自分の息子が犯罪を犯し、そのため自分の家が家宅捜索や警察の事情聴取を受けたこともあったり、マスコミに追いかけられたこともあるため自分も神戸児童連続殺傷事件の被害者の一人だと酒鬼薔薇聖斗の母親は感じています。
手記「この子を生んで」でも言い訳だらけ
酒鬼薔薇聖斗の両親が出版した手記「この子を生んで」ですが、こちらの内容も苦しい言い訳が多いです。手記は父親が7割ほど手掛けており残りの3割ほどを母親が手掛けていますが、母親が記載した内容は被害者遺族への償いではなく、自分がどれほどしっかり教育してきたかをアピールしているような内容になっています。
読者や被害者遺族が求めるような事件に関する真実の記載はなく、自分たちの言い訳とアピールしか書かれていない手記は被害者男児の父親にとって不愉快なものでしかなかったと男児の父親は語っています。
厚顔無恥!賠償金「月々2万円」の暴言
事件後被害者遺族は酒鬼薔薇聖斗と両親を相手に民事訴訟を起こしています。被害者の女児家族とは示談(8000万)が成立しており、被害者男児とは裁判では1億4000万の賠償命令が下されています。判決後、酒鬼薔薇聖斗の母親は損害賠償に対して「毎月2万ずつ支払います」と発言し、裁判官から責されています。
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酒鬼薔薇聖斗母親の手記「この子を生んで」の印税は?
通常、加害者が家族や加害者が手記を出版した際の、印税は被害者家族へ送られたとされていますが被害者遺族が受け取ったという情報は出てきていません。そのため、印税は自分たちの私欲に使ったのではとの憶測がとんでいます。
印税は、もちろん自分に入ってくる収入なので使い道は個人の自由ではありますが、息子が犯罪を犯し損害賠償が発生しているにも関わらず損害賠償を支払わずに自分たちの私欲に使うことは批判されても仕方ありません。
加害者の印税は通常被害者へ使われる
通常、加害者家族が出版した本の印税は被害者家族に支払われるのが一般的です。両親が出版した手記の後書きにも印税は被害者遺族へ支払う記載がありますが、実際には遺族へは支払いはされていないようです。
酒鬼薔薇聖斗と両親が出版した手記も事前に被害者遺族から了承を得ることなく出版をしています。表現の自由が許されている以上、出版を止めることは難しいことではありますが、事前に被害者遺族への了承を取るなどの配慮は必要です。
酒鬼薔薇聖斗の母親の印税7000万円の行方
被害者家族に支払われることのなかった7000万の印税は支払わない理由として当初は「弟たちの大学進学の費用にあてる」と言っていたそうですが、弟二人は大学には進学していませんので大学進学の費用にあてるというのは嘘になります。
実際には弟2人の大学進学の費用、手記の印税7000万円ですが両親は事件後離婚をしており手記は母親の名前で出版していますので、印税はすべて母親にわたります。母親は手にした印税で県外に豪邸を建築し印税の7000万円はその返済にあてたといわれています。
酒鬼薔薇聖斗母親がすべきだったこと
酒鬼薔薇聖斗の母親がすべきだったこととして「こうであれば事件は防げたのではないか?」という考えから、発達障害の診断を受けた時にカウンセリングに通うべきだったこと、愛情を与えるべきだったことなどをあげ、事件を起こさずにすんだターニングポイントを考えていきます。
酒鬼薔薇聖斗の発達障害に目を向けるべきだった
酒鬼薔薇聖斗は14歳のときに発達障害の診断を受けています。この時、母親は医師から「過度の干渉をやめること・少年の自立性を尊重すること・叱るのではなく褒めて育てること」と指導を受けていましたが、母親は「普通」だと言って酒鬼薔薇聖斗が発達障害であることから目を背けていました。
息子が中学校に入学したころ、母親は酒鬼薔薇聖斗の関係性が難しくなったと感じており中学校は児童相談所のカウンセリングを進めますが、母親は病院を受診させています。その後酒鬼薔薇聖斗が同級生を殴る問題をおこしたときに、再度中学校はカウンセリングをうけるように勧めますが、この時も母親はカウンセリング受けさせていません。
体面的な躾よりも愛情を与えるべきだった
酒鬼薔薇聖斗の母親は幼少期より、学校で恥をかかないようにと厳しいしつけをしてきました。年子の弟がいるため、母親の愛情を受けたのは1年半ほどだったようです。幼いころから厳しいしつけと母親の愛情不足により軽いノイローゼにもなったことがあります。
弟と喧嘩したさいにも長男だからという理由で酒鬼薔薇聖斗だけが叱られたりもしましたが、世間体や対面を気にするあまり厳しいしつけを行い愛情を注がないよりも、愛情を注ぎつつ当たり前のことを徐々に教えていくことが酒鬼薔薇聖斗には必要でした。
異常愛の兆候と向き合うべきっだった
神戸児童連続殺傷事件がおきる数年前から、酒鬼薔薇聖斗には行動や言動など異常な兆候がありました。しかし、母親はこのことから目を背け都合のいいように解釈をしたり、学校に抗議をしたりして目を向けることはありませんでした。
- 小学校の工作の際に粘土に無数のカッターの刃をさす
- 万引きをする
- 女の子を付け回す
- 校内で暴力事件などの問題をおこす
- 部屋の中に斧を置いている
- 家の床下に殺した猫の一部を隠す
- 部屋に何度もナイフを持ち込む
- 猫を蹴り上げたり殺す
このように、幾つもの奇行があったにも関わらず母親はそのたびに「悪い子にそそのかされた・女の子は口が達者・先生が厳しくするから、学校が嫌いだから・友達から預かった・どこかから猫が入り込んだだけ・うちの子はそんなことしない」など悪い考えを排除し都合のいいようにしか解釈していました。
酒鬼薔薇聖斗はサイコパスなのか?
