都市伝説!くねくねの目撃談
ここではネット上にあるくねくね目撃談の中から最も有名なエピソードと、他のくねくね怪談とはひと味違うレアなケースのエピソードをご紹介します。
真夏の水辺に現れたくねくね
ある兄弟が夏休みを利用して東方にある祖父母の家に遊びに来ていました。田んぼが広がる田舎道を2人で遊び歩いていると、兄がある方向を指差してこう言いました。「あれ、なんだろう」。兄の指差す方を見てみると、何か分からない白い物体が田んぼの中でくねくねと動いています。案山子が風で揺れているのかと思いきや今は無風。
その物質の正体が気になった兄は急いで祖父母宅から双眼鏡を持ち出し、いまだにくねくねと動いているソレを覗き見た、その瞬間でした。兄の顔はみるみる青ざめていき、冷や汗を流しながら持っていた双眼鏡を地面に落としました。
兄にどうしたのか尋ねると兄の声とは違う声色で「ワカラナイホウガイイ」とだけ答え祖父母宅へ戻って行きました。兄の様子に動揺しつつも、あれの正体が気になり双眼鏡で覗いてみようとしたその時、祖父が血相を変えて弟の元へ走ってきました。
「あの白い物体を見たのか!」もの凄い剣幕でそう聞く祖父に「見ていない」と答えると祖父は安心した様子で弟を連れ家に戻りました。家へ帰りつくと家族が全員泣き崩れる中、兄は大声で笑いながら先程の白い物体と同じくねくねとした動きをしていました。
数日後、一家が自宅へ帰る日に祖母はこう言いました。「兄はここに置いていけ、時間が経ったら田んぼに放してやるのが一番いい」。その夏以降、兄がどうなったかは分かりません。
市街地に現れたくねくね
あるベッドタウンに住む女性は、毎朝自宅のベランダで外を眺めがらコーヒーを飲むことを日課にしていました。毎朝自宅前の道路を早朝ランナーたちが走っているので、なんとなくランナーたちの顔も覚え始めていた頃、一人だけ様子のおかしい男性ランナーがいる事に気が付きました。
違和感を覚えた理由は、他のランナーと違って汗をかいていない・呼吸をしていない・足音がしないという点です。男性の見た目はごく普通の坊主頭の青年でしたが、気になってしかたない女性はある日近くまで行って確かめることにしました。
早朝のゴミ出しを装い例の男性を待ち伏せていると、定刻通りにやってきました。こちらに近づいてくる男性の両手首は何故かキラキラと光っています。不審に思いながらも目を合わせないように男性に背を向け、ゴミ出しの素振りを装います。
男性が背後を通り過ぎる瞬間に呼吸や足音の有無を確かめようとしたものの、男性は音もなく女性の背後を通り過ぎました。
気味が悪く思いしばらくして振り返ると、すでに男性はおらず、別の中年男性ランナーが汗を流しながら女性の隣を走り抜けました。
なんとなしにその中年男性を目で追っていると両手首と首元にキラキラ光るものが見えます。中年男性が向かう先を見ると先ほどの男性ランナーがくねくねとした妙な動きで中年男性に巻き付いているキラキラした透明の糸を手繰り寄せているかのような仕草をしていました。それ以来その女性は朝の日課を辞めたそうです。
都市伝説!くねくねとは一体何?
最初に目撃談をご紹介しましたが、このくねくねとは一体何者なのでしょうか?くねくねとは2003年頃にネット上で広く知られた怪談の名称、および物体の名前です。日本中の様々な場所で目撃情報が寄せられ、10年以上経った今でも伝説の都市伝説としてオカルトファンの間で語り継がれています。
くねくね話の起源は?
巨大匿名掲示板5ちゃんねる(当時2ちゃんねる)のオカルト専門スレッドに最初の目撃情報が寄せられ、それ以降様々なパターンの「くねくね」に関する怪談が投稿されるようになりました。
その結果、くねくねの怪談は一気に知名度を上げ、考察サイトや専用スレッドが乱立しオカルトファンによる憶測や推論などが飛び交うほどの人気となりました。
くねくねの特徴
インターネット上に集まる多くの目撃談をまとめると、くねくねの特徴は以下の通りです。中でも、「真夏の太陽がさんさんと降り注ぐ日中」というシチュエーションに起こる怪異という、怪談にそぐわないミスマッチさがより一層恐怖心を煽ります。
- 体の色は白(ごくたまに黒)
- くねくねと絶えず動いている
- 夏に現れる
- 昼間に現れる
- 水辺に現れる
- 田舎に現れる
- くねくねを直視した人間は精神に異常をきたす
くねくねを見るとどうなる?何が怖い!?
