カンパチは出世魚?成長経過で変わる呼び方の順番や特徴を徹底解説!

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カンパチの美味しい食べ方

代表的な料理がやはり刺身がいちばんで、ほとんどが生食用として出荷されています。脂の甘みや締まった身を最も強く味わう事ができますが、獲れてすぐのものは歯ごたえが強すぎる事もあるので、1日程度寝かせてから食べるのがおすすめです。他にも、焼き物や煮つけ、あら煮、フライなどでもおいしく食べる事ができます。

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カンパチには毒がある?

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カンパチは一般的には有毒魚ではありません。しかし、世界ではごくまれに食中毒症状を起こしたという報告があがっています。ふだんスーパーや魚屋、飲食店などで購入する分には心配する事はありませんが、釣ってきたものをさばく際などには少し気を付けてみましょう。

カンパチの食中毒①イシナギ中毒

イシナギ中毒はイシナギという魚の肝臓を食べて起こる食中毒です。イシナギの肝臓には多量のビタミンAを含み、この過剰摂取によって食中毒が起こります。イシナギほどではありませんがカンパチの肝臓も多くのビタミンAを含み、食べる量によっては食中毒を引き起こします。

イシナギ中毒の症状

イシナギ中毒は嘔吐や頭痛、発熱、皮膚の剥離などを引き起こします。食後30分から半日ほどで症状が現れ、完治するまでに1ヶ月ほどかかる場合もあります。食べ過ぎなければ大丈夫とも言われますが、カンパチをさばく際には肝臓は廃棄したほうが無難です。

カンパチの食中毒②シガテラ中毒

シガテラ中毒とは、熱帯の海に生息するある種のプランクトンが作り出すシガトキシンなどの毒に汚染された魚を食べる事で発症する食中毒です。カンパチは肉食魚のため、餌となる小魚が摂取していたシガテラ毒が蓄積している場合があり、特に大型の老魚が蓄積量が多い傾向があります。

シガテラ中毒の症状

食後1時間から数日程度で吐き気や下痢、皮膚の痛み、温度感覚異常などが起こり、死に至る事はあまりありませんが、完治までに1週間から数か月ほどかかります。内臓だけでなく身にも蓄積している場合があり、調理しても毒性は残ります。

また、この毒は母乳などを通じて赤ちゃんにも移行してしまう事があります。日本近海で獲れたカンパチでの事例は少ないですが、特に妊娠・授乳中の人などはわざわざカンパチを食べなくともよいでしょう。

【出世魚】カンパチの天然物と養殖物の違い

天然のカンパチは大変おいしいですが、漁獲量が少なく安定的ではありません。そこで養殖も盛んに行われています。私たちがスーパーや魚屋、飲食店などで見かけるカンパチはたいてい養殖ものです。天然と養殖のカンパチはどのように違うのでしょうか。

やっぱり天然物が美味しい?

カンパチは高級魚として扱われていますが、天然ものはその中でも特に高級です。ブリの味が落ちてくる夏頃が最もおいしいと言われます。天然ものは大海原を泳ぎ回っているため脂が少なくさっぱりとしていて、コリコリとした歯ごたえが特徴です。

一方で養殖ものは水温や餌などをコントロールする事で年間通じておいしく食べる事ができ、天然ものより脂がのっています。カンパチの養殖ものは天然ものと遜色ないと言われ、むしろ脂がのっている事で養殖のほうがおいしいという人もいます。

カンパチの養殖事情を紹介

2016年現在カンパチの養殖が最も盛んなのは鹿児島県で、シェアの半分ほどを占めており、次いで愛媛県、大分県の順に多くなっています。鹿児島県では特に錦江湾での養殖が盛んで「海の桜勘(おうかん)」「かのやカンパチ」などの高品質なブランドカンパチも多くあります。

カンパチ養殖は稚魚を中国から輸入し、それを育てるのが一般的な方法です。しかし、海洋資源や環境の保護などの視点から、養殖カンパチに卵を産ませて出荷できるまで育てる完全養殖の技術も研究が進んでいます。この技術が確立すればより身近にカンパチを味わえるようになるかもしれません。今後に期待ですね。

天然物のカンパチを釣りに行こう

出典:PhotoAC

カンパチは実は釣り人には人気のターゲットで、好奇心の強さ、引きの強さ、おいしさがその魅力です。ぜひ釣りに挑戦して高級魚といわれる天然もののカンパチを味わってみましょう。より一層おいしく感じられるはずです。

カンパチは何処で釣れる?

出典:PhotoAC

カンパチは13℃以下で成長が止まり、9℃以下では死んでしまうと言われており、暖かい海域を好みます。そのため日本では関東以南に生息しており、特に小笠原諸島や南西諸島などでは大型の個体が狙えます。船釣りがメインですが、小型の個体であれば堤防などからでも狙う事ができます。

カンパチが釣れる時期はいつ?

