人間動物園は実在した!欧米植民地政策に利用された人間動物園と展示された人々の悲劇

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ナチスの狂気じみた考えをドイツ市民が一定の支持をしたことは忘れてはいけません。ヒトラーは革命を起こしたのではなく選挙で当選したのです。第一次大戦の莫大な賠償金や、世界恐慌で不安定な生活を余儀なくされていたドイツ市民は強いリーダーを求めたのです。

ユダヤ人迫害の段階

  • ステージ1:レストランや競技場への入場拒否
  • ステージ2:法律によりユダヤ人の公民権が無効、ドイツ人との結婚が禁止
  • ステージ3:ユダヤ人の協会商店が襲撃放火
  • ステージ4:移動虐殺部隊がユダヤ人を惨殺
  • ステージ5:ホロコースト絶対収容所の建設

アウシュビッツについて詳しく書いた記事です。合わせてご覧ください。

欧米による植民地政策は悪なのか?

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現代の間隔や常識から考えると16世紀から始まる植民地政策は非常に「悪」と言えます。ところが当時の産業革命で著しい発展を遂げた欧米諸国はどの国もみんな植民地を持っていたのです。植民地をもっているのが当たり前だったのです。

植民地政策はいつから始まった?

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ポルトガルやスペインによる植民地主義は15世紀から始まりました。コロンブスが新大陸を発見したころです。南米のアステカ帝国やインカ帝国が滅ぼされ植民地となりました。18世紀になるとアメリカは南北戦争でイギリスから独立を果たし19世紀には植民地を持つ様になります。

世界の9割が植民地だったって本当?

19世紀になると植民地化は加速度的に進みます。東南アジアではタイを残し全ての国が植民地となりました。アフリカではエチオピアとリベリア以外は植民地となりました。ドイツベルリンで開催されたアフリカ分割会議では、アフリカを欧米列強が統治しやすいよう勝手に国境線を引くという横暴ぶりです。

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日本にもあった人間動物園!?

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日本で人間が展示される人間動物園はあったのでしょうか?18世紀から19世紀の帝国主義において自国の強靭さをアピールする手段として万博が数多く開かれました。前述したパリ万博もその一つです。植民地の数=国力であった当時は積極的に植民地をアピールしたのです。その流れは日本にもやってきました。

日本の見世物小屋

見世物小屋とは奇々怪々な禍々しいものを展示する興行の一種です。性行為から奇形や珍獣まで、人々の話題に上るものであればなんでも展示の対象になりました。海外にも見世物小屋は存在しフリークショーという名称です。

展示された人々

奇形の障害者や性行為などあらゆるものが見世物となりました。誘拐され人身売買で連れてこられた子供に性行為をさせたり、手足を切り取られた女性を「だるま女」として見世物の対象にすることもありました。

欧米の人間動物園との違い

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日本の見世物小屋で展示されたのは人種ではなく奇形や障害を持つ人々でした。日本では人種として差別するという習性は小さかったようです。これは日本国土が海に囲まれ、外国から殲滅的な侵略を受けたことが無いことが強く影響しています。

欧米の人間動物園を模した展示

明治以降、欧米化を進める日本は、欧米の人間展示手法をも真似ていきます。大阪内国勧業博覧会のパビリオンの一つ「学術人類館」は後々大きな波紋を呼び起こしました。学術人類館は人間動物園に該当するのでしょうか?

日本では内国博が盛んに催された

日本では内国勧業博覧会が(内国博)盛んに開催されました。1903年に大阪で開催された、大阪内国博において、台湾、琉球、清、アイヌ等の文化を紹介するパビリオンがありました。合計32人の人が一定の居住区で生活する様子が展示されました。これが人間動物園に該当するのではないかと現代になって問題視されています。

大阪万博のパビリオンをどうとらえるか?

万博での各国の文化紹介は全く悪いことではありません。現代の常識に照らしてもです。問題はその根底にある極端な民族差別や、欧米諸国の凄惨な植民地政策を正当化する道具に使われたことにあります。学術人類館は現代でも賛否が分かれています。

日本の植民地政策は欧米とは違う?

日本は軍国主義でアジア諸国を植民地として支配した。これには賛否両論あります。アジアに進出したのは事実です。逆にアジア諸国が欧米諸国の凄惨な植民地から独立できたのは大日本帝国が戦ったからです。日本帝国が大東亜戦争を戦わなければ、現代のアジアの独立はあり得ません。

日本の植民地と欧米植民地の違い

欧米の植民地政策は搾取の為の装置でした。教育、軍事権を与えず支配階級に特権を与え差別化する制度です。それに対し日本の植民地政策は「日本と同化する」という植民地政策を取りました。教育、社会インフラへの投資です。また、台湾、朝鮮、満州以外は政権を認めているので占領であり植民地ではありません。

韓国の猛烈な反発はなぜ?

