穴子の旬はいつ?
最近では一年中食べることのできますが旬の時期はいつなのでしょうか?穴子には旬が2回あるといわれています。ここではなぜ2回あるのか、それぞれの時期によって味に違いはあるのかについて紹介していきます。
穴子の旬は夏
旬は6月~8月であるといわれています。これは元々淡白な味を楽しむ魚で、脂分が少ないのでさっぱりと食べることが理由です。またうなぎに比べカリウム、鉄分などの栄養価が高いので、夏バテにも効果的です。
冬の穴子も夏の旬に負けないおいしさ
一般的に魚の旬は最も脂ののった時期と考えられていることから、春に産卵を控えているため脂ののった11月~12月頃を旬としています。ビタミンなどの栄養が豊富なので、老化防止などにも効果があります。
穴子ってどんな魚?
うなぎと見た目が似ていて見分けを付けることが難しいですが、その特徴などをふまえて詳しく説明していきます。最近では土用の丑の日にうなぎではなく、穴子を食べるケースも増えてきています。
穴子の名前の由来は「穴ごもり」
日中は砂の中や岩間に潜んでいることが多いことから穴ごもりと呼ばれていましたが、それが変化して穴子と呼ばれるようになったといわれています。柔らかい砂を見つけると尻尾から穴に潜っていきます。
穴子の生態・特徴
生まれたばかりの頃は「のれそれ」と呼ばれ、無色透明なのが特徴です。大きく成長すると、1mを超える大物もいます。エサは主にエビや甲殻類ですが、なんでも食べるため「悪食の魚」とも言われています。
穴子の生息域
世界中どこでも温かい地域の海に生息しているため、日本では北は北海道から南まで東シナ海で多く見かけられます。冬になると海底深くに潜ってしまうこともありますが、海藻が茂る海底付近の潮の流れの穏やかな場所を好んでいます。
穴子には毒があるのか?
煮つけや焼いたものはよく目にし、多くの方が食していますが、刺身にして食べるのはなかなか聞きません。それは毒があるからだともいわれています。ここでは本当に毒はあるのか、刺身では食べることができないのかについて紹介していきます。
血液中また体のヌメリに毒がある
結論から言うと、すごく少量ですが毒があります。はっきりとした症状や死に至るケースが報告されているわけではありませんが、イクシオトキシンという神経毒をもっていて、これが人の目や口などの粘膜、傷口などに入ると炎症、下痢、嘔吐をひき起こします。
きちんと処理すれば刺身でも食べられる
この毒は熱に弱く通常は60℃以上の熱を5分間加えることでほとんどが死滅します。しかし熱を加えない刺身で食する場合にはきれいに血抜きをし、体表面のヌメリもきれいに取り除かなければなりません。この処理さえしっかりすれば刺身としてもおいしくいただけます。
寄生虫がついている場合もある
寄生虫がいるとはなかなか聞かないため、存在しないと思っている方も多いですが、サバなどでよくみられるアニサキスがついている場合があります。ただしこのアニサキスも熱に弱いため、自宅で調理する際にはしっかりと熱を通すことで感染を避けることが可能です。
旬のおいしい穴子の見分け方
ここまで紹介してきたように2回旬が来るのが特徴です。ただし最近では一年中食することができるため、夏と冬どちらにとれたのかを知るのが難しいです。夏と冬どちらの味わいもぜひ楽しんでみましょう。
夏が旬の穴子の見分け方
美味しい穴子を選ぶためには何といっても新鮮であることが欠かせません。新鮮なものは体にぬめりが残っていて、表面に出ている白い斑点模様がはっきりと見えているものです。そのほかにも血がついている場合には薄紅色をしているものを選びましょう。
冬の穴子の見分け方
冬に獲れたものも夏と大きくは変わりませんが、一点違うのはお腹の大きさです。脂がのり産卵を控えているため、身が少しふっくらとしているものの方がおいしくいただけます。しかしお腹があまり大きすぎるものは腐りが早いため注意が必要です。
旬の穴子の釣り方
新鮮なものを食するためには自分で釣るのが一番です。比較的シンプルな仕掛けで釣ることができるため、初心者の方も楽しむことができます。大物が釣れる場合もあるのでタックルはしっかりと丈夫なものを選びましょう。
夏の穴子の釣り方
最も釣れる時期で、夜行性なので陽が沈むころからが狙い目です。岩間やテトラポットの隙間など浅めの場所にいることも多いため、堤防などから釣ることができます。また船で釣る場合には広範囲に生息しているので、釣れない場合には場所を頻繁に変えると釣り上げる可能性が高くなります。
冬の穴子の釣り方
冬は動きが少し鈍くなりますが、十分釣りを楽しむことは可能です。エサはイカやイワシの切り身などを好みます。キラキラ光るものや、イカをつけるの場合にはワタを少しつけると食いつきがよくなります。
穴子とうなぎの違いは何?
