西部劇の謎のコロコロはタンブルウィード!かわいいけど実はとっても迷惑な植物?

風に運ばれる火の玉と化したタンブルウィードがそのまま着地したらどうなるか、まさに火を見るよりも明らかです。不幸が重なってしまえば、悪意なく人命を奪いかねない危険な手段「放火による駆除」ですが、そうでもしなければ最低限の生活もままならない難しい問題を抱えているのです。

タンブルウィードを駆除しようとする試み

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驚異的な生命力と丈夫さで、着々と数を増やしつつあるタンブルウィードたち。しかし、増えすぎてしまったものは時として災害になりかねません。そんなタンブルウィードの脅威から生活を守るため、あらゆる国や機関が立ち上がり打開策を練っています。

ダニや菌類を持ち込む

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タンブルウィードの増殖を食い止めるべく、アメリカの科学者達は立ち上がりました。ロシア・ウズベキスタン・トルコなど各国研究者の協力のもと、最も実現に近い方法をついに見つけます。それは、タンブルウィードの元々の自生地に生息しているダニ、ゾウムシ、蛾や菌類などを持ちこむというものです。

人為的であったにせよ偶然であったにせよ、外国から持ち込まれたものは外国のもので決着をつけようという訳です。タンブルウィードを餌として食べる彼ら微生物の力を借りれば、根絶やしとまではいかずとも許容の範囲内に数を減らすことが出来るかも知れません。

アメリカ政府は許可していない

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画期的なように思える「ダニ・菌類による駆逐」を、なぜ今すぐにでも実行しないのでしょうか?それは、肝心の国のトップが許可していないからです。外来種のタンブルウィードを駆除するために外来種のダニたちが持ち込まれるという事は、つまり新たな外来種が増えるという事です。

日本でも、外来種のブラックバスが放流されたことにより在来種の生物が危機に瀕しているというニュースを見聞きしますよね。それと同じことを、アメリカ政府は危惧しているのです。とはいえこれ以上タンブルウィードを増やす訳にもいかず、板挟みな頭の痛い問題であります。

ちなみにブラックバスですが、生態系を脅かす存在として警戒されている一方、バス釣として釣り愛好者に人気を博しているのも事実です。またバスを使った絶品料理や、はたまた飼育まで様々な楽しみ方があります。タンブルウィードもいつか、人々を楽しませる存在になると良いですね。

人間を脅かす植物は他にもあった!

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大量の植物によるバイオハザードは、形は違えど私達の身近に溢れています。タンブルウィードが物理的な襲撃をしかけてくるのだとすれば、それらはナノレベルの世界で私達に牙をむくのです。それは「花粉症」。今や国民の3人に1人が何かしらのアレルギーを持っている時代、他人事ではありません。

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