菓子パンそっくりな海の生物「スカシカシパン」が可愛い!その正体は?

「スカシカシパン」という名前からは美味しそうなお菓子をイメージしてしまいますが、実は珍しい海の生物の名前です。なんと実際に菓子パンとして商品化されたこともあるほど、コアなファンが多い生物です。そんなスカシカシパンの生態や歴史についてまとめました。

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スカシカシパンって何?

声に出すとなんだか楽しくなってしまうような「スカシカシパン」という名前を、あなたは聞いたことはあるでしょうか?

それはどんな食べ物?それともどこかの地名?いいえ、その不思議な響きの正体は、海に暮らす生き物の名前でした。まずはスカシカシパンの基本を学ぶことにしましょう。

菓子パンのような海洋生物

このファンタジックな不思議生物がスカシカシパンです。フリスビーのような円盤型で、きれいな花模様が入っていて、そして身体に穴が開いています。

この生物はカシパン科に分類されており、穴部分を透かしに見立てたことから「透かしカシパン」と命名されました。見た目が菓子パンみたいにまんまるだから!…ということではないのです。

海外ではコインに見立てられる

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そもそもカシパンというのは和名であり、日本以外では通用しません。英名では「砂のコイン(sand dollar)」と、どこかロマンを感じさせる素敵な名で呼ばれています。

日本と趣は違うものの、どちらの国からもこの奇妙な生物への愛着が伝わってきます。

スカシカシパンの歴史

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江戸時代にはその独特な模様から、桔梗介、蓮葉介などと呼ばれていたスカシカシパンですが、その存在が学術的に認識されたのは1800年代に入ってからでした。

つまり、スカシカシパンという命名もその頃なされたということです。では、いったい誰が発見し、命名したというのでしょうか?

150年ほど前に発見される

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東京帝国大学(後の東京大学)が神奈川県に臨海実験所を設立した頃、地元漁師が海洋調査の手伝いを申し出ました。

彼は採集や操船に長けた名採取人であり、研究者たちが見たこともないような珍しい生き物を次々捕らえてみせました。そのうちのひとつこそが、スカシカシパンです。

名付け親は漁師

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その漁師は青木熊吉といい、22歳からの39年間、還暦を過ぎるまで海洋調査に協力し続けました。

また独特なセンスがあり、採取した生き物を自由な名前で呼んでいました。それがスカシカシパンです。青木氏のおちゃめで愛される人柄が伝わって来るようです。

スカシカシパンの正体は?

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海の生物といっても種類は多様です。ではスカシカシパンはいったいどこに属するのでしょうか?ヒトデ?海藻?まさかの魚?

実は、その見た目からは似ても似つかない、そして私たちがとてもよく知っているあの生き物の仲間だったのです。

実はウニの一種

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そう、あの黒くてトゲトゲで中身は高級食材の、ウニ(海胆)です。

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