高千穂一家6人殺人事件の真相
宮崎県高千穂町の集落で家族6人が殺害され、犯人が投身自殺するという恐ろしい事件が起きました。犯人がなくなってしまった今、事実を正確に知ることはできませんが、ここでは詳細について一つ一つ考察していきます。
高千穂一家6人殺人事件の現場
事件が起きたのは宮崎県高千穂町、神話の町として知られています。
田んぼに囲まれた自然あふれる小さな集落にある飯干保生さんの自宅です。近くには民家が点々とあり、穏やかな町が一変恐怖に包まれました。
高千穂一家6人殺人事件の犯人
飯干さんの自宅からは6人の遺体が発見されていて、家から2キロほど離れた場所では次男の昌大さんの遺体が発見されたことから彼が犯人で間違いないとされています。その状況から、犯行後に橋からの投身自殺であったと推測されます。
高千穂一家6人殺人事件の被害者
6人の遺体が発見されましたがこのうち5人は昌大さんの家族で、もう一人は知人の男性です。被害者は保生さん(72)、妻の美穂子さん(66)、昌大さんの妻の美紀子さん(41)、息子の拓海さん(21)、娘の唯ちゃん(7)、知人の松岡史晃さん(44)の6人です。
天孫降臨の地といわれる高千穂町
先程も説明しましたが、今回の事件が起きたこの町は天孫降臨の地といわれ、神話の町として有名な場所です。山に囲まれ、自然が豊かでのどかなこの地でなぜこのような事件が起きてしまったのでしょうか。
神話や伝説にゆかりのある町
今回事件のあった町は日向國風土記に記されている有名な町です。この町は地上界の乱れを治めるためにアマテラスが孫のニニギノミコトを使いに出し、高千穂の山に降臨したとして知られています。
毎年恒例の夜神楽
国の重要無形民俗文化財である夜神楽は、11月中旬から2月にかけて約20か所の集落で行われています。
夜を通して33の演目を披露する夜神楽ですが、この事件を受けその年の同町押方にある神社での祭りは中止となりました。
高千穂一家6人殺人事件の謎①仲良く社員旅行
この事件には謎が多く残されたまま、真実を知るすべがありません。近所の方や飯干さん一家を知っている方たちの証言だと家族の中は良さそうに見えたとの声もあります。ここでは家族の謎を考察していきます。
高千穂一家6人殺人事件の犯行時刻
正確な犯行時刻を知ることはできませんが、遺体は11月26日の午前11時に発見されています。警察の発表によると犯行時刻は25日の午後9時から10時の間です。25日の夜から朝にかけて一体何が起こったのでしょうか。
前日に仲良く社員旅行
事件が起こる少し前まで家族で仲良く過ごしている様子が見られています。
24日から25日にかけて昌大さんと妻の美紀子さん、娘の唯ちゃんの3人で昌大さんの会社の旅行に参加していたのです。事件は帰宅したその日に起こりました。
高千穂一家6人殺人事件の謎②家族以外の被害者
この事件では殺害された家族5人のほかに、昌大さん夫婦の知人の男性とされる方も巻き込まれています。ではこの巻き込まれてしまった男性は飯干一家とどのような関係だったのか、なぜ巻き込まれることになったのかを見ていきます。
高千穂殺人事件の被害者「松岡史晃」
被害者の一人が松岡史晃さん(44)で、地元の活動にも積極的に参加する方でした。半年ほど前に再婚したばかりで幸せいっぱいであったのにこの悲惨な事件に巻き込まれることになってしまいました。
松岡さんが呼び出された時刻
事件当日、消防団の忘年会があり13時ころから飲んでいました。お酒に弱く飲んでいて少し眠りにつきますが、18時ころに目を覚まして20時には解散していました。呼び出されたのはこの直後の20時~21時ころではないかと考えられています。
松岡さんを犯人飯干昌大が呼び出した理由
呼び出された理由は夫婦喧嘩の仲裁に入るためだったとされています。しかし、これに対して疑問を抱く人が少なくありません。
喧嘩の仲裁に入るほどの仲であれば、周りの人も知っていてもおかしくありませんが、この2人につながりがあったことを知る人はほとんどいませんでした。
高千穂一家6人殺人事件の謎③凶器と犯行の違い
家の中では5人の遺体が発見され、外に出たところで1人の遺体が発見されています。しかし謎なのは6人の殺され方に違いがあることです。
なぜ家族全員が殺されてしまったのでしょうか、また殺され方の違いは何はどんな理由からなのでしょうか?
