特に内臓からの腐敗が早く、そこを起点に急激に全体の鮮度が落ちていきます。なので活魚で手に入れるのが一番ですが、水揚げ量が少ない上にそのほとんどは料理店などに卸されてしまいます。
せめて活き締めで手に入れたいところですが活き締めに処理されているのも高値傾向にあります。
こちは高級魚!
「夏のコチ、冬のヒラメ」と言われるほどで、ヒラメの味が落ちる夏場は反比例するようにコチの値段が上がります。1kgあたり3500〜5000円を相場と捉えておきましょう。
旬のヒラメで1kgあたり5000〜7000円なので大差ないことがわかります。言うまでもなくもっともお得なのは釣り上げる以外にはありません。
Contents
【魚】こちのおすすめレシピ5選を見てみよう!
上質な白身を存分に味わうことのできるレシピを紹介していきます。淡白でクセがないのでどんな和風、洋風、どんな料理にも合わせやすいのが特徴です。ここでは中でも特に人気のある定番のレシピを紹介します。
こちの魚料理①:刺身の作り方
活魚や活き締めされた鮮度良好のものが手に入ったらぜひ刺身で食べてみましょう。弾力のある歯ごたえを持った白身はフグにも引けを取らないおいしさです。さっぱりしていますが優しい微かな甘みも感じることができます。
材料とワンポイントアドバイス
材料(2人分)
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もちもちした歯ごたえがあるので薄造りにするとちょうどいい口当たりで食べることができます。調味料は醤油よりもポン酢の方がよく合います。アクセントに紅葉おろしなどがとてもよく合います。
美味しい作り方
3枚におろした後、皮引きと骨の処理をして薄くスライスするだけです。しっかり捌くことができれば簡単に作ることができます。どちらかというと小骨が多いので最後の骨抜きが少々大変かもしれませんが、あとあと口に残らないように入念に行うようにしましょう。参考レシピhttps://cookpad.com/recipe/5225470
こちの魚料理②:天ぷらの作り方
刺身と並んでコチの代表的な調理法である天ぷら。「天コチ」という造語があるくらい天ぷらにするとおいしいとされています。
引き締まった身のプリプリした独特の食感はクセになります。江戸前ではキスと同じくらい、白身魚の食材として大切にされています。
材料とワンポイントアドバイス
材料(2人分)
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美味しい作り方
天ぷら用におろしたら身に塩をして20分ほどおいて下味をつけます。その後水に溶いた小麦粉、もしくは専用の天ぷら粉につけて170度の油で揚げます。
熱が入ることで濃厚な味わいになります。ダイレクトに味わいたい場合はこの工程を省いても構いません。参考レシピhttps://cookpad.com/recipe/3067498
こちの魚料理③:煮付けの作り方
魚料理の中でも人気の高い煮付けはご飯にもおつまみにもなるユーティリティープレーヤーです。中でも白身魚の煮付けは味の染み込みもよく、特にコチの場合はモチっとした身と甘辛の煮汁の相性がとてもよく、箸が止まりません。
材料とワンポイントアドバイス
材料(2人分)
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切り身の大きさによって火の通り方は違いますが、煮立たせた煮汁に身を入れたら落とし蓋をして約8分〜10分煮込みます。
あまり煮込みすぎると身が固くなるので要注意です。あまり臭みが気にならない魚ですがお好みで生姜を入れて風味をつけましょう。
美味しい作り方
切り身を用意したら、鍋に調味料を入れて一度火にかけます。煮汁が沸いたら切り身を入れ落とし蓋をして煮込みます。落とし蓋は全体に煮汁が回るので必ずするようにしましょう。
また一度冷ましてから温め直すと味の入りが良くなります。参考レシピhttps://cookpad.com/recipe/4519773
こちの魚料理④:カルパッチョの作り方
カルパッチョといえばやはり白身魚が食べやさもありもっともよく合います。弾力のある歯ごたえや、淡白で軽い甘みのある刺身を洋風アレンジで食べてみましょう。
塩、胡椒の味付けと、オリーブオイルの香りがベストマッチします。ヘルシーに食べられるところも嬉しい料理です。
材料とワンポイントアドバイス
材料(2人分)
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刺身のように薄造りにカットしたら皿に並べ味付けをする前に数時間冷蔵庫で寝かせると身の味が落ち着きます。市販のドレッシングをかけてもいいですが、身の味が濃厚ながらもあっさりな白身魚なのでシンプルに塩、胡椒がオススメです。オリーブオイルもフレッシュなものを用意しましょう。
