柄も大きさも様々ですが、食性も大きく異なることからその餌に合わせて住む場所も異なってきます。比較的おとなしく物陰にじっと潜んでいるものもいれば、自分の食べる餌が豊富にある場所をテリトリーとするような種類はやはり縄張り意識が強く他の個体を攻撃する種類もあります。
プレコの種類①:大型編
ではここからは具体的な種類ごとの特徴をご紹介していきましょう。実に多くの種類がいますのでサイズ別にお伝えしていくことにしましょう。まずは大きなアマゾン川で育まれた力強さを感じる大型種についてです。
プレコの大型種①:セイルフィンプレコ(セルフィンプレコ)
- 学名:Pterygoplichthys gibbiceps
- 食性:主に藻類だが基本的には雑食のため赤虫などの動物性も与えるよい。
- 最大サイズ:50㎝
- 生息地域:アマゾン川、オリノコ川、沖縄県
最もポピュラーな1種です。幼魚のころは斑点が細かくわかるが成魚になるにしたがってわかりにくくなってきます。背ビレが大きくこの姿が帆を立てた船の姿に似ていることから「Sail」の名がつきました。
プレコの大型種②:ロイヤルプレコ
- 学名:Panaque nigrolineatus
- 食性:草食で主に食べるものは流木。
- 最大サイズ:30センチ
- 生息地域:アマゾン川、オリノコ川
愛嬌のある姿と体のボーダー模様が非常に人気の種類です。ロイヤルプレコの中にもさまざまの種類が存在しており、グリーンロイヤルやスポットロイヤルなどがいます。共通はいずれも流木を食べる点です。
プレコの大型種③:スカーレットトリムプレコ
- 学名:Pseudacanthicus sellatus
- 食性:主に肉食。冷凍赤虫やタブレットなどを与えるのがよい。
- 最大サイズ:40センチ以上
- 生息地域:トカンチンス河
「トリム」系の特徴は体にトゲをもつ点です。扱う際には注意しましょう。赤茶色から深緑色の美しいヒレを持ち観賞魚としての価値も高い品種になります。多くの種類はは成長とともに色が褪せていく傾向にありますがこのスカーレットトリムは逆で色も濃くなっていくため、飼い込んで美しい発色を楽しむ人も多いです。
プレコの大型種④:アグアプレコ
- 学名:Acanthicus adonis
- 食性:主に植物性の餌を与え、時々赤虫などの動物性を与えるのがよい。
- 最大サイズ:1メートル以上になる個体も。
- 生息地域:アマゾン川、トカンチンス河
別名アグニスプレコとも呼ばれ、大型種の中でも最大級に大きくなります。幼魚には黒い肌に白い斑点があってとても美しいですが成魚になるにしたがって斑点が消失し黒い個体になります。色の変化とともにトゲも発達します。
プレコの大型種⑤:ヒポプレコ
- 学名:Liposarcus multiradiatus
- 食性:雑食なので植物性と動物性がブレンドされたタブレットなど好ましい。
- 最大サイズ:50~60センチ
- 生息地域:東南アジアなどの養殖が主。
サッカープレコや並プレコなどの通称を多く持ち、セイルフィンプレコと同様メジャーな種類です。成魚になるにつれて50センチを超える大きなサイズになり、気性も荒く繁殖能力も高くなります。飼いきれずに放流されたものが沖縄などで野生化し従来の生態系を脅かす問題ともなっています。
プレコの種類②:中型編
続いては中型編です。その個性的な名前からも美しい色や柄が持っていることが想像できるような特徴を持ったものをご紹介していきます。中型のサイズは20~30センチほどの種類になります。
プレコの中型種①:オレンジフィンカイザープレコ
- 学名:Baryancistrus sp
- 食性:植物性と動物性がバランスよいタブレットなどが好ましい。
- 最大サイズ:20~25センチ
- 生息地域:南米アマゾン河支流・シングー河
真っ黒の体に無数に広がるオレンジ色の斑点が非常に美しい種類です。体の斑点だけでなく、ヒレなど体の端々にもオレンジ色の発色がみられます。カイザー(皇帝)と名がつくだけあって堂々としたかっこよさがあります。