妻・娘は絞殺
妻と、娘は首を絞められ殺されたことが分かっています。またこの2人が殺された場所もお風呂場の脱衣所だったことから、旅行から帰宅しお風呂に入ろうとしたところを襲われたのではないかと推測されます。
この事件で一番最初に殺された2人でないかと考えられます。
妻・娘以外の4人はナタで惨殺
絞殺された妻と娘とは異なり、保生さんと息子の拓海さんは自分の部屋で、松岡さんは居間で、美穂子さんは庭で発見されていますが、この殺害方法がナタでの惨殺でした。
特に美穂子さんの状態がひどく、首が胴体から離れて発見されています。
凶器の違いと犯行理由
凶器の違いから犯行時間い違いがあったのではないかと推測されます。状況からみてもお風呂に入ろうとしていた妻と娘が殺され、その後ナタを手にし次々と襲いかかったとみられます。
妻と娘を殺してしまったことで混乱状態だったのではないかとも考えられます。
高千穂一家6人殺人事件「感情の爆発」か?
周りの人から見ても仲がよさそうに見えたという証言がありますが、前日まで楽しく旅行をしていた家族、また実家で一緒に暮らしていた家族をこのような悲惨な方法で殺してしまった理由は何だったのでしょうか?
溺愛する娘を手にかけた犯人
昌大さんは近所の人の証言から娘のことを溺愛していたと証言が多くみられました。また前日の社員旅行でも唯ちゃんを間にはさみ、3人で手をつないでいたことからも愛していたことがわかります。
こんな幼くか弱い子供の命を首を締め奪うにはものすごく強い殺意があったと推測されます。
首と胴体が切り離された母の遺体
ナタを使用し殺されてしまった4人ですが、その中でも母親が一番ひどい状態で発見されています。庭で発見された美穂子さんの遺体は首と胴体が切り離されていました。
家族が殺されているのを目の当たりにし、逃げようとしたところ殺されてしまったのではないかと考えられています。
高千穂一家6人殺人事件に隠される強い怨根
ここまで説明したように溺愛する娘、自分の実の母をこのような残虐な方法で殺害するには、内に秘めてきたこれまでの強い恨みがあったのではないかと考えられます。
この事件の動機は夫の不倫、妻の不倫だといわれているため、その恨みが爆発してしまったと推測されます。
高千穂一家6人殺人事件の犯人「飯干昌大」の人物像
ではこのように家族を殺してしまう悲劇を起こした犯人「飯干昌大」とはどのような人だったのでしょうか?この事件は予兆もなく、近所の人も驚きを隠せません。ここでは犯人の人物像にふれていきます。
大人しい性格
事件を起こした「飯干昌大」はとても大人しい性格で口数の少ない人でした。仕事仲間などともプライベートについて話すことはほとんどなかったそうです。
筋力トレーニングを欠かさず、細いのに体はがっしりとしていたようです。
真面目で勤務態度も良い
これまで仕事がなかなか続かず職を転々としていましたが、事件当時は大型トラックの運転手として働いていました。
仕事はとても真面目にこなし、休みの日でも積極的にシフトに入るなど勤務態度はよかったそうです。
寡黙でストレスをためやすい
証言の中には、自分がいじめられているときも何も言わずにため込んでいたというものもあります。
内気で外に悩みなどを相談できない分、自分の中に色々とため込んだ怒りや憎しみが爆発してしまったと考えられています。
高千穂一家6人殺人事件の被害者「松岡史晃」の人物像
先程も唯一被害者の中で家族でない「松岡史晃」さんの人物像を見ていきます。
今となっては彼がなぜこの悲劇に巻き込まれてしまったのかを知るすべはありませんが、彼の死をたくさんの人が惜しんでいます。
地元消防団班長「頼れるリーダー」
元はトラックの運転手をしていた松岡さんでしたが、退職して農業を営んでいました。
また地元の消防団のリーダーも務めており、周りから頼りにされる存在でした。たくさんの後輩が慕っていたとの証言もあります。
気さくで人付き合いが良い
とにかく明るく人付き合いが良い松岡さんは近所の人とすれ違う時にも大きな声であいさつをしてくれるなど、みんなから好かれる存在でした。
お酒に弱い松岡さんでしたが、人付き合いはとても良かったそうです。事件当日も夜遅くに呼び出され、奥さんはいかないでくれと強く止めましたが、人に嫌と断れない性格の松岡さんは飯干家へ向かいました。