こちってどんな魚
フグと肩を並べるほどの高級魚として扱われているのでそのほとんどが料理店に卸されてしまいます。なかなか魚屋などで目にすることはありません。
もっとも刺身は「テッサナミ」と呼ばれるほどで、フグのに引けを取らない食味を持っています。そんなあまり馴染みのないこちですが、一体どんな魚なのでしょうか。
こちという魚の生態・特徴
日本海側においては山形県以南、太平洋側では宮城県以南の海に分布しています。上品な食味からは想像がつかないほどユニークな見た目を持っています。
体は押しつぶされたように左右に平たい形をしており腹を海の底につけて生活しています。擬態を得意とし砂に浅く潜り目立たないようにしていることがほとんどです。
雄性先熟といって成長とともに性別が変わる部類に属すとされ、35センチ前後でオスからメスに変化し50センチ以上のほとんどはメスとされていました。
しかし近年の研究からオスは高齢になっても大きくならないことが判明し、性転換のない魚とされるようになりました。夫婦仲も良いという微笑ましいエピソードも持っています。
こちという魚の釣り方は
もともとはヒラメ釣りの外道とされてきましたが、味の良さが広まり今や釣りの対象としても人気のある魚です。最シーズンは5月から10月でメインは船釣りになります。
肝心の仕掛けに関しては詳しく紹介されている記事があるので以下をご覧ください。主に「ルアー」や「泳がせ釣り」についてわかりやすく解説してくれています。
こちの種類は?オスメスの魚の見分け方も
複数の種類が存在しますが、ほとんどの場合マゴチを指すことが多いです。一方、ヨシノゴチ(別名シロゴチ)と呼ばれる種類も存在します。
こちらはマゴチと同一とされていましたが目の大きさの違いなどから近年分けられるようになりました。
他にもメゴチという種類もおり、こちらは天ぷらなど熱を通した方がおいしいとされています。
雄性先熟の部類に属すとされていた頃は、オスかメスかの見分け方は個体の大きさで判別できるとされており、大型がメスとされてきました。
雄性先熟ではないとされた現在も雄の方が小型であることは変わりなく50センチ以上のものにおいてはほぼメスと判断して間違いありません。
【魚】こちの旬はいつ?
店頭に並ぶ魚の場合、見慣れるともに何となくその魚の旬を把握できますが、コチの場合はあまり見かけないため食べ頃の季節がいまいち分からないという方も多いのではないでしょうか?
ここでは一番おいしいとされる季節と、味の特徴を簡単にまとめました。
こちの旬はいつ?
夏にもっともおいしいとされており、この時期の代表的な白身魚として扱われています。その価値は同じく旬を迎えるスズキよりも高く、高級食材として出回ります。
釣りで狙うのも海水温が上がるこの時期で、関東では「照りゴチ釣り」と名付けられているほど盛んです。
こちの旬の味
歯ごたえのある引き締まった白身が特徴です。淡白なのでしつこさがなく、上品な味わいを楽しむことができます。夏の食欲が出ない時にもさっぱりと食べることができます。
思わず食べ過ぎてもカロリーも低いので安心です。ヘルシーな魚といえます。
おいしい魚、こちの見分け方
一概にコチといっても細かく分類するとカサゴ目とスズキ目に別れ、さらにそれぞれの中で数多くの種類が存在します。
ここでは主に食用として流通するカサゴ目の中でも特に主要な種類の見分け方や入手するにあたっての最適な状態について解説します。
マゴチ、ヨシノゴチ、メゴチの魚の見分け方
流通する中でも一番多いのはマゴチです。そのマゴチとよく間違われる種類としてヨシノゴチが挙げられます。しかしヨシノゴチにははっきりとした茶色の斑点がみられるので両者の見分けは非常に簡単と言えます。
一方でメゴチと呼ばれる種類が存在しますが、こちらは大きくても25センチ程度であること、頭部に4本の棘があることでマゴチと区別ができます。
また釣り人の間で言う「メゴチ」はスズキ目に属する「ネズミゴチ」を指す場合があります。
こちは活け物が最高
死後に鮮度が急激に落ちるという難点があるので、しっかりと活け締めに処理されたものが、特に刺身で食べる場合には選ぶようにしましょう。
中でも体表面にみずみずしさと背に固さが残るものが鮮度がいいとされています。釣った際も必ず締める作業が必要です。こちらの記事には締め方について非常に詳しく書かれています。
【魚】こちの捌き方
形が平べったいので何となく難しそうですが3枚おろしで十分に対応することのできる魚です。旬の季節は釣る以外でも、丸1匹で手に入れることのできる機会も増える魚です。ぜひ参考にして捌いてみてください。
こちの捌き方①:ウロコをとる
ウロコが非常に細かいです。皮も硬めなので包丁の歯の部分を使ってなぞるうようにして取るようにしましょう。ウロコ取り専用の道具を使っても撮ることができます。背ビレのトゲには要注意です。刺さらないように気をつけてください。
こちの捌き方②:頭をとる
まず頭の付け根に脊椎を断つように刃先を入れ切り込みを入れます。次に腹を上にして上下の腹ビレの脇に直角になるよう刃を当てて切り込みを入れます。この時、内臓も一緒に切ってしまわないように注意しましょう。
今度は側面を上にし胸ヒレの付け根部分から最初に入れた頭の切り込み部分を目がけて切り込みを入れます。同じようにもう一方で側面も処理したら頭が切り離されるような状態になります。
肛門から頭部方向へ切り込みを入れながら内臓も一緒に取り出します。
こちの捌き方③:腹の中を掃除する
腹の中に刃先を入れて血合いの表面に付いた膜を裂きます。次に流水を当てながら血合い部分をきれいに洗い流します。味が左右される作業になるのでしっかり落とすようにしましょう。歯ブラシを使うと取れやすくなります。最後にしっかり水気を拭き取ります。
こちの捌き方④:骨から身をおろす
尾を左側にくるように置き頭部から包丁を入れます。中骨に沿わせるようにして一気に尾まで切り下げていくと片身が剥がれます。同じように今度は逆側を処理します。これで3枚おろしが完成した状態になります。
こちの捌き方⑤:腹骨を剥がす
片身に付いたままになっている腹骨を取る作業です。腹骨の上部に逆さ包丁を入れて先端を浮かせます。次にその浮いたスペースに包丁を入れて腹骨をすきます。
最後に皮一枚の状態になったら包丁を立てて切ります。腹骨は両片身に付いているのでどちらも処理します。
こちの捌き方を動画で見てみよう
こちらには捌き方の動画を掲載しました。動画を見ると、その都度魚の向きを動かしているのがよくわかります。ここがポイントです。
正しい方向に包丁の刃を進めるために重要になるので覚えましょう。透き通るような非常にきれいな身であることも確認できます。
コチの捌き方を詳しく知りたい方はこちら
【魚】こちの値段、買ったらいくら?
食べてみたい!調理してみたい!となっても釣りをしない人には買うしか手に入れる手段はありません。そうなるともっとも値段が気になるところです。
高級魚とされるだけあって高いのか、それとも意外に安いのかを他の魚と比較しながら解説します。