美味しい作り方
刺身と同じようにカットしたら皿に重ならない程度に並べ冷蔵庫で冷やします。味付けは塩、胡椒、オリーブオイルをかけるのみ。
お好みの野菜を散らします。野菜を多く盛り付けると彩りもよくなり、パーティー料理としても使えます。参考レシピhttps://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1800008318/
こちの魚料理⑤:唐揚げの作り方
天ぷらよりもちょっぴりスパイシーに仕上げる唐揚げ。フグでもその食べ応えから人気があるように、コチでもおいしくいただくことのできる調理法です。
弾力のある身は鶏肉のよう。子どもから大人までおいしくいただけるレシピを紹介します。
材料とワンポイントアドバイス
材料(2人分)
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切り身に塩をふり、20分〜30分ほど寝かせて下味をつけましょう。片栗粉は薄くまぶし170度の油で一気に揚げるとカラッと仕上がります。
レモンを絞ってさっぱりいただくもよし、アレンジして甘酢あんなどをかけてもおいしく食べることができます。
美味しい作り方
食べやすい大きさに切ったら塩をふり20分ほど寝かせます。切り身にする際はなるべく大きさを揃えると火の通りが均一になるので仕上がりにばらつきが出にくくなります。
身の表面に出た水分はしっかりと拭き取り片栗粉をまぶしたら170度の油で衣がきつね色になるまで揚げます。参考レシピhttps://cookpad.com/recipe/3183911
コチの頭と中骨は潮汁に最適!
3枚におろした時に出る頭と中骨は捨てるしかないとおもっていませんか?もちろん食べることのできる身こそ少ない部位ですが、実は汁物にすると大変いい出汁が取れるので捨ててしまうのはかなりもったいないです。ここではぴったりの汁物を紹介します。
やっぱり潮汁が最高
魚の食べ方を知っている漁師や釣り好きの間で特に人気のあるのがこの潮汁です。塩で味の骨格を作り、薄口しょうゆで風味づけした潮汁は出汁の味を余すことなく堪能できるといえます。
ネギや一味唐辛子でアクセントを作っていただくのもおおすすめです。
材料
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美味しく作るコツ
刺身など余った身があればそれを一緒に入れても構いません。また風味づけに日本酒や生姜を入れてもおいしく作ることができます。
頭、中骨ともに血合いの多い部位になるので、鍋に入れる前に霜降りをすることが魚臭さを防ぐ意味でもっとも重要になります。入念に行いましょう。
コチの頰肉っておいしいの?
すでに江戸時代の頃にはコチのおいしさは一般庶民にも知れ渡っていました。「鯒の頭は嫁に食わすな」と「コチの頭には姑の知らない身がある」と言った俗言が生まれたのもこの頃です。
この両者には「頭はうまい」という意味が見え隠れています。果たして「頭がうまい」とはどういう意味でしょうか。詳しく解説します。
実は頰肉が絶品!
頭といえばほとんどが骨が占めている部位なので食べるところなどほどんどありませんが、唯一肉のある部位が存在しています。頰肉です。
マグロでも有名なこの部位はほろっと崩れるような柔らかさで知られています。コチの頰肉も同様で、知る人ぞ知る希少な部位といえます。
つまり先ほどの俗言はこの頰肉のおいしさを表した言葉です。「どんなにつまらない見た目のものでも、しっかりと探したら捨てがたい価値がある」という意味も含まれています。
その当時から、いかに愛された魚かということがよくわかります。
頰肉はどうやって食べるの?
多くはカブト焼きにするか、あら汁にした時に食べることができます。しかし50センチ以下の個体だと満足に味わえる量は取れません。
それ以上でもその大きさはひと口大ほどの大きさです。それでも「コチでもっともうまい部位」と言われる頰肉です。丸1匹を調理する際にはぜひ味わってみてください。
【魚】こちも魚なので寄生虫には注意
コチにのみ寄生する特別な虫はいませんが代表的な寄生虫であるアニサキスが存在している可能性は十分にあります。加熱して食べる分には問題ありませんが、刺身で食べる際には調理の際の目視を怠らないようにしましょう。また粘液胞子虫の存在も認められていますが、こちらは特に人体への影響はありません。
高級魚のこちを食べてみよう!
フグやヒラメなどの白身魚の代表格とまったく劣らない魚ですが、漁獲量や流通などからまだまだ広く一般的に知られていない魚です。
よって値段もそこそこしますがシーズンには出会える率もぐんと上がります。これから旬を迎えるので、ぜひ刺身を始めとした様々な調理法で極上の白身を楽しんでみてください。
コチの締め方に関する記事はこちら
コチの捌き方に関する記事はこちら
コチの釣り方に関する記事はこちら