現在の医学では、残念ながら完治という事例はありません。幾度となくイボを除去する手術をし、完治の見込みという報告はありますが、何度手術をしてもイボは再発してしまっているのが現実です。現段階の治療法は再発のたびにイボを除去していくという方法しかないのです。
手術を24回受けた事例も
1回の手術で済むことがないのがこの病気の主な特徴ですが、アブル・バジャンダルさんは2017年までに24回にも及ぶ回数の除去手術を受けています。手術終了後に再発をしなければ完治ともなるとう期待も持たれましたが、1年後に再発をしてしまい、2018年に25回目の手術を受けることになってしまいました。
最悪の事態もありうる
デデ・コサワさんは約20年以上もこの病に悩まされていました。一時期は体にできたイボの約95%を除去する手術も成功しましたが、やはり再発を繰り返しイボは手足だけではなく全身へと広がってしまいました。その後、ツリーマン症候群が引き金となった多臓器不全で45歳という短い人生しか歩むことしかできませんでした。
Contents
予防の対策はある?
手術をしたも再発を繰り返し、進行を止めることができなければ少しでも進行を抑えるような予防策はないのでしょうか。手術の回数が増えれば増えるほど、体力面も含め様々なリスクが立ちはだかってきます。どういった事に気を付ければ、望みの持てる生活が送れるのでしょうか。
紫外線を避ける
イボが樹木のように発達してしまう、詳しい原因についてはハッキリとはしていません。しかし、体や遺伝子に異常のない健常者でも紫外線による肌へのダメージが皮膚の老化と共にイボを作り出すというメカニズムは確証されています。
ツリーマン症候群の特徴として主に体の露出部にイボができてしまうことから、紫外線による影響が一つの原因とも考えられています。そのため、紫外線を防御するとういう事も治療法として考えられています。
ビタミンAを服用する
ツリーマン症候群の原因物質であるHPVは癌との関連性も高いウイルスです。ウイルスに対する免疫低下を改善するために、ビタミンAの摂取が効果的ではないかとも言われています。特に、ビタミンAの摂取は粘膜を守ることにより癌予防にも注目されています。
こういった研究結果からも、ビタミンAがツリーマン症候群にとってより効果的に作用するのではないかとされています。
プールなどを避ける
イボの原因となるHPVはHPVを持った皮膚片などが何らかの原因で体内に入り込みます。特に、複数の人が使用する公衆浴場やプールなどはそういったウイルスと接触する機会が多く、ウイルスに感染してしまう可能性が十分にある場所です。感染を防ぐためにも、そういった場所は避けなければいけません。
ツリーマン症候群以外にも苦しむ病気がある
今回はツリーマン症候群についてお話してきましたが、世界にはその他にもたくさんの難病、奇病に苦しむ人々がいることを忘れてはいけません。世界にはどのような病気が存在するのでしょうか。
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群
こちらの女性を見たことがある方は多いと思います。プロジェリア症候群という早老病に侵されてしまった女性です。ヒト 1 番染色体上にあるラミン A (LMNA) という遺伝子の異常により、体の急速な老化が進んでしまうという難病です。
2,000万人に1人が発症し、平均寿命は14.5歳と短命ですが、老化を止める治療法や特効薬については未だに解明されていません。年齢以上に老化してしまった体や見た目への偏見が多く、それと共に幼いながらに体の老化に伴った心機能障害や脳血管障害にもくるまされる病気です。
水アレルギー(水蕁麻疹)
世界中には様々なアレルギー症状があります。その中でも、世界に100例にも満たないほどの症例しかないアレルギー疾患が水アレルギーです。普段、私たちが何気なく使用している水や自分自身の汗が皮膚に触れるだけで、重度の蕁麻疹の症状を引き起こしてしまう難病です。
皮膚疾患であるため、体内の水分からの害はないものの、重症化すればアナフィラキシーショックによって生命の危険にもつながってしまいます。現在、医療的な対処療法は見つかっていません。
トライポフォビア
全ての人にではありませんが、感覚を持った人間には恐怖症が存在します。高い所が苦手高所恐怖症や、狭い所が苦手な閉所恐怖症と様々です。その中でもあまり聞くことがなく、理解されないことが多い恐怖症がトライポフォビアです。
トライポフォビアは小さい穴や斑点のような集合体に対して恐怖心を感じる心理状態です。こういった症状は誰にでも起こりうる症状のため、病気との認識は薄いですがれっきとした精神障害なのです。トライポフォビアについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
日本から難病を支援する方法は?
このような病気に苦しむ人は、職業も失い生活の基盤をも失ってしまいます。治療を続けるためには、他方からの支援を必要としなくてはなりません。では、日本ではこういった方を支援する方法はあるのでしょうか。
NGO団体に寄付
ツリーマン症候群に対して直接的な支援ではないですが、日本には「ジャパンハート」というNGO団体があります。この団体は「医療のない所に医療を届ける」というテーマで発展途上国や被災地への医療ボランティアをしている団体です。
病気の治療をしたくてもできない患者へ無償で医療を提供するためには寄付が必要です。直接関わることができなくても団体への寄付が病気に苦しむ方への支援となります。
病気について正しく知る
見た目のインパクトが強い病気のため、病気以上に偏見や差別にも苦しまなくてはいけないのがこの病気の恐ろしい点でもあります。どんな病気でもそうですが、病気はいつどんな時に自分の体を蝕んでしまうかわかりません。
昨日までは何事もなかった体が、朝起きたら今までとは別人のようになってしまうかもしれません。病気に苦しむ人を偏見の目で見るのではなく病気を正しく知り理解し合う事も治療の一環となります。
病気だけではない解明できない謎
少し路線は変わってしまいますが、私たちが生活する地球上には不可解な謎や現象が存在します。現在の医学では解明できないのと同じように、なぜそうなってしまったのか解明できない謎についてご紹介します。
デジャブ
何か懐かしいような、見たことのあるような景色だったり出来事なのにいつのことか同じ夢を見たのかという不思議な経験をしたことはありませんか?誰もが、体験したことのある錯覚のような感覚ですが、そのような感覚に陥る原因は複数の説があります。
特定の人だけが体験するのではなく、誰しもが体験するのがデジャブですが人間の脳に秘めれられ謎とした解明はされていません。デジャブについてもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
なぜ睡眠が必要なのか
「睡眠」とは生活する上において、必要な行動です。眠らずに生活することは不可能です。しかし、なぜ睡眠をとらないといけないのでしょうか。脳の活性化、体の発育、病気の予防など睡眠が体にもたらす役割は様々です。
では、睡眠をとらないとどうなってしまうのでしょう。ある研究で264時間不眠の状態を保ったという結果があります。眠らずにいた結果、妄想や言語障害などあきらかな体調不良を訴えました。生きていくために呼吸をするということと同じくらい睡眠は重要ではありますが、睡眠の本質については明らかになっていません。
ツリーマン症候群などの難病に対する理解を広げよう
私たちが生活する世界には様々な人種とともに、様々な難病に苦しみ嘆く人は数知れずいます。健常者であるからこそ当たり前のことができていますが、そうではない人もいることを理解しなくてはいけません。
地球という大地に生命を受け生きていくのは一回しかありません。何事もなく終末期を迎えるのか、苦しみながら迎えるのかはわかることはありません。
たとえ病気になってしまっても幸せに最期を迎えることができる人もいます。しかし、そうではない人のほうがたくさんいるという事は現実なのです。そういう人が一人でも少なくなるよう偏見や差別といった事がなくなるよう願いたいたいです。
トライポフォビアに関する記事はこちら
デジャブに関する記事はこちら