マッドサイエンティストの意味は?実在した人物15人や映画キャラなどをご紹介!

漫画「鉄腕アトム」の天馬博士等は、その要素を感じやすいように思えます。亡くなってしまった息子を神から取り返し、二度と取られないようなものを造る。まさに神への挑戦ともとらえられる行動を起こしているキャラクターです。

自分の野望・欲望に忠実

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知的好奇心、お金のため、名誉のため等理由は様々ありますが、彼らはとにかくそれらを得るためならば手段を選びません。前述している内容と少し被りますが、彼らの前で倫理は無いも同然です。彼らにとって自分の野望や欲望以上に大切なものはありません。前述したジョン・ハンターや漫画「NARUTO」の大蛇丸らはこの要素を強く感じます。

彼らの倫理を忘れてしまうくらいその物事に夢中になれる好奇心と、良いか悪いかはさておき目的のために突き進む熱い情熱がなければ、この現代に登場することがなかったかもしれない技術もあるかもしれないと思うと少し複雑な気分になります。

マッドサイエンティストの性格的特徴とは?

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彼らの性格については漫画やアニメのキャラクターを見ていくととても分かりやすいです。マッドサイエンティストとして描かれているキャラクター達はまさにこれ!といったような特徴が見事に描かれています。ここではその特徴がわかりやすいキャラクターを紹介しながら掘り下げていこうと思います。

傲慢でとても自信家

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自分に出来ないことはないという根拠が無い自信…もしくは根拠は自分が天才だから!等出来ることを信じて疑わない強すぎるほどの自信。そしてそれを有言実行でやってのけてしまうキャラクターが多いです。マッドなキャラクターが様々な作品で人気を博す要因として、この性格であることも多いのではないでしょうか。その姿はもはや清々しい。

この性格の体現者ともいえるのが、MARVEL作品の誰もが知るヒーロー、アイアンマンことトニー・スタークではないだろうか。自信家で、金も地位もあるせいか傲慢で様々な問題をよーく考えると彼が問題の一端だったりもするマッドサイエンティストキャラによくある要素がたくさん詰まったキャラクターです。

子供っぽく、自分勝手

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自分が世界の中心といわんばかりの勝手気ままっぷりだが、子供っぽくなんだかドジで愛嬌もある。そんなキャラクターもいます。しかし子供っぽい思考をしているからこそ、子供らしい自由な思考で常識にとらわれないあっと驚く発明や思考が生まれるのかもしれません。

有名な漫画「Dr.スランプ」の千兵衛博士などはこんな感じです。すごい天才なのですがその才能を好きな人のパンツを見るために使ってしまうなど子供っぽい一面があり、自由な発想と目的でトラブルの種になることもままありながらも気ままに楽しそうに発明をしているキャラクターです。

実在したマッドサイエンティスト15人をご紹介

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性格や思考について理解を深めたところで、実在したマッドサイエンティストと呼ばれる人たちを見ていってみましょう。その突飛で破天荒な在り方に驚く一方、凄惨で狂気的な事件に恐れを感じてしまう。そんな鳥肌の立つエピソードが盛りだくさんです。

物理学者・ジョバンニ・アルディーニ

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カトリック教が主な宗教だったイタリアでは土葬が主だったせいか迷信として死者が地中から出てくるといったものが多くあったそうです。ジョバンニは迷信通りに遺体を起き上がらせようと遺体を使って様々な実験を行ったことで知られております。そして、彼は遺体に電気ショックを浴びせることで遺体を部分的にだが動かすことに成功しています。

今でこそ、人間は脳からの電気信号で筋肉を動かしているということが常識的な知識として世間で共有されていますが、彼の不気味なこの実験が行われていなければこの事実が現代で未だに発見されていないという可能性もあったかもしれません。

心理学者・ハリー・ハーロウ

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彼は20世紀前半に活動していた心理学者です。彼は育児放棄や虐待という痛ましい事件が増えてきた事を憂い、育児に必要なものは何なのかを科学的に解明し虐待を減らそうと考えました。そのため彼は人に一番近い動物、猿を使って研究を始めました。彼は母親代わりの人形を作り、その人形に様々な機能をつけ子猿が育つ経過を観察しました。

