現存するデスマスクと誰も知らないデスマスクにまつわる謎めく逸話

住所:511 10th St. NW, Washington, DC 20004  Tel :(202)3474833  アクセス地下鉄(ブルー/オレンジ/レッド/シルバーライン)メトロ センター(Metro Center)駅から徒歩4分。公式サイト:https://www.fords.org/

デスマスクにまつわるトリビア

生前に顔の型をとるライフマスクを残している著名人にナポレオン、ゲーテ、リンカーン、ベートーヴェン、リストなどが残っていますが、石膏が固まるの待つので呼吸困難となり、デスマスクを作るより大変だったといいます。

ナポレオンのデスマスクは人気のお土産だった!?

ナポレオンは孤島セントヘレナに追放され、1821年にここで病死しました。死後2日後に主治医のイタリア人の医師がナポレオンのデスマスクを作って持ち去ったといわれています。そして、レプリカを多数作り売ったところ、フランス国王ルイ18世が30個も購入して、贈り物として利用したといいます。

複数存在したナポレオンのデスマスク。ロンドンの競売で約17万ポンド、日本円にして2,500万円の値がついたそうです。ナポレオンの丹精な顔立ちが分かる貴重なデスマスクですが、お金を儲けるためにたくさんレプリカが作られたとは、何だか複雑な気持ちになります。

ショパンのデスマスクは苦痛に歪んでいる

ピアノの詩人といわれたショパン(1810年~1849年)。クレサンジュはショパンが亡くなって左手や顔の型をとりました。死の直前は呼吸困難で苦痛でもがき苦しんだそうです。数点作られたデスマスクには断末魔の苦しみの表情もあったそうですが、表情が和らいだものが現在展示されています。

クレザンジュはショパンの恋人ジョルジュ・サンドの娘ソランジュの夫で彫刻家でした。現在はワルシャワのショパン記念館に保管されています。デスバンドの複製品はポーランドのお土産として人気があるようです。

ショパン記念博物館

住所:10kolnik Street,00-368 Warsaw  / 公式HP:https://chopin.museum/en /休館日:月曜日/ポーランド語名称:Muzeum Chopina(ムゼウム ショピナ)

ゲーテはいくつもデスマスク(ライフマスク)を残している!

ゲーテ(1749年~1832年)はドイツを代表する詩人、文豪。代表作に「若きウェルテルの悩み」、詩劇「ファウスト」など広い分野で貴重な作品を残しました。ゲーテは、生存中に何度もライフマスクを作成したといわれています。

ゲーテに影響を受けた音楽家は多数。歌曲王といわれたシューベルトは「魔王」「野ばら」など非常に多くのゲーテの作品を歌曲にしました。ディズニーの「ファンタジア」で人気のデュカス「魔法使いの弟子」もゲーテのバラードから着想を得たといわれています。

ゲーテ国立博物館

住所:Schloss Jaegerhof, Jacobistrasse 2, 40211 Duesseldorf / TEL:(0211)8996262 / アクセス:トラム イエーガーホーフ城(SCHLOSS JAEGERHOF)停留所下車 / 営業時間:11~17時(土曜は13時~)/ 定休日:月曜

音楽室にある作曲家たちの顔

音楽室といえば、教室の後ろにズラッと並んでいる大作曲家たちの肖像画を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は写真が無かった時代はデスマスクから肖像画を描いたといわれています。

ところで、何故ほとんどの学校の音楽室に音楽家の肖像画があるのだろうと疑問に思う人も多いのではないでしょうか。どうやら楽譜を買ってもらうための「おまけ」として、描かれた肖像画のカレンダーを配布したことが先駆けだったようです。

壁に並ぶ肖像画たち

最初はベートーヴェンの肖像画のカレンダーで、これが大変好評だったようです。当時は作曲家の顔が分かるものが無かったので、音楽教師はこの「おまけ」をたいそう喜び、カレンダーの部分を切り取って肖像画を壁に貼っていたそうです。

デスマスクを残した日本人

西洋では写真がない時代は当たり前のようにデスマスクを製作していたのに対して、日本ではデスマスクがそれほど残っていません。日本で初めてデスマスクを作ったのは夏目漱石ではないかといわれています。

夏目漱石

夏目漱石(1867年~1916年)は日本を代表する作家。江戸生まれ。本名は金之助。代表作に「坊ちゃん」「吾輩は猫である」「こころ」「三四郎」「門」などの名作の著が多数あり世界にも広く知られています。新海竹太郎によりデスマスクは1916年に取られました。

新宿区立漱石山房記念館

所在地:〒162-0043 東京都新宿区早稲田南町7/ 電話 : 03-3205-0209 FAX : 03-3205-021 / 開館時間:10時00分~18時00分(入館は17時30分まで)/ 休館日:月曜日ただし、月曜日が休日の場合は、直後の休日でない日/ 観覧料:一般300円、小・中学生100円

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