生きているものを見るよりも調理後の状態を見ることが多いうなぎと穴子ですが、見た目や味などにどのような特徴や違いがあるのでしょうか。ここでは特徴をふまえながらその違いを紹介していきます。
穴子の特徴
穴子はウナギ目アナゴ科で、一生を海で過ごしています。表面は薄茶色で、側面に白い斑点、背びれ下には一直線の斑点があるのが特徴です。尾びれはとがっていて、上あごが出ているため口を閉じると下あごが隠れます。
うなぎの特徴
うなぎはウナギ目ウナギ科で海で産卵し孵化した後、川などに生息している淡水魚です。全体的に黒っぽく、下あごが上あごより出ているのが特徴です。尾びれは丸びを帯びていて、斑点は見られません。
穴子とうなぎの味の違い
穴子は淡白な味でカロリーも低く、煮つけ以外にも天ぷらや刺身としてもおいしく食することができます。一方うなぎは脂肪がついていて味がしっかりとしているので、高カロリーですが蒲焼でうな丼にするとおいしくいただけます。
産地別の穴子の旬を見てみよう
北は北海道から南まで日本中幅広く生息していますが、その地域でもどこでよく獲れるのか?また釣れる場所が違うと味にも違いが出るのかなどをふまえ、日本で釣れる有名どころを紹介していきます。
産地①漁獲量No.1!「長崎の対馬」の穴子
日本国内では長崎県が昨年の水揚げ量600トン弱と漁獲量の断トツのトップを占めています。毎年食べるために長崎へ訪れる人も増えています。ここでは長崎対馬がなぜ有名なのかを紹介していきます。
長崎県の玄界灘は穴子の宝庫
玄界灘は対馬海流が流れ、漁が盛んに行われています。海流にもまれて程よく脂がのっているが身が引き締まっていて、筒を海底に沈めて漁を行うため体を傷つけずに釣り上げることができます。この地域は韓国からの密輸船が多くみられることが問題となっています。
対馬の穴子は「黄金あなご」の旬
対馬では良質なエビなどをエサとしているため、程よく脂がのった上品な味わいを楽しむことができます。ここまででも紹介したように本来の味を楽しむなら夏、少し脂ののっているものを堪能するなら冬がおすすめです。
長崎では旬のあなごをこう食べる
煮つけなどで食べられているのはもちろんですが、天ぷらや刺身にしても味がしっかりしているのでおいしくいただけます。ただし現地の方が最もおすすめするのはカツです。サクッと上がった衣を噛むと旨味がジュワーっとあふれ出します。
産地②昔からの穴子の産地「広島の宮島」
昔から産地として最も有名なのが、広島の宮島です。ここでは有名なあなご飯を求め、多くの観光客が訪れています。ではなぜ広島の宮島が知られているのか、あなご飯とはどのようなものなのかを紹介していきます。
広島の宮島の穴子の旬は夏
旬が2回あるといわれていますが、宮島の旬は夏です。冬も食べられていますが、さっぱりとしているけど上品な味わいを楽しめる夏が最もおいしくいただける時期です。これは牡蠣が吐き出すプランクトンが多くいるところへ小魚が集まってきてそれを食べるためで、程よく脂がのった味わいを楽しめます。
広島の宮島の「あなご飯」
有名なあなご飯は捌いたあと醤油やみりんなどで作った甘いたれをつけ焼いたり炙ったものをご飯の上にのせたり、ご飯に混ぜ込んで食べます。ご飯を炊き上げる際にもたれを入れているので旨味が染みわたり、上品な味わいを楽しめます。
産地③隠れた穴子の産地「兵庫の淡路」
淡路島に近接している大阪湾は昔からよく知られた産地です。淡路島はあまり知られていませんが、実は大きなサイズの美味しいものが取れる隠れた産地なのです。獲れる量は少ないですが、一年中おいしく食べられるのが魅力です。
ブランド「伝助穴子」と旬
通常サイズとは違い、伝助穴子とは冬に食べることができる、通常の2倍~3倍の大きさに成長した穴子のことです。大きいだけでなく骨もしっかりとしているので、捌く際には骨切りをしなけらばならないほどです。