八百比丘尼の伝説をもとに不老長寿を考える。日本の人魚も紹介

日本で人魚の存在が記録されている一番古いものは、619年の日本書紀と言われており、川に生息している人とも魚ともつかないものとの記述が残っているようです。日本に伝わる伝説の中には人魚は恐ろしいものと見るものもありますが、その正体は深海に棲むリュウグウノツカイだとも言われています。

そして、その容姿については鎌倉時代までは「人のような顔を持った魚」と表現されていましたが、江戸時代も後期ごろになるとなぜかヨーローッパに伝わっているような上半身は人で下半身が魚という表現が変わってきています。

八百比丘尼伝説のように人魚の肉に不老長寿の効果が語られる伝説

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諸説ある中でも八百比丘尼が誤って食べてしまったのは、ジュゴンやオットセイの肉であったという説もあります。古来からオットセイの肉は若返りや不老の食べ物と信じられており、戦国時代に徳川家康も妙薬として口にしていたという話もあるのです。

アイヌや朝鮮半島でも似たような伝説がある

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人魚の肉の不老長寿伝説は昔の若狭の国や愛知だけでなく全国にあるようですが、アイヌ民族が暮らしていた北海道やお隣の朝鮮半島にも同じような話が伝わっています。それらはどんな伝説だったのでしょうか。

アイヌに伝わる伝説

北海道ではアイヌ民話に人魚のような伝説の生き物の話が出てきます。その生物は北海道の内浦湾に棲んでおり、アイヌソッキという名前で呼ばれていました。文献によっては人魚の別名としてアイヌソッキを紹介しているものもあります。

朝鮮半島に伝わる伝説

現在でいう中国東北部にあった高句麗の都である平壌にも、人魚にまつわる似たような伝説があります。海に出た漁師が美しい女性に竜宮に誘われ、帰り際にもらった土産が不老長寿になる食べ物であったという言い伝えです。これを食べたこの漁師の娘が300歳以上生きたとされており、日本に伝わる伝説もここから伝わってきたのかもしれません。

八百比丘尼以上に不老不死として語られる人物

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ヨーロッパには不老不死だったのではないかと噂されている、サンジェルマン伯爵という人物がいました。彼がなぜ不老不死になったのかその原因はハッキリしていませんが、亡くなったとされる年以降にも目撃証言があるなど神秘のベールに包まれていた人物であることは間違いありません。

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