イヤミスとはどういう意味の言葉?
イヤミスとは読んだ後、ミステリーの謎が解けたという爽快感がなく、嫌な気持ちになるミステリーのジャンルです。イヤミスの魅力は読了後のイヤ~な感じが逆に中毒性が高くなることです。特に女性はドロドロ模様が好きかと思います。
週刊誌とイヤミス好きの関係性
週刊誌の不倫といった、恋愛模様、醜い嫉妬、嫌がらせなどの人間の醜い部分は現実にもあることです。週刊誌は女性からの人気が高いように、ドロドロ模様が盛り込まれたイヤミスは、女性が惹かれるジャンルなのです。
イヤミスおすすめ小説①『十一月に死んだ悪魔』愛川晶
交通事故をきっかけに記憶を失った作家が謎の美女と出会う
主人公が交通事故によって事故当日から一週間前までの記憶が失われるます。その日から発作に悩まされ、穴を見るようになります。新作を書き上げようとする主人公は謎の美女・舞華と同居することになります。舞華の正体を探るうちに、主人公の失われた記憶が徐々に明らかになっていく様はわくわくするものの、嫌な雰囲気もあります。
- 出版社: 文藝春秋 (2013/9/25)
- 価格:277円より
イヤミスおすすめ小説②『ボトルネック』米澤穂信
死んだはずの自分が生きている・・・!
東尋坊に亡くなった恋人の追悼をしに訪れるます。何かに誘われるように断崖から墜落し…死んだはずだったが、気が付くと見慣れた街にいます。自宅へ帰った主人公を迎えたのは、見知らぬ姉。主人公の世界と見知らぬ姉の世界が混じりあった二つの世界です。後味が悪い作品となっています。
- 出版社: 新潮社 (2009/9/29)
- 価格:594円より
イヤミスおすすめ小説③『女王はかえらない』降田天
2人の小学生が作り出すストーリーから目が離せない
三部構成になっています。田舎の小学校に美しい転校生がやってきます。その転校生とクラスの女王として君臨していた少女の激しい権力の闘争が始まります。序盤のイジメというイヤな感じから終盤の真相までの展開がすごいです。
- 出版社: 宝島社 (2015/1/9)
- 価格:104円より
第13回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品
第13回『このミス』大賞では初の女性コンビ作家萩野 瑛(はぎの えい)と鮎川 颯(あゆかわ そう)の『女王はかえらない』が大賞受賞しました。『このミス』に受賞できると営業部の判断次第では出版されるので1回の受賞で5~6人もデビューすることもあります。
イヤミスおすすめ小説④『告白』湊かなえ
イヤミスの代表作ともいえる作品!
我が子を自分の二人の生徒に殺害された女性教師の復讐劇です。ひとつの事件をモノローグ形式で語らせ真相に迫ります。犯行をおこすまでの生徒の考え方や感情の変化が恐ろしいほど正確に書かれていてゾッとします。筆者のデビュー作です。映画化もされていてとても人気があります。
- 出版社: 双葉社 (2010/4/8)
- 価格:669円より
イヤミスおすすめ小説⑤『ユリゴコロ』沼田まほかる
自宅で発見したノートからすべてが動き出だす
主人公は「ユリゴコロ」と題された4冊のノートを見つけます。4冊の殺人の記録を記したノートを読み進める主人公。絶望的な感じから一転、最終的に深い愛へと辿り着きます。伏線は回収されるものの最期の別れは悲しいです。
- 出版社: 双葉社 (2014/1/9)
- 価格:689円より
イヤミスおすすめ小説⑥『はぶらし』近藤史恵
知り合いの子どもを居候させることからすべてが始まる
女同士のイヤーな一週間だけの話です。女同士のありがちな言い合いがとてもリアルです。親の都合で振り回しされる子供が可哀想です。ありそうな話だけに、ヒタヒタと迫りくる恐怖のような感じが続き、怖いです。ホントこういう人いる!という兎に角まさにイヤミスな感じです。
- 出版社: 幻冬舎 (2014/10/9)
- 価格:648円
イヤミスおすすめ小説⑦『ケモノの城』誉田哲也
北九州市連続殺人事件がもとになったグロテスクなストーリー
北九州小倉で起きた実際の事件が基となっています。警察に保護を求めてきた少女と、同じ部屋で暮らしていた女は事情聴取に応じるが、その内容は食い違う。カップルと刑事の2つの視点から作られる物語です。現実は小説より奇なりといいますが、真相は闇の中という何とも言えない感じです。
- 出版社: 双葉社 (2014/4/18)
- 価格:1,728円
イヤミスおすすめ小説⑧『そして誰かいなくなった』夏樹静子
アガサ・クリスティの本家のものよりも面白い!?
