一方、ピトフーイの中には、人間を脅かすほど強烈な毒性を持つというズグロモリモズもいます。
なぜ種類ごとにこんなに差が出たのでしょうか?ポイントは「ピトフーイたちは生まれながらに毒を持っているわけではない」という点です。
エサの昆虫の毒を体内に溜め込んでいるため
当然生まれる疑問は「生まれつき有毒ではないなら、どうやって毒を持ったんだろう?」ですが、答えは、食べ物です。
ニューギニア島には強い毒性を持った昆虫が生息し、その虫を食べるピトフーイもそのまま毒を受け継ぐようになりました。逆に言えば、毒虫を食べていないピトフーイに毒が宿ることもないということです。
ピトフーイの毒は人も殺してしまう!
羽根一枚で人を死に至らしめることもできるピトフーイの毒。しかし、毒と言ってもその種類は様々です。
一体どんな名前の、どれほど強い毒なのか?よく知っていないといざ毒にかかってしまった時、対処法が分からず死んでしまう…なんてこともありますよ。
ホモバトラコトキシンという猛毒
この呪文のような難解な名前の毒は、ピトフーイ以外にはたとえばカエルの皮膚などにも宿っています。
運動機能や神経系に作用し、人を死に至らしめることもできる猛毒ですが、ピトフーイ自身はその影響を受けません。見た目によらずとても強靭な生物なのです。
フグ毒の4倍の毒性!
猛毒と言われてもピンとこないかもしれませんが、その威力はなんと河豚の4倍という脅威です。これはほんの数ミリグラムあれば生物を殺せる毒性です。
島民は経験則的にこれを知っていたため、他の鳥のように食べることはせず、毒矢などの狩猟に利用するなどしていました。
ピトフーイの毒を発見した経緯!身体を張って発見!
ピトフーイは近年まで有毒であることが知られていませんでした。ではなぜ、どういうきっかけで発見されたのか?
それはアメリカの大学が、ニューギニア島に伝わる「食べてはいけない鳥」を調査しようとしたことがきっかけでした。
指に怪我をしたことがきっかけ
調査のためピトフーイを捕獲した際、たまたま調査員が手を怪我してしまい、深く考えることなく傷口を舐めたそうです。すると舌に物凄い刺激が走り、調査員は飛び上がりました。
最初は何が原因かわかりませんでしたが、そうしているうちに「たった今捕まえた鳥せいではないのか?」と思い至ることになったのです。