酒鬼薔薇聖斗は、発達障害と言われていますがサイコパスという人もいます。では、発達障害とサイコパスはどうちがうのか。それぞれ全く異なるものではありますが、ここでは発達と障害とサイコパスについての紹介と違いについて紹介していきます。
酒鬼薔薇聖斗が診断された発達障害とは
先天的要因で脳の機能に問題があり、認知・社会性・衝動性等の発達が損なわれた状態で成長することです。アスペルガー症候群・注意欠陥多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)などの総称を呼びます。酒鬼薔薇聖斗は注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されています。
サイコパスとは
反社会的人格の持ち主を意味する言葉です。サイコパスは日本語訳では日本語訳は精神病質者と呼び精神障碍者と定義されています。特徴的な性格として、冷酷・無慈悲・良心の欠如・罪悪感の薄さがあげられます。
映画や小説などでは、異常犯罪者として取り上げられることが多いですが、実際に犯罪を犯すものは稀です。病名は反社会性パーソナリティ障害に分類されますが、確立された治療法はまだありません。
発達障害とサイコパスの違いは?
発達障害は、空気が読めないなどの人とのコミュニケーション能力が乏しかったりしますが、サイコパスは日常生活に支障はなくIQも高いことがありコミュニケーション能力に問題はありません。発達障害とサイコパスの一番の違いはこの点です。
酒鬼薔薇聖斗は発達障害?サイコパス?
酒鬼薔薇聖斗は、発達障害の診断ミスであるという見解もあります。動物を殺傷していたことからサイコパスの要因も少しありますが、忘れ物が多いなどの注意欠陥がみられたり、授業に集中できないなどの多動症の症状もあったことから発達障害や愛情不足からこの事件はおきたと考えられます。他の凶悪事件に興味がある方はこちらをご覧ください。
愛する者の死が事件の前兆となった
母親・父親ともに、両親から愛情を受けなかった酒鬼薔薇聖斗は両親の代わりに愛情を注いでくれた祖母を信頼して甘えていました。しかし、小学校5年の時に祖母が他界してしまい、祖母に飼ってもらった犬も中学に入るころに亡くなっています。
自分の大好きなものが次々と失われてしまったとき、酒鬼薔薇聖斗の行動や精神に影を落としてしまったことが酒鬼薔薇聖斗という人格を誕生させてしまったことは多少なりとも関係していることが伺えます。
死への関心
祖母と愛犬の他界前から、多少の問題行動はありましたが祖母と愛犬の他界後からナメクジやカエルを殺し解剖するようになり猫を10匹以上殺し頭部を切断するようになりました。祖母と愛犬の死をきっかけに死について強い関心を持つようになりました。
祖母と愛犬の死により、自分の安らげる場所・居場所ががなくなってしまった酒鬼薔薇聖斗は「死」への関心から自分よりも弱い立場の生き物である動物・少女・男児へと凶行をおこなってしまいます。
酒鬼薔薇聖斗の母親が違えば事件は起こらなかった!?
母親が違えば事件は起こらなかったというのは少々大げさかもしれませんが、幼少期からの母親の行動・言動などの数々の事柄から母親が酒鬼薔薇聖斗の人格形成に大きな影を落としているのは事実とも言えます。
もし、母親が違えば・もし母親が愛情を2人の弟と同じように酒鬼薔薇聖斗に愛情を注いでいれば・悪いことを見過ごすことなくきちんと咎めていれば・もし母親が世間体や自分の評価だけを気にせず酒鬼薔薇聖斗の行動に目を向けていればこのような残虐な事件は起らなかったと推測できます。
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