根魚とは?
そもそも根魚とは何なのかを見ていきます。根魚とは海底の岩や海底に生えている植物といった障害物の間や近くに生息していて、遠くの方へ移動したりしない魚の総称です。別名では「根付き魚」や「ロックフィッシュ」と呼ばれています。
日本にはこんなにも多くの根魚がいる!
魚の総称ということで根魚の中にも種類が存在します。根魚の種類は意外にも多く約50ほどの種類がいるのです。以下の記事で根魚の種類を紹介しますが、もしかしたら名前を知っている、見たことがあるという魚が根魚の種類に分類されているかもしれません。
根魚の種類をご紹介!
ここからはたくさんの種類のいる根魚の中から、一部の根魚を詳しく見ていきます。釣りや魚に詳しくない人でも知っているようなメジャーな魚から、ちょっとマニアックで聞いたことがないという魚までを幅広く紹介していくので一緒に見ていきましょう。
根魚の種類①カサゴ
こちらの根魚は誰もが知っている魚でしょう。刺身はもちろんのこと、唐揚げや煮付けといった、たくさんの料理に使われる魚です。実は体に毒を持っている種類のカサゴもいるため、扱いには注意しなければいけない魚でもあります。ちなみに別名で「ガシラ」と呼ぶ地方もあります。
特徴
カサゴの最大の特徴というと、体にある大きな斑点のような模様でしょう。赤っぽい色をしているものや黒っぽい色をしているものまでありますが、体にある斑点のような模様は共通します。この模様は皮膚がただれているように見えることから、漢字では「瘡」という湿疹の総称を意味する漢字を使って「瘡魚」と書かれることがあります。
生息地
生息地を見ていきましょう。日本では北海道から九州の日本海、太平洋沿岸といった幅広い海域に生息し、他には中国、台湾、朝鮮半島にも生息しています。水深は200mほどの深さまで生息しており、日中は天敵の目につかない隠れられるところで生活しています。
釣り方
釣り方は岩や植物といった障害物に隠れているため、テトラポットや堤防から狙うことができます。仕掛けは複数の針を使用する「胴付き仕掛け」、障害物に落として釣る「穴釣り仕掛け」、ポイントに直接投げ込む「ぶっ込み釣り仕掛け」があります。
根魚の種類②メバル
こちらの根魚もメジャーな魚と言っていいでしょう。この魚も味噌汁や煮付けといった料理があります。シロメバル・アカメバル・クロメバルの3種類があり、春を告げる魚ということで「春告魚」と呼ばれる魚の一種でもあります。
特徴
メバルは漢字で「眼張」と書きます。特徴としては名前の通りになりますが、大きな目でしょう。大きな目の視力はとてもよいです。他にも特徴の一つとして、群れとして行動することや頭を上に向けて立ち泳ぎのような泳ぎ方をしていることも挙げられます。
生息地
メバルは北海道の南部から九州の日本海、太平洋に生息しており、ほぼ全国的に生息しています。日本以外では朝鮮半島の南部にも生息して、漁港や堤防の隠れられるところに潜んでいるので意外と身近な魚でもあります。
釣り方
メバル釣りのことを別名で「メバリング」と呼びます。メバリングはジグヘッドやワームを使用した釣りが主な釣り方ですが、他にも浮力を持ったハードルアーであるプラグを使用しても釣れます。使用するアクションはただ巻きの「リトリーブ」で釣ることができ、このハードルアーを使って釣ることをプラッキングと言います。
根魚の種類③アイナメ
こちらもたくさんの料理がある魚です。アイナメの身は白身で脂が多いため北海道では「アブラコ」と呼ばれています。たくさんの料理ができますが刺身といった生食の場合、寄生虫が潜んでいる季節があるため注意が必要な根魚です。
特徴
アイナメはカサゴ目のアイナメ科に属している魚の一種ですが、カサゴとは違ってヒレの棘が発達してないことが特徴の魚です。また鱗の大きさが小さいことも特徴の一つとして挙げられます。全長は30cmから40cmで、特に大きなものになると60cmほどにもなります。
生息地
日本ではほぼ全国的に生息していますが、一部の太平洋側や西南諸島には生息していません。日本以外の場所では朝鮮半島や黄海に生息しており、生息地は幅広いです。岩礁やテトラポットといった障害物に隠れて捕食を行なっている魚です。
釣り方
アイナメは遠くにあるポイントまで投げ込む「遠投」で釣る方法と、少し先のポイントまで投げ込む「チョイ投げ」の方法があります。エサについてはメジャーなイソメを使ったり、釣具のお店で活きエビとして扱われているシラサエビといったものがあります。
根魚の種類④クロソイ
こちらの根魚は聞いたことがないという人がいるでしょう。クロソイというのは漢字で「黒曹以」と書き、カサゴ目フサカサゴ科メバル属という種類に分類されています。料理では刺身や煮付け、小さいものであれば丸ごと唐揚げにして食べたりもします。
特徴
漢字の通りで黒を基調とした色をしています。特徴としては背びれの棘が鋭いことでしょう。実は目の下にも棘があるのも特徴の一つです。ときどき似ている魚でマゾイという魚と一緒にされたりもしますが目の下に棘があるかどうかで見分けることができます。
生息地
この魚も生息域は広く、沖縄県以外であればほぼ日本全国で釣ることができます。大きさは40cmくらいですが、東北や北海道では50cmや大きいものだと60cmくらいのものが釣れるので、北に向かうほど大きなクロソイが生息しています。