プレコの中型種②:ゴールドエッジマグナムプレコ
- 学名:Scobinancistrus aureatus
- 食性:植物性と動物性がバランスよいタブレットなどが好ましい。
- 最大サイズ:30センチ
- 生息地域:シングー河など
ビビッドな黄色い斑点と水の流れになびく美しいヒレが人気の種類です。他の種類に比べて気性が荒く、歯が大きく発達しているのも特徴の一つです。水槽の機材をかじることもあります。他の魚と混泳させる際にはこの歯にも注意が必要です。
プレコの中型種③:ニュースタークラウンプレコ
- 学名:Leporacanthicus galaxias
- 食性:植物性と動物性がバランスよいタブレットなどが好ましい。
- 最大サイズ:20センチ
小型種のニュースタープレコととても良く似ていますが最大サイズの違いから別種であることがわかりました。名前の通り、黒地に白い斑点が銀河の様に広がっており美しいです。前述のマグナムプレコ同様気性が荒いので飼育の際には注意が必要となります。
プレコの中型種④:アーマードプレコ
- 学名:Pseudorinelepis genibarbis(carachama)
- 食性:植物性と動物性がバランスよいタブレット、冷凍赤虫などが好ましい。
- 最大サイズ:約30センチ
- 生息地域:ペルー
アーマードの通り全身が固い鎧のような皮膚で覆われています。個体によっては身体に斑点が出る時もあります。性格は温和なので流木などの隠れるスペースを作ってやれば他の種の混泳も比較的簡単に行えます。
プレコの種類③:小型編
最後は小型編です。小型サイズのものが一番家庭での水槽でも飼いやすいことはいうまでもありません。タイガープレコ、プッシープレコ、そして近年発見されたインペリアルゼブラプレコをご紹介します。
プレコの小型種①:タイガープレコ
- 学名:Peckoltia vittata
- 食性:雑食。飼育の際は植物性と動物性がバランスよいタブレット、冷凍赤虫などが好ましい。
- 最大サイズ:7センチ
- 生息地域:アマゾン川
入門編にはぴったりの種類です。最大でも10センチ弱までしか大きくなりません。虎の縞模様のような柄が特徴です。タイガープレコの中にもスポットが入るものや黄色いラインが入るものもあり根強いファンもいる種類です。
プレコの小型種②:ブッシープレコ
- 学名:Ancistrus sp
- 食性:雑食。飼育の際は植物性と動物性がバランスよいタブレット、冷凍赤虫などが好ましい。
- 最大サイズ:10~15センチ
- 生息地域:アマゾン川、パナマ
一見地味な見た目ですがかわいいもじゃもじゃしたヒゲがポイントの種類です。メスに比べてオスのほうがこのヒゲが多く出る傾向にあり、立派なヒゲを持つ個体はブルスルノーズと呼ばれて区別されるほどです。
プレコの小型種③:インペリアルゼブラプレコ
- 学名:Hypancistrus zebura
- 食性:動物性の餌を好む。
- 最大サイズ:10センチ
- 生息地域:シングー河
1998年に発見されて以来、とても人気の高い種類です。白と黒のゼブラ模様が他のものと比べても格段に美しい上、飼いやすい小型サイズであることが人気の理由でしょう。あまりの人気で乱獲が進み、現在ブラジルでは輸出が禁止されおり、国内で出回っているものは国内でブリードされた個体となります。
プレコの飼育について
実に様々な模様と大きさ、そして個性的なキャラクターが魅力のプレコたち。ブッシープレコやセイルフィンプレコなどはホームセンターで販売されていることもあり飼育初心者の人も手を出しやすい魚です。ここではそんなプレコの飼育についてお話します。
プレコの飼育は難しい?
熱帯魚を飼ったことがない人には実にハードルが高く感じるアクアリウムですが、プレコ飼育は熱帯魚の中でも比較的簡単です。小型サイズの種類を選べば水槽も大きいものを買う必要はなく、ほかの魚との混泳も可能です。