「見る」ことが仇となるところがくねくねの恐ろしさです。会ってしまうと怖いだけでは終わらない、理不尽な顛末こそが日本の怪談の真髄です。
くねくねを見ると精神に異常をきたす
全てのくねくね怪談に共通している事は、くねくねを見てしまった場合多くの人は精神に異常をきたしてしまうという点です。一目見た瞬間、血の気は失せ、手足はガタガタと震え、最悪の場合その後の会話すら困難な状況に陥ります。なんとなく、「ただ見た」ことによってその後の人生を左右されてしまう恐怖がそこに潜んでいます。
くねくねを少し見た程度では異常は見られない
くねくね目撃談の分岐点は、実際にくねくねを見た本人が話す体験談と、知り合いがくねくねを見て精神に異常をきたしてしまった2パターンに分けられます。
前者の特徴を見ると、長い間凝視していない、辺りが夜で暗かった、視力が悪かったという点で、「くねくねを長時間鮮明に凝視していない」という所が一致します。クリアに見すぎない、という点が唯一くねくねを見ても助かる方法なのかもしれません。
くねくねの画像を見るのは大丈夫
くねくねの画像や動画を見てしまったということで、精神崩壊するのではないかと心配される方もいるようです。ただ、くねくねはもともと見た瞬間に精神が崩壊してしまうとされているため、恐らく本当にくねくねを見た人は画像を公開するという正常な行為を行うことはできないと思います。
また、この話が広まって10年以上が経つ現在でも、そのような被害が聞こえてこないということは、画像や動画を見たり、話を聞く程度では全く問題無いと考えて良さそうです。
くねくねの正体を検証!本当に実在するのか!?
ここまで様々な角度からくねくねについて言及してきましたが、オカルトファンの間で長年にわたり囁かれ続けている、くねくねについての考察を更に深掘りしていきましょう。
くねくねの正体を検証①精神病患者説
精神病患なのではないかと言われる所以は「人身御供」としての神への供え物です。古い時代には精神病に罹った人や、生まれつき体に障害を持つ人々への扱いは良いものとは言えず、普段から粗末に扱われたり、災害時の人柱的な扱いも多くありました。そのような風習の中で、田の中に供え物として立たせられていた患者が、暴れ狂う様子はくねくねの姿を彷彿とさせます。
くねくねの正体を検証②蜃気楼説
くねくねの出現条件として上げられるのは、夏の季節、天気の良い昼間、水辺であることから、くねくねは気象現象がもたらす蜃気楼であるという見解も多々見られます。科学的根拠を用いていることから、実際に人が見たという事を事実に踏まえれば納得のいく見解だといえます。
くねくねの正体を検証③妖怪説
日本では古来より奇妙な現象の事を妖怪と位置付けるケースが多々ありますが、くねくねもその一種として考えられ、くねくねの特徴に似た妖怪が古来の書記に残されています。
古くは古事記の時代から、近年の妖怪ブームまで日本人と妖怪は常に密接な関係にあります。江戸時代の有名な浮世絵師、鳥山石燕が描いた妖怪画にもくねくねを思わせる妖怪が描かれ、東北地方や九州にもくねくねと特徴が一致する妖怪の伝承が残されています。
くねくねの正体を検証④ドッペルゲンガー説
ドッペルゲンガーとは自分によく似た「もう一人の自分」を指す言葉です。有名な説によると、もし実際にドッペルゲンガーに出会ってしまった場合、どちらか片方が忽然と消えてしまうと言われています。その他にも、ドッペルゲンガーに会った人は精神に異常をきたすとも言われているので、くねくねとの類似点があるといえます。
くねくねの正体を検証⑤案山子説
精神病患者説でも触れたように、日本が飢饉に見舞われていた時代や人々が貧困に悩まされていた時代には生活の重りになる老人や子供は口減らしとして処分されたり、神への貢ぎ物とされる時代がありました。