お稲荷様とは一体どんな神様?祟りやご利益、その正体に迫る!

その中でも有名なのが、宇迦之御魂神です。古事記の中では、須佐之男命と神大市比売の子供ということになっていますが日本書紀では、イザナギとイザナミから産まれたとされています。有名な伏見稲荷大社にも、この神様が奉られています。

祈願できるのは五穀豊穣だけじゃない

実は、この神様に祈願出来るのは、農業に関することだけではないことをご存知でしょうか。商売繁盛や、産業の発展、所願成就のご利益もあるということで、ありとあらゆるお願いをする事が出来るのです。境内には狐の石像がある事が多いですが、その口元をよく見ると何かを咥えている石像もあります。

狐が咥えているものには意味がある

よく見るのは稲の束を咥えている狐の石像ですが、これは五穀豊穣を表しています。他にも、玉は宝玉を象徴しており所願成就、鍵は蔵の鍵の象徴として富の繁栄や豊穣、巻物は仏教の経典を表していると言われており、英知の象徴と言われています。

お稲荷様には裏の顔がある?神道と仏教で異なる顔

お稲荷様は、人々に豊かな食物を与えてくれる神様として崇められてます。しかし、実は優しいばかりではない神様も存在する事はご存知でしょうか。神社に祀られているイメージが強いこの神様ですが、仏教でもおこの神様を祀っている事もあるのです。宗教によって、どのように違ってくるのでしょう。

神道のお稲荷様は優しい

神道では、その名前の中に「稲」という字が入っている通り、豊かな穀物や食物をもたらしてくれる優しい神様であるとされています。時代が流れるにつれ、農作物だけではなく、商業・産業発展の神様としても崇められるようになり、国民に人気の神様となりました。

仏教のお稲荷様は怖い

仏教では「荼枳尼天」という神様を指します。元は印度から伝わった、ダーキニーという女性だとされています。血や戦いが好きなカーリーという恐ろしい女神に使えていたダーキニーは、人の肉を食べる魔女として恐れられています。日本では、鬼女や夜叉女とも言われ、祟りを起こす神として恐れられる事もあるのです。

どちらも共通点は眷属が「狐」

神様に遣える動物を眷属(けんぞく)と言いますが、どちらの宗教でも、狐を従えているという共通点があります。狐は農作物を狙うネズミを食べてくれるため、神道のお稲荷様に仕えるようになったとされています。また死んだ人間の肉を食べたり、未来を予知出来ると恐れられた狐が、荼枳尼天の恐ろしさと紐付けられたと言われています。

なぜ恐れられるのか

仏教のお稲荷様は、荼枳尼天(ダキニテン)と呼ばれ印度から伝わった女性がモデルとなっています。他の国では「天」の字は使わず、荼枳尼とだけ記されます。天の字を付けるのは日本独自の表記です。白い狐に乗り、剣や鎌、宝玉や稲の束を持った姿が描かれる事が多いです。

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