アサヒガニの特徴
アサヒガニの見た目
カニとしては大型で甲羅の幅は15センチに達します。小さな棘に覆われている背面は赤褐色をしています。ドーム状に膨らむような形状で前半部が幅広くなっています。他のカニは腹部が頭胸甲の下に折り畳まれていますが、アサヒガニはそうではなく、腹部が歩脚の間に突き出ています。
アサヒガニの角や棘
両眼の間には三ツ又の額角(ひたいづの)があり、両目の外側にはギザギザの歯が3個あります。さらにその外側には三ツ又の棘が2本突き出ています。爪脚の全長も15センチぐらいで甲羅と同じくらいになります。
アサヒガニの目(複眼)は
前の方の縁部分には三節からなる眼柄(がんぺい)が伸びています。眼柄とは甲殻類などにある、頭部から伸びた柄状の部分のことです。その先に複眼(甲殻類や昆虫類などの目のこと)があります。眼柄は赤くなく、白っぽい色をしておりその先は茶色っぽい色をしています。
アサヒガニの鋏(はさみ)・脚
左右同じ大きさの平たい鋏部分は、その両方が内側を向いており、全体的には鎌形に見えます。歩脚は全てが平たく、ワタリガニなどの遊泳脚に似ています。これは砂に潜るのに非常に適しているようです。脚には甲・腹部と同じく褐色の毛が生えています。全体に生えているのではなく縁の部分に生えています。
アサヒガニの生態
アサヒガニの生態とは
歩脚で砂底を掻いて後ずさりするように穴を掘り砂に潜ります。そこから複眼だけを出した状態で砂の中にいます。名前に「カニ」とついており、間違いなくカニの仲間なのですが、他の一般的なカニのような横歩きができません。前と後ろに歩きますが前に進むことはほとんどしないようです。実は肉食で、貝類や様々な小動物を捕食します。
アサヒガニのオスとメス
オスとメスの違いはたくさんありますがまず一番わかりやすいのは大きさではないでしょうか。成体同士を並べて見てみるとメスの方がかなり小さく見えます。また成体のオスでは、三ツ又の棘が額角よりも前に伸びていますが、メスは額角より手前にあります。
アサヒガニの生息地
アサヒガニの分布・生息地
西はハワイ諸島から東はアフリカ東岸までと、インド太平洋の熱帯・亜熱帯の海域に広く分布しています。日本にも本州中部以南(相模湾〜九州・沖縄・八丈島)に分布しており、水深10メートル~50メートルの砂泥底に生息しています。