カニの甲羅の黒い粒々はカニビル!正体やおいしさとの関係、取り方までまとめ

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業者さんによれば、卵を取るには、タワシでゴシゴシと力いっぱい擦るのが一番無難で、手っ取り早い方法のようです。触れたくもない!というのであれば、ゴム手袋をして、削ぎ落し終えるまで耐えるしかありません。

カニビルの卵は包丁の先でこするのもおすすめ!

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こちらは少し時間がかかるかも知れませんが、包丁の先で卵の根元から削ぐ方法もあります。ただ、包丁での作業は危険を伴いますし、蟹の甲羅はなかなか滑りやすいので、ケガには十分気を付けたいところです。

カニビルの卵がついたまま調理してもOK

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さきほども触れましたが、カニビルが付いたまま、蟹を丸々茹でても、何の害もありません。味に影響も出ません。気になるのは見た目だけです。見た目が気にならないのであれば、そのまま調理してしまった方が良いでしょう。

ちなみに、アサヒガニという珍しい蟹の調理方法をまとめた記事もあるので、参照してみて下さい。

カニの食べてはいけない部分は?

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蟹の甲羅は硬くて食べられませんが、美味しい出汁を取ることができたり、蟹料理の器として使えたりと、幅広い活躍のできる部分です。蟹の部位で、食べてはいけない場所ってあるんでしょうか?ご紹介します。

「ガニ」は食べてはいけない!

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「ガニ」とは、蟹の甲羅の内側にある、三日月型をしたエラの部分を指します。この「ガニ」だけは、絶対に口にしてはいけないと言います。ガニにはあらゆる雑菌が付いており、非常に汚い部分なのです。

そもそもガニはマズイ上に、栄養もないに等しいです。そして消化しづらい部分です。万が一食べてしまったら、食中毒や腸炎ビブリオを引き起こすおそれがあるので、絶対に食べてはなりません。なお、十分に加熱してあれば無害です。

カニに寄生した寄生虫を食べ続けたら脳内に寄生虫が入ってしまった男性も!

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カニビルとは違う寄生虫ですが、カニビル同様にカニに寄生していた虫の話を紹介します。寄生虫は恐ろしいもので、時には人体に影響を与えてしまいます。民間療法にハマりすぎた男性の、実際に起きたお話です。

カニと共に寄生虫を生食し続けた男性の脳に寄生虫が…

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カニやエビなどの甲殻類を生で食べるということは、しっかりとしたお店で調理されていない限り、寄生虫を身体の中に取り込んでしまっている危険性があるということを忘れてはいけません。少し怖いお話にはなりますが、ご覧ください。

民間療法でカニを生食し続けて異変が起こった

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中国の四川省簡陽市に住んでいた男性、ヤン・メソッドさんは、長年リウマチに悩まされてきました。そんなときに出会ったのが、ある民間療法です。生の蟹やエビを酒に漬け、その酒を飲み続けるとリウマチが治るというのです。ヤンさんはそれを信じ、習慣にしていました。

診断すると脳内にカニの寄生虫が入りこんでいた!

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そんなある日、ヤンさんは病院にかかることになります。突然のめまいや口の渇きを風邪だと自己判断していたのですが、医師の勧めで検査をしてみると、脳内には数十匹にもおよぶ寄生虫がうごめいていたのです。ヤンさんは幸い、一命をとりとめました。信仰もほどほどにすべきですね。

カニに寄生する生物は?

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カニビルは甲羅を利用するだけで、蟹自体を宿主とはしていませんでしたが、ほかにも、蟹を頼りに生存する寄生虫は居るのでしょうか?蟹を宿主として生きる寄生虫に焦点をあてて、ここで少し解説を加えます。

「フクロムシ」という寄生虫

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フクロムシは、主に海に棲む「節足動物」を宿主とします。蟹に寄生するときは、お腹に張り付きます。そして徐々に神経を侵食し、蟹の行動をコントロールします。腹のフクロムシの卵を蟹自身の卵だと思い込ませ、育ててもらうのです。

オスの蟹を宿主にしていた場合は、フクロムシの力によって、どんどんメスの体へと変えられていくのです。蟹の体の栄養が少しずつフクロムシに取り込まれていき、蟹自身の生殖機能は失われます。最終的には、死ぬまでフクロムシの子育てをし続けるのです。カニビルがとても平和な虫に思えてきます。

カニビルは成虫も卵もいたずらに怖がらなく大丈夫!

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カニビルは蟹の甲羅に卵を産み付け、蟹の見た目をグロテスクなものに仕立て上げます。ですが、カニビルはまったく蟹に害を与えることはありません。もちろん、人体にも影響を及ぼすことはありません。

きちんと蟹を加熱調理していれば、カニビルを誤って口にしてしまっても大丈夫です。寄生虫が生きたまま人体に入ってしまうのは、食前に熱を加えなかった自分自身の不注意でしか起こり得ません。カニビルをそこまで怖がらずに、おいしく蟹をいただきましょう。

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