現存するデスマスクと誰も知らないデスマスクにまつわる謎めく逸話

藤田和日郎による漫画「黒博物館」シリーズでも知られるようになったブラックミュージアム。興味を持って行ってみたいと思った人も多いのではないでしょうか。残念ながら一般非公開で、警察関係者や研究者だけが予約制で入館できる場所のようです。

事件被害者のデスマスク

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2012年から2014年に関東で起きた整形美女連続殺人事件では、20代から30代の女性が4人殺害され、被害者4人のデスマスクが発見されました。犯人は美容整形外科医で、自らが手術をした女性のデスマスクを製作するのが目的で犯行に及んだ事件だといわれています。

セーヌ川の身元不明少女

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1880年頃、セーヌ川で身元不明の少女の溺死体が見つかりました。パリの死体安置所の病理学者は彼女の美しさに感嘆し、デスマスクを製作したといわれています。しかし、川から引き上げられた遺体が綺麗な容貌のままというのは考えられないので、おそらく生きていたのではないかと推測されています。

デスマスクにされた少女

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少女のデスマスクは、まるでモナリザのように微笑んでいて美しいので、多くのレプリカが出回っていました。身元が不明のまま、誰かが分からない謎めいたデスマスクは、またたく間に知れ渡っていきました。その後、少女のデスマスクを飾ることが芸術家たちに流行ったといわれています。

デスマスクは生きたまま作られた

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少女のデスマスクの製作を任された石膏職人の証言では、マスクを作る時に少女は生きていたというのです。少女の優しい微笑みは、もしかすると少女が眠っているあいだに生きたまま石膏で型を取ったのではないかと想像します。窒息死してしまったのでしょうか?それも謎のままです。

史上もっともキスされた顔

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医療用のマネキンには実はモデルがいたことをご存知でしょうか。心肺蘇生用のトレーニングに使われるダミー人形「レサシ・アン」が1960年に発表されて以来ずっと使われてきました。そのモデルが「セーヌ川の少女」だとヨーロッパ中に知られています。

心肺蘇生のトレーニングというと人工呼吸のトレーニングです。お馴染みともいえる顔の人形「レサシ・アン」に姿を変えて世界中で息が吹き込まれている少女。人工呼吸のトレーニングによって多くの命が救われています。「セーヌ川の少女」はもっともキスされた顔といえましょう。

デスマスクとは趣が異なりますが即身仏という生きたままミイラになる過酷な修行をご存知でしょうか?気になる方はこちらもご覧ください。

映画「インフェルノ」に登場するダンテのデスマスク

映画の中で最大のポイントになっているのは、13世紀の文豪ダンテのデスマスクなのです。ダンテの「神曲」地獄(インフェルノ)篇に隠された暗号の謎があります。また”天国の25を探せ”というメッセージも出てきますが、天国篇第25歌の指しています。この映画を観て「神曲」に興味を持つ人も多いのではないでしょうか。

ダンテ・アリギエーリ

ダンテ(1265年~1321年)は、イタリアの詩人であり哲学者、そして政治家でもありました。代表作の叙事詩『神曲』からインスピレーションを得たリストは「ダンテを読んで」というソナタ風幻想曲を書いています。

『神曲』

「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3部構成から成っています。キリスト文学の最高峰といわれる作品です。ダンテは生前の行いによって罰を受ける人々と地獄の底から天国を目指します。リストの他にも多くの作曲家が、この『神曲』からインスピレーションを得たといわれています。

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