悪さをする幽霊の種類
幽霊には守護霊などの人間に有益なものも存在しますが、七人ミサキの様に人間に悪さをする霊も多く存在しています。幽霊は基本的に強い思いでこの世にとどまっている事がほとんどですが、何に執着しているかでその性質は大きく変わってきます。
地縛霊
地縛霊はその名の通り土地に固執してその場を離れることが出来ない幽霊です。神格をもってその土地を守護する地霊とは違い生前に住んでいた場所や未練が残っている場所に留まっている霊です。地霊ほど力を持ってはいませんが、その土地を犯す者を祟ることがあります。
憑依霊
生きているものに憑りつく霊のことで人間だけではなく動物にも憑りつくことがあります。幽霊によって善悪の違いはありますが、基本的に憑りついた相手の体を乗っ取り自分の目的を達成しようとします。憑依された人間は性格や人格、痛みや感情まで支配されてしまします。
怨霊
生前に強い恨みをもって死に幽霊となり、復習の為に生きている人間に危害を加えようとする霊です。怨霊は時間が経過すると恨みが薄れるという事はなく、時間が経つにつれて力を増していきます。怨霊に憑りつかれてしまった場合、よくないことが起こり負の感情が増すことで怨霊の力が増大するという悪循環に陥る事が多いです。
七人ミサキを連想させる事件もあった!
本当に怖いのは幽霊より生きている人間とよくいわれますが、実際に七人ミサキを連想させるような事件が実際に起きたことがあります。またその事件は状況の特異性から今でも多くの謎を残している為、オカルトマニアの間でも有名な事件です。
八丈島火葬場七体人骨事件
1994年の8月11日に八丈島八丈町の火葬場で起きた事件で、当日の仕事の為に炉を作業員が開けたところ炉内にびっしり詰まった7人の骨が発見されました。誰の骨なのかも特定することは出来ず焼かれた炉もしっかりと施錠されていて密室となり多くの謎が残っており、地元には「七人坊主」という七人ミサキによく似た伝承もあり祟りではないかと噂されています。
熊取町7人連続怪死事件
熊取町で一人の死をはじめとして合計で7人もの人が不可解な死をとげた事件です。多少の例外はあいますが謎の死は一週間ごとに起きていて、すべての事件は事故死や自殺として処理されていますが不可解な点が多く残っている事件です。最初の被害者がシンナー中毒で池に落ちて死んだことから、七人ミサキになって身近な人を殺していったとも噂されています。
物語に登場する七人ミサキ
七人ミサキは古い書物の伝承や地域の言い伝えだけでなく、現在は様々な書籍やゲームなどにも登場しています。しかし、時代の流れによって現在はその性質も様々に変化していて作品によって扱いも異なっています。
小説:「死神 或は七人みさき」
「死神 或は七人みさき」は角川書店から出版されている京極夏彦の妖怪時代小説集である「続巷説百物語」の中の短編小説の1つです。北林藩で起こる連続辻斬り事件で妻が犠牲になりその罪を着せられてしまった主人公が犯人をさがす話で、作中には七人ミサキを従える「みさき御前」なども登場しています。
漫画:「地獄先生ぬ~べ~」
作品内では罪人が強い怨念と共に死んだ7人組の妖怪で、自分が犯した罪と同じことをされると成仏できるという設定になっています。主人公が除霊できずにやられてしまうなど作品中でも屈指の強さの妖怪として有名な回となっています。
ゲーム:「妖怪ウォッチ」
ゲーム版妖怪ウォッチ2と3に登場しています。出現条件が限定的な妖怪で遭遇するとリズムゲームをプレイすることができる妖怪です。その正体は怨霊の類ではなく、自分にそっくりな6体のマネキンです。遭遇すると自分が7人目になってゲームに参加できる設定になっています。
水辺にまつわる怪談
日本には古来から水辺などに住む妖怪や怨霊の類の話が伝承として多く残されています。七人ミサキの目撃例も水辺に多くありますが、その他に水辺にはどのような妖怪や怨霊がいるのか紹介します。
河童
鬼や天狗などに並んで日本でもっとも有名だと言っても過言ではない妖怪のです。頭に皿をのせていて亀に似た甲羅をもった姿が一般的で、相撲やいたずらが好きで人の尻子玉を抜いて食べると言われています。水神またはその依り代ともいわれていて、水辺に棲み好物のキュウリを食べている妖怪です。
小豆洗い
小豆洗いや小豆とぎともいわれていて水辺でシャキシャキと小豆を洗っている日本の妖怪です。小豆をあらう音が聞こえてくるが様子を見に行くと姿が見当たらないと言われていて、水木しげるのゲゲゲの鬼太郎にも登場しているので比較的知名度の高い妖怪です。
川姫
川姫は高知県や福岡県、大分県に伝わっている妖怪で、その名の通り川などの水辺に現れる女の妖怪です。いずれの地域でも川姫は綺麗な女性とされていて、水辺で男性を誘惑してきます。福岡県などでは川姫は水辺に男が集まっていると現れ、男が川姫に心惹かれてしまうと生気を吸い取られてしまうと言われています。
川赤子
川赤子は鳥山石燕の妖怪画集「今昔画図続百鬼」に登場する赤ん坊の姿をした日本の妖怪で、その名の通り川や沼などの水辺に出現するとされています。水木しげるの著書などによれば、水辺で赤子の鳴きまねをして助けようとした人が水辺に足をすくわれるのを見て楽しむ事が好きな妖怪とされています。
永遠にさまようのは彼らの罪と罰なのか?
遭遇することは死を意味する七人ミサキですが、その成り立ちや性質は哀れなものです。自分が成仏するために誰かを7人犠牲にする必要があるなど、人を犠牲にして自分だけ助かりたいという人の醜い業を感じます。しかし、誰でも取り殺されてしまうのは避けたいので水辺などに行く際は遭遇しないよう注意が必要です。