日本の同化政策は社会インフラに投資し、教育を与え識字率を急激に改善させました。しかし、日本化に反発する人も当然いました。それが現代まで引き続いているのです。マッカーサーが日本の為に占領した。原爆も日本の為だといっても素直には受け入れられません。韓国の国民も日本の文化を押し付けられるという屈辱を感じたのかもしれません。

日本の教育現場で人間動物園が教えられない

学校の教育現場では近現代史が教えられることは非常に少ないです。入試に出ない、時間が無いというのが主な理由です。その根底にはアジア諸国への過剰な配慮があります。臭いものには蓋をするという国家の姿勢が教育現場を歪めているのかもしれません。

日本の近現代史は悪い事ばかりではない

日本国紀

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日本は1919年のパリ講和会議において「人種的差別撤廃提案」をしています。賛成多数であったにもかかわらず議長裁定で否決されました。現代では評価される向きは少ないですが、歴史として正当な認識できるほどに時間がたてば、民族主義への抵抗として最初の一歩をしりしたのは日本だと評価は高まるでしょう。

負の遺産「人間動物園」と向き合う現在

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人間動物園は強い人種差別や非人道的な行いを肯定する温床として利用されました。それは一定の人種を淘汰するほどの凄まじい殺人へと結びつきました。現代の人々は、人間動物園を負の遺産として捉えています。

フランスで開かれた展示会

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2011年11月フランスのパリで「作られた未開人」という展示が催されました。植民地支配の残虐性や、人種差別の歴史を総括する内容になっています。歴史を風化させないことと同時に、犠牲者の尊厳を取り戻すための活動でもあります。

ノルウェーで人間動物園再現

2014年5月ノルウェーで人間動物園を再現するコンゴ村が完成した。コンゴ村のモデルは1914年の憲法制定100周年イベントのパビリオンの一つ。コンゴ出身の80人が展示され最も人気を博したイベントでした。再現された人間動物園に意味があるのか?という賛否両論があります。

差別の助長と過去の罪との対峙

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人間動物園を負の歴史であり過去の罪ととらえる向きが主流です。しかし、現代の差別を助長する結果になるとして、取り上げることを拒む考えもあります。歴史として的確な評価を受けるにはまだ時間が足りないのかもしれません。

人間動物園を扱った本

もっと詳しく人間動物園について知りたい方は書籍も参考にしてください。日本語で出版された人間動物園を取り上げた書籍が多数あります。その中でも詳しく書かれているおすすめの本を紹介します。

父さんのからだを返して 父を骨格標本にされたエスキモーの少年

父さんのからだを返して―父親を骨格標本にされたエスキモーの少年

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北極探検隊によって連れてこられたエスキモー父と少年。父はニューヨークで亡くなり埋葬されます。ある日少年は父の遺骨が博物館で骨格標本として展示されているのを知ります。父の遺骨を取り返すために奔走する少年。映画化された話題作です。

  • ケン ハーパー (著)
  • 出版社: 早川書房 (2001/08)
  • 価格:約1200円(中古品、2019年3月上旬Amazon価格)

ロンドン日本人村を作った男 謎の興行師タナカー・ブヒクロサン

ロンドン日本人村を作った男 〔謎の興行師タナカー・ブヒクロサン 1839-94〕

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日本国のパスポートを最初に使ったのはだれだ?それはタナカー・ブヒクロサン率いる軽業見世物一座でした。世界各国で公演を開きロンドンに日本人村を作ったオランダ人タナカー・ブヒクロサンとは何者なのか?

  • 小山 騰 (著)
  • 出版社::藤原書店
  • 価格:約3900円(2019年3月上旬Amazon価格)

サルの惑星と人間動物園

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本ではありませんが猿の惑星の中でも人間動物園が出てきます。退化した人間をサルが檻の中に入れているのです。人間とサルではありますが、根底に流れている要素は同じものです。1968年にカデミー賞名誉賞を受賞した作品です。

人間動物園が残した大きな課題

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人間動物園は人間の根底には差別や優越感が具現化した物でした。その感情が為政者に利用され凄惨な殺戮にも利用されました。現代でも人種差別はなくなっていません。帝国主義や人種主義は終わりを迎えました。しかし見た目は変わっても、人種を脅かす国家や独裁者が現代も跋扈しています。

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