川に生息するカワイルカ|その種類と不思議な生態を詳しく解説

カワイルカは淡水域の川を中心に生息し、海に生息するマイルカ類とは異なった生態をもっています。弱い視力でどのように獲物を捕獲するのか?、なぜピンク色のイルカがみられるのか?など、絶滅の恐れもある謎のカワイルカの生態を解き明かします。

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自然科学を愛する主婦です。自然に囲まれた田舎に暮らしており、家族でウッドデッキを自作してBBQや燻製に挑戦しています。庭では家庭菜園をはじめ庭木の剪定など大忙しです。庭に野鳥を呼ぼう計画もスタートさせました!夫と1歳の娘、2羽の文鳥(白文鳥、ごま塩文鳥)と毎日楽しく暮らしています。

カワイルカとは?川に住むからカワイルカ?

みなさんはカワイルカという名前を聞いたことはありますか?海に暮らしている私たちがよく知っているイルカとは違い、淡水の川に暮らしていることからカワイルカと分類されています。この記事ではそんな彼らの生態やその興味深い秘密に迫っていきます。

カワイルカも元は海に生息

彼らの祖先はクジラでもともとは海に生息していました。彼らは次の項目でご説明する4つの亜科に大きく分かれます。その中でさらに細かく亜種に分かれるものもあります。

広々とした海を泳ぎ回っていただろう彼らがなぜ今は淡水域に暮らすようになったのでしょうか?そのわけは次にお話しする生存競争にありました。

海のイルカに負けて川へ進入

彼らの祖先であるクジラは約1500万年もの昔に海での生存競争に敗れたものだと言われています。

厳しい生存競争の末に、海で生きることを諦め、川へと逃げ込んでいったのです。そこで淡水でも生き抜いていける特徴を進化の過程で身に着け、淡水で生きるカワイルカとしてそれぞれの土地に定着したと考えられています。

海のクジラが川に居ついたという説も

生存競争に敗れて逃げた先が淡水域であったという説が有力ですが、河口に迷い込んでしまったクジラがそのままそこに居ついたという説もあります。いずれにせよ、海水の生き物が淡水へ移動したという大きな変革点があったわけです。

4科に分類されるカワイルカ

先ほどお話ししたように、彼らは4つの科に分けられます。このうちの3つは完全な淡水域で生息し、残りの1つは海水の混じる汽水息を生息地とします。

クジラを祖先としアジア、中国、アマゾンの順でカワイルカが誕生していったことが近年の遺伝子解析によって明らかになりました。我々がよく知る海のイルカの登場はそのあと誕生したと推察されています。

ここでは海を追われて河川に逃げ込んだからこそ持つ特徴やそのおもしろい生態に迫っていきましょう。

インドカワイルカ

学名はPlatanista gangeticaと表されます。その名の通りインドに生息し、亜種としてガンジス、インダスと冠する2つに分けられます。

それぞれその名の付く流域に生息しています。比較的生息数が多いですがネパールに生息するものに関しては20頭前後しかいません。

アマゾンカワイルカ

学名はInia geoffrensisです。アマゾン流域にのみ生息する固有の種となります。3500万年もの昔に生きていたクジラと同じ、また似た特徴を数多く有しているため生きた化石とも呼ばれます。

同じく生きた化石・シーラカンスについてはこちらをご覧ください

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