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カンパチは季節回遊を行う魚なので、その時期を考慮して場所を選べば比較的いつでも釣る事ができます。ベストシーズンは7~10月ですが、南に行くほどシーズンが長くなります。岸から狙うのであれば、夏場は寄ってきやすくなるので狙い目のシーズンです。

カンパチの釣り方を紹介

カンパチは典型的なフィッシュイーターなので、その性質を利用して釣りを行います。釣り方は大きく分けて生き餌を使った泳がせ釣り、ルアーを利用したジギング、コマセ(撒き餌)を使ったかご釣りの3種類があります。

【出世魚】カンパチ釣りの仕掛けと釣り方を解説

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カンパチは潮の流れの速い岩礁帯をよく好むので、船釣りだけでなく小型~中型のものは外洋に面した堤防や岩場などでも釣る事ができます。カンパチは引きが強く、また大きいものでは数十kgになる個体もいるので、ロッド・リールは頑丈なものを用意しましょう。ここではカンパチ釣りの仕掛けを図も交えて詳しく紹介していきます。

カンパチの泳がせ釣り

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泳がせ釣りは生きた小型のアジやイワシ、ムロアジ、サバなどを餌にして釣る方法です。餌が自分で泳いでアピールしてくれるのでテクニックはあまり必要なく、大物も狙う事ができます。活きのよさがポイントになるので素早くつけましょう。

泳がせ釣りの仕掛け

道糸はナイロンの3~5号を使用しますが、狙うサイズや釣り場の条件で太さを調整しましょう。最低200mほどは必要です。そして浮力の強めなウキをつけ、カラマン棒でライントラブルを防ぎます。ハリスはフロロカーボンの3~6号を使用し、針はチヌ針またはヒラマサ針を使用します。生き餌は口掛けか背掛けで付けておきましょう。

船釣りの場合は、100~300号のナス型オモリをつけ、潮の流れに負けないようにしたうえでハリスを枝分かれさせて生き餌を付けます。ただし、だいたいの場合ラインの太さやオモリの重量は釣り船によって規格が指定されています。船釣りをする前にはよく確認してから準備しましょう。

カンパチのジギング

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ジギングとはルアーを使った釣りの事です。カンパチは比較的海底付近にいる事が多いため、沈みやすいメタルジグ、中でもストレートタイプか細身のロングタイプがおすすめです。一度底までジグを落とし、そこからショートピッチジャークでシャクリを入れるのが王道の釣り方です。

ジギングの仕掛け

道糸はターゲットサイズやジグの重さにもよりますが、PEの2~6号を使用する事が多いです。そこにヨリモドシをつけ、ショックリーダーにつなげます。こちらはフロロカーボンの3~5号を用意します。メタルジグはポイントやコンディションによって釣れるものが変わるので、重さやカラー、モデルの違うものを数種類用意しておきましょう。

カンパチのカゴ釣り

LG編集部作成

カゴ釣りは、釣り糸に付けたカゴにコマセと呼ばれる撒き餌を入れ、それでおびき寄せる釣り方です。カンパチのカゴ釣りはカッタクリ釣りが原型で、針にバケと呼ばれるナマズやボラ、バラフグなどの魚の皮をつけます。

カッタクリ釣りは湘南が発祥といわれ房総半島などではよく行われており、小型から中型のカンパチを狙うのに特に適しています。以前は手で糸を操っていましたが現在では竿でしゃくる竿カッタクリと呼ばれるやり方が多くなっています。

カゴ釣りの仕掛け

道糸はナイロンのものを使用する事が多く、3~4号が適しています。そこに中または大サイズの天秤をつなぎ、コマセを入れるステンカンをつけます。ハリスはフロロカーボンの3~5号がおすすめです。その先にバケ針をつけますが、バケはその日のコンディションによって食い方が変わるため、いくつか種類を用意するとよいでしょう。

カンパチが見たいなら水族館へ!

釣りに行くのはハードルが高い人は水族館に行ってみましょう。スーパーや魚屋で並んでいるカンパチはほとんどが切り身の状態なので、生きている姿を見られるのは貴重です。ただ、比較的大水槽に入っている事が多いので、頭の八の字を目印によく探してみましょう。

カンパチが見られる水族館①魚津水族館

魚津水族館は富山県魚津市にあり、日本で最も歴史の深い水族館で、100年以上の歴史があります。そこの「富山湾大水槽」と呼ばれる大きな水槽にカンパチがいます。ブリやヒラマサも同じ水槽で泳いでいるので、青物御三家の比較をしてみるのも面白いでしょう。

カンパチが見られる水族館②いおワールドかごしま水族館

いおワールドかごしま水族館は鹿児島県鹿児島市にある水族館です。「いお」は鹿児島弁で魚の事で、イルカやジンベエザメの展示でも有名です。錦江湾や南西諸島の生き物のほかに、淡水の生物などの展示も充実しています。ここではカンパチは「かごしまの海」という展示ゾーンにマダイなどと一緒に展示されています。

カンパチが見られる水族館③新江ノ島水族館

新江ノ島水族館は神奈川県藤沢市にある水族館で、トレーナーが出てこずダンサーとイルカのみのイルカショーなどでも有名です。ここでひときわ目を引く「相模湾大水槽」にカンパチがいます。大変大きな水槽なので、カンパチを探し当てるのは大変かもしれませんががんばってみましょう。

出世して高級魚になったカンパチを楽しもう

カンパチはさほど有名というわけではありませんが、縁起の良い出世魚で高級魚でもあります。食べておいしいうえ、釣っても楽しめる魚なので、ブリやヒラマサとごちゃごちゃにせずぜひこれからは「カンパチ」に注目してみましょう。

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