捕後起訴された佐川でしたが、父親の持参した示談金と佐川の精神鑑定の結果「心神喪失」であるとの結果が出たことにより不起訴となり、精神病院へ入院が決まりました。1年3か月後退院した佐川はマスコミに持て囃され、執筆活動やTV出演などに追われましたが、ほとぼりが冷めるとメディア露出は激減しました。佐川は現在も日本に暮らしています。

狂気と隣合わせのカニバリズムの今

古代のカニバリズムは宗教的な意味合いや、閉ざされた土地に根付く風習によるケースが多く存在しますが、近代になるにつれ自己を満たすための快楽的な手段として行われる事件が増えています。科学や社会性が急速に発展し多様化した現代にも、そんな狂気はすぐ側に潜んでいるのかもしれません。