釣り方
釣りのポイントはゴロタ場というゴロッとした岩や石がたくさん海底に沈んでいる場所にクロソイは隠れています。なのでその隙間に隠れている魚を狙う「穴釣り」が適しているでしょう。エサについてはイソメを使うのが一般的です。
根魚の種類⑤キジハタ
この根魚は聞いたことぐらいはあるのではないでしょうか。体の色は綺麗なオレンジ色をしていて、赤っぽい斑点が体中にあります。関西では「アコウ」という有名な呼び名があり、アコウの方だったら聞いたことがあるという人もいるでしょう。
特徴
数ある根魚の種類でもキジハタの大きな特徴はメスからオスに性転換することが挙げられます。全長は30cmくらいのものが多いですが、40cmくらいになるとメスからオスに性転換をして、大きいものになると60cmくらいにまでなります。
生息地
日本では青森県よりも南から九州と幅広い範囲で生息していて、日本以外では朝鮮半島の南や台湾、中国にも生息しています。堤防でも釣ることができて障害物に隠れていますが、特に藻が生えている岩場に多く生息しているのです。
釣り方
ウキを使わないシンプルな仕掛けの「探り釣り」、疑似エサを使った「ルアーフィッシング」、エサに生きた小魚を使う「泳がせ釣り」などで釣ることができます。身近な場所で釣ることができるキジハタですが、実は高級魚として扱われているので釣れたら是非食してみてください。
根魚の種類⑥アカハタ
こちらの根魚はスズキ目スズキ亜目ハタ科マハタ属に属している種類の魚です。漢字では「赤羽太」と書き、大きさは30cmほどになります。料理は刺身や煮付けがありますが、清蒸(チョン・ヂョン)という中国の料理法を使う料理もあります。
特徴
アカハタの特徴の一つは見た目でしょう。漢字の通りに鮮やかな赤っぽい色をしていて、背びれの先は黒い色をしています。またこちらの根魚もキジハタと同様でメスからオスに性転換を行うことも特徴として挙げられます。
生息地
アカハタの生息地は太平洋側で見ると関東地方よりも南、日本海側で見ると富山県よりも南で西日本を中心として生息している魚です。日本以外にも中国や韓国にも生息しており、周辺の環境に関してはサンゴ礁や岩場といったところに潜んでいます。
釣り方
仕掛けを投げて、そのまま当たりがあるまで待つ「ぶっ込み釣り」やオモリと針が一体になっている仕掛けを使う「テンヤ」を使って釣ることもできます。後者の方の釣り方は主にマダイを釣るための方法ですが、アカハタでも十分に楽しめます。
根魚の種類⑦オオモンハタ
この根魚はスズキ目ハタ科ハタ亜科マハタ属に属している種類の魚です。地域によっては「キジハタ」と呼ぶ地域がありますが5で紹介したキジハタとはまったくの別物ですので注意しましょう。料理については特に煮物や鍋料理が美味しいとされています。
特徴
見た目の特徴としては茶色っぽい斑点が体中にたくさんあります。それによって網目のような模様をしていることも特徴です。また大きさについては小さいものだと30cmほど、大きいものだと50cmを超えるほどの大きさになります。
生息地
オオモンハタは比較的暖かい海に生息しています。地域は太平洋側であれば相模湾から九州の南側、他には長崎県、鹿児島県の東シナ海にも生息しており、防波堤や磯、サンゴ礁などの障害物の近くで隠れて生活しています。
釣り方
基本的には底の方にいますが水面近くにも浮上してくることがあるので、幅広い層を狙って釣りを楽しむことができます。釣り方に関しては遠投したら巻き取るというシンプルな方法で、ルアーは小型の魚に似た作りになっているもの。またはワームの形をしているものを選びましょう。
根魚の種類⑧クエ
こちらの根魚は1度くらいは聞いたことがあるでしょう。クエはスズキ目のハタ科に属する種類の魚です。クエの別名としては西日本の地方では「モロコ」と呼ばれており、漢字では「九絵」と書かれることがあります。ちなみにクエは高級魚としても有名です。
特徴
クエの最大の特徴というと体の大きさでしょう。クエは成魚だと60cmほどの大きさで、非常に大きなものになると130cmくらいにもなり、雑誌や新聞にも取り上げられるほどになります。また他のハタ類と比べて体に斑点がないことも特徴です。
生息地
日本では西日本から東シナ海の沿岸に生息し、日本以外であれば南シナ海に生息しています。深さは50mほどの深さで岩陰やサンゴ礁の近くで生活をしており、昼はおとなしく岩陰に隠れて夜になるとエサを探して動き回ります。
釣り方
クエは非常に釣るのが難しい魚です。釣り方は仕掛けを投げる「ぶっ込み釣り」で行います。磯釣りと船釣りの両方がありますが、クエは非常に大きい魚で引きがとても強いので磯釣りの場合は足場が安定しているところでないと海に転落する可能性があります。クエに関してのさらに詳しい記事はこちらです。
根魚の種類⑨タケノコメバル
こちらの根魚はスズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属に属している種類の魚です。この魚はよくダシが出てくれるので味噌汁や煮付けといった料理にすると非常に美味しく食べることができますがあまり獲れる魚ではないため知名度は低めです。