これが夢に出てくる男「THIS MAN」だ!
会ったことも写真で見た記憶も無い、全く知らない人が夢にでてきたことはあるでしょうか。夢とは記憶の整理であり、自分の記憶にないような存在は登場することはないはずです。そして夢は毎回脈絡がなく、だいたいは見るたびにその内容が変わるものです。ですから全く知らない人間が繰り返し夢に出てきたら、誰でもちょっと不気味に思うでしょう。
これは、会ったこともない男の夢を何度も繰り返し見て、しかも世界各国でたくさんの人が同じ男の夢をみていたという事件の話です。起こった事件の経緯やその原因について紹介していきます。
THIS MANの似顔絵
国籍や人種がわかりにくく、どこの国にもいそうな人相です。太くて濃い眉毛、薄い髪の毛、大きな口、やけにつぶらな瞳。パーツは特徴的ですが、それぞれのパーツが上手く調和しており、総合して見ると現実にもいそうな雰囲気になっています。
印象深いのにありえなくもない、そんな絶妙な顔だからこそ世界中でこの顔を夢に見た人が大勢いるのでしょう。
ニューヨークの女性の夢に現れる
発端はひとりの女性でした。精神科を訪れたその人は、医者に「夢に見知らぬ男が現れる」という相談をしました。夢の内容とは大抵の場合、起きてしばらくすると薄れてくるものですが、女性は似顔絵を書けるほど鮮明に男のことを記憶していました。そうして描かれたのが先ほどご紹介した似顔絵です。
次々と目撃者が
最初に相談してきた時点では、この事件はただストレスに悩まされた哀れな患者に安眠できる薬を処方すればよいだけの、よくある相談の一つでした。しかし数日後、今度は男性が同じ相談内容で精神科医の元を訪れました。まさかと思い夢に出てきた男の顔を描かせてみると、それはあの女性が描いた似顔絵と同じ顔をしていました。
その後も同じ相談をしてくる人は途切れることなくやってきました。これはおかしいと思った医者が最初の女性が描いた似顔絵をインターネットで公開すると、世界各国で同じ顔の男が夢にでてきたという報告が相次ぎました。
夢に出てくる男の正体を考察
アメリカ国内に留まらず、世界中の人の夢に現れた同じ顔の男は一体何者なのでしょうか。同じ男の夢をたくさんの人が見るということは現実的にありえることなのでしょうか。考えられる可能性をひとつひとつ挙げていきます。
精神的ストレスによってみるもの
言うなればこの顔は人間という生き物が想像する「不快感」の具現であるという説があります。ストレスを感じた人間の夢に出てくるストレスという概念を擬人化させた存在であり、強いストレスを受けた人間は本能的に夢にこの存在を登場させるのです。そしてそのストレスそのものから逃げたり、仲良くなろうと試みたり、殺害を試みたりと各個人のストレスへの向き合い方に基づいた内容の夢を見るのです。