カニの甲羅の黒い粒々はカニビル!正体やおいしさとの関係、取り方までまとめ

ちなみに、カニビルの成体が蟹の体の内部へと入り込んでしまうことは絶対ありえませんし、前例も存在しません。蟹を食べながら、「あのおぞましい姿のカニビルの親が出てきたらどうしよう…」と考えてしまうのは、余計な心配です。

カニビルの卵は国産ガニでもロシア産ガ二でも付着!

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日本産のズワイガニでは、ついていない事の方が珍しく、実際に目にする機会も多いです。また、同じく岩場の少ないロシアの海で引き揚げた蟹も、日本産と同じような経緯で、多く付着するのです。

逆にカニビルがめったに付くことが無いのは、北朝鮮産だそうです。北朝鮮の近海には岩場が多い地形のため、カニビルがわざわざ蟹に頼る必要もないのです。また、市販の蟹だと、あらかじめ卵を削いで店頭にならべる良心的なお店も存在するようです。

カニビルの卵は食べても人体に影響はない?

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「寄生虫の卵」だと聞いてしまうと、気持ち悪くて口にするのは躊躇われます。それよりも気になるのは、これが寄生虫の卵であると知った上で、食べる選択をして大丈夫なのか?という点です。その疑問についてお答えします。

カニビルの成体も卵も食べても害は無い

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カニビルの卵や、卵から孵ってしまった成体は、一応口にしても問題はないです。問題がないとは言っても、それはきちんと熱湯で処理した上でのことで、くれぐれも生で食してはいけません。冷凍によっても死ぬと聞きますが、念には念を入れ、茹でましょう。茹でた蟹に付き続けているカニビルは、食べても問題ありません。

味はおいしくない・卵の触感はゴリゴリ

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気になるお味は…卵単体だと、言うまでもなく美味しくありません。食べられなくはないお味のようです。味付け次第で美味くなるわけでもありません。触感もゴリゴリとして、口当たりもよろしくない様子です。カニビルは食用として認識されていないので、食べるのは避けた方が無難です。

蟹を解体せず、甲羅ごとお鍋で調理した場合、その後の雑炊などで、無意識のうちにカニビルも口にして、堪能している可能性は無いとは言えません。どうしてもカニビルを口にしたくないのなら、あらかじめ甲羅を念入りに洗っておく必要があります。

カニビルの卵がついたカニは美味しいって本当?

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蟹の甲羅の黒い物体の有無、量が、ウマい蟹を見分ける目安になる!などの噂を聞いた方も居るでしょう。でも、どうしてそんな結論に辿りつくのでしょうか。ここでは、その噂は本当か否か、検討します。

カニビルの卵がついたカニは美味しいものもそうでないものもある!

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甲羅に卵がついた個体は、脱皮から長い時間を経た個体なので、身もギュッと詰まって美味しい…とよく謳われています。ところが、蟹の脱皮事情なんて、カニビルには関係ないので、卵をいつだって産むのです。でも蟹の味に影響は出ません。ウマい蟹もあれば、イマイチな蟹だって、当然あります。

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