「インド人を右に」とは?
「右に出るもの無し」って言葉がありますが、一体、インド人と、どういった関係があるのでしょう?普段、過ごしていてもインド人の方と会うことが少ないです。なぜ伝説となっているのでしょう。
ゲーム雑誌「ゲーメスト」に誕生した謎の言葉
1986年の創刊の「ゲーメスト」と呼ばれるアーケードゲームの攻略専門誌に、掲載されていた言葉です。「インド人は右に」という言葉が、攻略につながるのでしょうか?この時代はゲーセンでゲームするのも主流の一つでした。
1980年代は、雑誌が売れた黄金時代とも呼ばれた時代です。群雄割拠していた時代の1986年に創刊され雑誌では、いまでも残る「ファミ通」や「月刊アフタヌーン」などが創刊された年でもあります。雑誌といえばこちら!よろしければこちらも、一緒にご覧ください。
記事ではゲームレースのワンシーンを解説
掲載された記事は、1986年に稼働した「スカッドレース」と呼ばれる、4輪の車によるレースゲームの攻略方法でした。スカッドレースは「SEGA SUPER GT」とも呼ばれるゲームで、ポルシェやフェラーリといった、実車が収録されているのが特徴です。車といえば、こちらもいかがでしょう?
1986年には、ほかにも「ストリートファイターEX」が発売した年でもあり、「メタルスラッグ」の題1作が発売したのもこの年です。この時代のゲームを思い浮かべると、懐かしい思いがする人も少なくないでしょう。
コーナーリングのシーンで突然登場した
コーナーリングをする際のハンドリングと、アクセルワークのタイミングを解説した記事で登場しました。下記の引用だと、何のことか一切ワードが出てきません。当時のゲームの業界用語というわけではないです。ではどう言った意味なのでしょう。
「マシンが壁にぶつかってしまう!ここでハンドルを右に切ってカウンターステアにしてマシンの滑りを止め、アクセル全開にして左コーナーをドリフトしつつ曲がっていこう!」(引用:ニコニコ大百科(仮))
「くお~!!ぶつかる~!!ここでアクセル全開、ハンドルを右に!」(引用:ニコニコ大百科(仮))
ちなみに、「スカッドレース」はレーシングゲームですので、各コースを選択して、当時のゲームセンターにある大型の据え置きゲーム機でプレイしていました。今回の攻略は、コースの左コーナーをドリフトして抜けるための攻略でした。
「インド人を右に」は誤植から爆誕した
まさかの、誤植から生まれた言葉でした。予想外なこの出来事は、まるで市役所の漢字の書き間違いのように、世の中に広まっていく事になります。現在ではPCやチェック体制の発展により、誤植自体が聞きなじみがありません。一体何が起こったのでしょう。
記事作成前の走り書きがそもそもの発端
記事を書いた筆者は、手書きで原稿を提出したのです。それが綺麗とは言えない字でした。渡された印刷会社は、とまどいながらも必死に解読し、写植しました。それによって起こってしまったのです。
手書き原稿に書かれた「/lンド/レ」
「マシンが壁にぶつかってしまう!ここでハンドルを右に切ってカウンターステアにしてマシンの滑りを止め、アクセル全開にして左コーナーをドリフトしつつ曲がっていこう!」(引用:ニコニコ大百科(仮))
原稿にはこう書いてありました。「/lンド/レ」と書いてあったのです。まるで世間で話題になった、ギャル文字のような書き方です。それでは、先ほどの引用をご覧ください。一体何のなのでしょう?
読み間違えがそのまま記事に
「/lンド/レ」を見た印刷会社の担当者は、見た目を重視して、「インド人」と誤植してしまいました。そうして、左コーナーをアクセル全開で「インド人を右に」切ってからカウンターステアする攻略記事が出来上がったのです。
「インド人を右に」の生みの親「ゲーメスト」には数々の名誤植が!
一際話題になった「インド人を右に」でしたが、「ゲーメスト」はそれだけじゃない、名誤植の数々を世の中に送り出しました。当時の巷では、雑誌の内容だけではなく、誤植をイベントに出してしまうほど、大盛況でした。
面白い誤植で有名なゲーム雑誌「ゲーメスト」
本来のゲーム雑誌の意図が損なわれてしまうほどの、誤植が多かった「ゲーメスト」です。「誤植を撲滅する」と謳った記事の2行後には、また更に誤植が見つかるなど、「ゲーメスト」の醍醐味の一つにもなっていました。それによって愛された当雑誌は、わざと誤植し、見つけた読者にプレゼントを送った企画も実施されています。
インド人を右に以外にも様々な名誤植が生み出された
その誤植を一部を紹介します。「サターン」→「サチーン」、「満足度120%」→「溝足度120%」、「餓狼伝説」→「飢餓伝説」、「クイズDNAの反乱」→「クズDNAの反乱」などがあげられます。徐々に笑いがこみ上げて来るような誤植に、ついつい雑誌を見て探してしまいます。
インド人繋がりでストリートファイターに風評被害?
ストリートファイターといえば、格闘アーケードゲームで知らない人がほとんどいないほどの有名タイトルです。キャラクターは外国人をモデルにされています。その中にインド人キャラの「ダルシム」がいます。当時も大会などが開催されています。トーナメント表では、インド人を右にするのがいいでしょう。
2018年にも繰り返される「インド人を右に」
実は最近にも「インド人を右に」と似ている誤植が発見されました。誤植してしまった原因があるのでしょうか?現代において、誤植は本当に聞きなじみのない言葉です。まずはtwitterに挙げられたものを見てみましょう。
謎のメモ「インド人をキレイに」
ある車を運転する運送業関係のお仕事をしていた時の事です。メモ貼った当人は普通に仕事向かった朝に、後輩から言われました。「インド人をキレイに」ってなんですか?おかしいなと思った当人は写真を撮っておいたのです。
「ハンドル」を走り書きすると「インド人」になる
確かに「インド人はキレイに!!」って書いてあります。このようにハンドルを走り書きすると「/lンド/レ」になっているのがよくわかります。実際のハンドルが右に傾いているのは、後輩の配慮(悪戯)です。非常にわかりやすくなっています。
「インド人は右に」以外にも?
実は「ゲーメスト」以外にも2017年に発売されたバトルロワイヤルのゲームで、誤った記載がされているのが確認されています。こちらも「港」では有名な話ではありますが、1つ紹介させていただきます。
誤植で言えば有名ゲームでもある
現代のゲームでもありました。「Player Unknown’s Battle Grounds」PUBGと呼ばれるFPSゲームです。100人サバイバルで最後まで生き残った際に表示されるリザルト画面に「勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!!」と出てきます。
意味が分からないこの言葉に、発売当初は勝った喜びと供に、困惑したプレイヤーが多数いました。そして、「今日はドン勝を食うぞ」といって、100人の中で1位を取るという、難易度の高いミッションに挑んでいったのです。
海外発信のゲームだった。
PUBGの誤植の要因は、開発会社は韓国の「BlueHole」と呼ばれる会社です。この言葉は、日本語版に移植される際の誤訳で起きたことでした。開発者によると、意図的に誤訳したとのことで、英語訳だと「winner winner chicken dinner」となり、日本だとカツと勝つをかけたジョークだったのです。