川に生息するカワイルカ|その種類と不思議な生態を詳しく解説

学名ははLipotes vexilliferとなります。こちらも固有の種で中国は揚子江にいます。白ヒレイルカや白旗イルカなどとも呼ばれます。紀元前3世紀の書物にはすでに彼らに関する記述があり、当時で5000頭ほど暮らしていたと考えられています。

中国では平和と繁栄の象徴の生き物ですが、急激な産業化・工業化に伴い汚染された河川の影響でみるみる生息数は減少しています。

ラプラタカワイルカ

学名はPontoporia blainvilleiとなり、南アメリカ大西洋沿岸に生息します。こちらの科のみ海洋と河口域を行き来することが知られており、一生を海洋へ出ず淡水域で終える個体もいます。

非常に静かに泳ぐため見つけることが困難であることも大きな特徴の一つでしょう。基本的には単独、あるいは小規模な群れで行動します。

カワイルカは海に生息するマイルカとどこが違う?

同じイルカの名前を持ちながら、海暮らすものとは違い特徴を持つといわれるとどのように違うのか気になってきたでしょう。ここからは彼らが海にすむものとはどのように違うのかを具体的に説明していきます。

体長最大はアマゾンカワイルカのオスで2.8m

まず気になるのは大きさの違いでしょう。こちらは海のものとさほど大きな違いはありません。水族館などでよく見かけるであろうバンドウイルカは体長2~4m。カワイルカたちも2~3mほどです。

小さい背ビレと大きな胸ビレ

泳ぐ場所が川か、海かによってヒレの違いは大きくなり、彼らは小さい背ビレと大きな胸ビレを持つことが特徴です。背ビレは小さなコブ程度しかなく、胸ビレは身体の割に大きくなっています。

川の底にいる生き物を捕獲するため波立たせず静かに泳ぐことが必要です。また広い海とは違い、障害物の多い入り組んだ地形を泳ぎ回るためにこのような形に進化したと考えられます。

細長い口先を持ち口を閉じても鋭い歯が見える

海に暮らすものよりもずっと細長い口を持つことも彼らの大きな特徴です。川の底に沈んだ泥を掻き分けて獲物を捕獲するためと考えられます。

口を閉じた状態でも歯が見える骨格をしており、恐ろしく感じる人もいるでしょう。

首を左右にも動かせる

水族館などのイルカショーで首を上下に振るかわいらしい姿を見ることもあるかと思います。左右に振ることができないのは脛骨の部分がくっついているからです。

一方でカワイルカたちは脛骨がくっついておらずフリーな状態になっているので左右にも動かせることができます。これはもちろん入り組んだ地形でも生き延びるために獲得した動きと考えられるでしょう。

流木や石などが多く転がっており、クネクネと蛇行するような泳ぎにくい川の中でもすいすいと進んでいけるように彼らの体はとてもしなやかで柔らかいのです。

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