しかし、彼は苦しむ子供たちを救うためならば実験動物とされている猿達の犠牲は致し方無しという思考の持ち主で、実際に多くの猿達が彼の実験の犠牲となりました。そんな彼の思考は大きな非難を浴び、アメリカでの動物愛護の活動をより活発化させました。人間への愛ゆえの研究だったのでしょうが、その行動、思考はあまりに極端です。

外科医・ウラジーミル・デミコフ

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彼は第二次世界大戦期に軍医として活躍した外科医です。彼はというと犬を使って様々な実験をしていたというエピソードが有名です。双頭の犬を作る実験をしていたり、首だけの状態の犬を人工心肺を使って生かし続ける実験をしていたというサイコな部分が最も有名なエピソードとして語り継がれています。

しかし、実は彼はそれだけの人物ではありません。彼は今は一般的である内臓の移植。その技術の根幹となる部分を作った人物です。当時は有り得ないと言われていた技術でしたが、彼は秘密裏に実験を行なっており、犬での心臓、肺の移植に成功したという実績もあります。上記のエピソードはこれな過程によるものかと考えられます。

生物学者・イリヤ・イワノビッチ・イリコフ

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彼はソ連の生物学者で異種交配研究においては名の知れた研究者でした。彼が行った実験は、人と猿を交配して人間の知能、猿の運動能力を持った生物を生み出そうとしたもの。当時の支配者、スターリンからの命令と支援を受けアフリカまで飛びメスのチンパンジーに人間の精子を移植する実験を試みますが芳しい結果は得られませんでした。

母国に帰ってから、連れ帰ったチンパンジーを使い今度は逆…つまり人間の女性へチンパンジーの精子を移植しようと試みますが、連れ帰ったチンパンジーが病気で亡くなってしまいその計画はあえなく断念。結果を出せなかった彼はカザフスタンに罰として追放され、そこでそのまま心臓発作で命を落としてしまいました。

内科医・スタビンズ・フファース

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1804年医学生だった彼は黄熱病が感染症か否かを確かめる為にとんでもないことをしました。彼は、黄熱病の感染者と共に添い寝したり、嘔吐物や尿、その他様々な体液を身体に塗り付けたり煮詰めて臭いを吸引したりして自分に感染するかどうかを医者らしからぬ体当たりな方法で実験を行いました。結論はなんと彼は黄熱病を罹患しませんでした。

彼はそれを論文にして提出。なんと博士号までもらいました。しかし、今では黄熱病は蚊が媒介する感染症と解明されており彼は単純に運良く感染しなかっただけということが判明しております。幸運力が凄い。彼は論文で、自分が大丈夫だったから黄熱病はそこまで怖くないと論じており、当時の人は勇気付けられたのではないでしょうか。

精神科医・ロバート・G・ヒース

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心理学・神経学において目覚ましい功績を残し、さらに現在もニューオーリンズに有名大学として現存するテュレーン大学の精神医学部と神経学部を立ち上げた功労者でもある彼が、何故マッドサイエンティストと呼ばれてしまっているのか。それは彼の非人道的な実験方法によるところが大きいでしょう。

彼は脳に電極を刺し苦痛と快楽をコントロールする実験を行っていました。彼は同性愛者の男性に治療のためと銘打って電極を脳に埋め実験を行ったり、売春婦を雇い実験の一環として電極による快楽中枢の刺激と性行為を同時に行う実験等を行っていました。政府の援助を受けていたにも関わらず人体実験を行っていた故のマッド評価なのでしょう。

脳外科医・ホセ・デルガード

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彼の代表的な作品といえば「スティモシーバー」です。これは簡単に言うと脳に埋め込むチップで信号を流すことにより感情や肉体をコントロール出来るといったものです。さらに簡単に表現するなら洗脳が出来る装置とでも言いましょう。当然幾度となく批判され、「洗脳された」という妄想に憑かれた人物が彼を訴えるなど大きな事件となりました。

しかし、スティモシーバーは近年脳性麻痺・パーキンソン病といった病に有用性が見られることが発見され、ここにきて彼の評価がまた変わろうとしています。ですがやはり医学界でもこれを使うと他人に操られてしまうのでは?という偏見が後を絶たず治療への応用、実用化は難航しておりまだまだ彼の評価が変わるのは先になりそうです。

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