太平洋に浮かぶ豪華クルーザーという“密室”で起きる殺人事件の作品です。ワケありの乗客とクルー達が、アガサ・クリスティの名作である「そして誰もいなくなった」のオマージュです。オマージュ先を知っているとより気持ちよく騙されます。
- 出版社: 講談社 (1991/07)
- 価格:1円より
イヤミスおすすめ小説⑨『仔羊たちの聖夜(イヴ)』西澤保彦
クリスマスイヴに転落死した事件の結末はとても残酷
匠千暁シリーズ。クリスマスイブに発生した一人の女性の転落死をきっかけに、五年前にも同じ現場で発生した事件の謎を追っていく。タック&タカチの出会いが書かれてあります。謎はすべて解決と思いきやラストに衝撃の真相が判明します。
- 出版社: 幻冬舎 (2008/10/10)
- 価格:741円
イヤミスおすすめ小説⑩『絶対正義』秋吉理香子
死んだはずの範子から招待されたパーティで、四人が見たものとは?
五年前に亡くなったはずの範子からパーティの招待状が届きストーリーが展開していく作品です。その範子は高校時代の友人達4人に殺されたはずでした。誰がその招待状を4人に出したのか?正義のウザさが実感できる内容です。ラストは予想以上にゾッとする展開です。そして逃げ場のない絶望感のようなものが感じられます。
- 出版社: 幻冬舎 (2016/11/10)
- 価格:1,512円
イヤミスおすすめ小説⑪『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子
最後の一行を読んだ時、切なくも驚くべき著者の仕掛けに驚愕必至
一家惨殺事件の生き残りの少女のその後の狂い始めた殺人鬼としての人生の作品です。伏線が至る所に張られ、ラストに綺麗に回収される様が見事です。あとがきを読んだときに著者が仕掛けたたくらみに戦慄すること間違いなしです。
- 出版社: 徳間書店 (2011/5/7)
- 価格:700円
イヤミスおすすめ小説⑫『蟻の棲み家』望月諒子
理不尽な「階級」から抜け出すため、必死に這い上がろうとする男は何を為したのか
二人の女性が中野区内の別々の場所で、銃で撃たれ死亡しているのが発見されます。二人とも身体を売り育児を放棄したシングルマザーでした。フリーの記者・木部美智子(主人公)が地道に事件を追い続けるお話です。内容はネグレイトで綺麗ごとばかりでは、誰も正義を語れない人間の業みたいなものを深く考えさせられます。
- 出版社: 新潮社 (2018/12/21)
- 価格:1,944円
イヤミスおすすめ小説⑬『5人のジュンコ』真梨幸子
同じ名前だったがゆえに次々と悪意の渦に巻き込まれていく衝撃の展開
バタフライエフェクトをテーマに5人も「ジュンコ」が出てきて彼女達の人生が崩壊します。誰が誰を殺したのか?と少し混乱しつつも楽しめます。女の醜さ、汚さ、気持ち悪さがしっかり描かれていて、不快にさせてくれます。どのジュンコにも、そしてどの登場人物にも共感できません。
- 出版社: 徳間書店 (2016/6/3)
- 価格:713円