地獄絵図って本当はどんなもの?どこで見られるのかまで徹底調査!

地獄は八種類ある

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私たち人間の住む世界の何十万キロも下にあると仮定されている地獄ですが、まず、人間界に一番近い場所に等活、次に黒縄、衆合、叫喚、大叫喚、焦熱、大焦熱と続き、最深部には無間地獄と呼ばれる、およそ20万キロの広さを有する場所へと繋がっています。この八大地獄の他にも更に細かく分類され、十六小地獄と呼ばれる場所が八大地獄の周辺には広がっており、それぞれの前世での罪に応じた罰を受けるとされています。

地獄絵図ってなに?

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地獄については絵本や物語にたびたび登場することから、日本人にはイメージしやすいものとなっていますが、「地獄絵図」となると曖昧なイメージや知識にとどまってしまいがちです。ここでは、地獄絵図の意味する内容やその歴史に踏み込んで解説します。

地獄絵図はいつから描かれるようになったの?

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浄土真宗が広く日本に普及した奈良時代には貴族などの位が高い人々に限り地獄の概念が多く知れ渡ることとなりましたが、平安時代になると、その頃の世間的な風潮により一般の民衆にも親しまれる文化となりました。日本ではじめに地獄を現した創作物は東大寺二月堂の仏像とされており、民衆の信仰心が高まった結果、歌舞伎や演劇の演目や屛風絵などの美術的なカルチャーとして広まりました。

地獄絵図のもつ意味ってなに?なにに使われたの?

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おどろおどろしい怪談としての一面とは違い、そもそもの地獄絵図の役割は生きている人たちへの教訓を説くために用いられたものでした。悪事や身の回りの人たちへの接し方など、日常生活における生活態度を改めて鑑みさせるためにあった思想で、生きている間に善行を積まなければ、「死後怖い目に合うよ」といった戒めの意味合いが強くありました。悪事や自殺を行えば天国へいけないとされるキリスト教にも通ずる宗教観です。

どこに行けば見られるの?

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地獄をモチーフとした展示会や画集がたびたび話題になりますが、実際に地獄絵図を間近に見られるお寺が日本の各地に存在します。北は青森から九州まで、様々なルーツを辿って渡ってきた由緒ある地獄絵図や、有名な偉人のエピソードに由来する地獄絵図まで地獄絵図と一言でいっても、趣の違った作品が楽しめます。

地獄絵図を見られるおすすめのお寺3選【東日本編】

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都内から少し足を延ばして訪れることが出来る関東近郊のお寺から、東北地方のお寺まで、間近に地獄絵図を見学することができるオススメの寺社をご紹介します。

青森県「雲祥寺」

十王曼荼羅と呼ばれる江戸時代に描かれた地獄絵が見られる雲祥寺は、日本を代表する純文学作家、太宰治ゆかりの地としても有名なお寺です。太宰の代表作の一つ「斜陽」をルーツとする斜陽館にもほど近い立地にある雲祥寺は、幼少の太宰が子守りの女性に連れられて訪れた際に見た地獄絵図によって後の作品に影響をもたらしたとされる文学的な価値を併せ持つ歴史ある寺社です。

施設詳細

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