タコノマクラとは
タコノマクラ目タコノマクラ科に属するウニの一種です。棘皮(きょくひ)動物門という大きな分類に属しており、ヒトデやウニも同じ仲間です。
スカシカシパンとタコノマクラの違い
タコノマクラに5つ穴が空いたような個体をみかけます。こちらは、スカシカシパンといい仲間ではありますが、タコノマクラとは別種です。スカシカシパンは名前のとおり、5つのすかし模様がはいっています。画像真ん中の大きなものがスカシカシパンです。中川翔子さんが、ギザカワユスといってスカシカシパンの歌を作っていたことでも有名になりました。
タコノマクラの名前の由来
タコノマクラはニックネームでもなく、正式な名称です。名前の由来としては、詳しくは分かっていませんが、タコが枕に使うからなど、タコ絡みの諸説がいくつかあります。江戸時代より、タコノマクラと呼ばれていましたが、ウニの仲間のカシパン類、ヒトデなどを含めた名前でした。明治時代になり、教科書に現在のタコノマクラ単体を示す名称として掲載されました。
タコノマクラの特徴
タコノマクラは、マクラという名前からも柔らかくてふわふわなイメージがありますが、生体はびっしりと1ミリほどの細かな棘が生えています。外殻は硬く、滑らかですべすべした感触をしており、円に近い五角形、中心部が盛り上がった山型のお饅頭のような形をしています。中心部の厚さは約3cm、大きさは大きいもので10センチほどの手のひらサイズです。5枚の花びら模様がくっきりとついているのが大きな特徴です。
タコノマクラの棘の秘密
タコノマクラはウニの仲間ですが、一般的なウニのように長いとげを持たないのは、まだウニのように砂の上や岩場の上で暮らしていた時、トウカムリという、貝の仲間の一種に捕食されていた歴史があり、身を守るために、砂の中へ潜れるように短いとげを持つようになりました。砂の中に隠れて生息し、砂や貝殻や海藻類などのゴミくずを身体の上に乗せて岩などにカモフラージュし、身を隠しています。体にいろいろのせていますが、隠れきれていないところはご愛嬌です。