牛鬼は現代にも実在する!古くから伝わる妖怪の姿とその生態

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巨大な蜘蛛の姿をした妖怪「土蜘蛛」は、しばしば間違われてきた妖怪です。

姿の違いを絵師による書き分けで分析してみると、土蜘蛛の場合、顔はトラの様になっている事がわかります。そのまま蜘蛛の顔を持っている作品もありますので違いと言えば、牛の顔ではないという点になるでしょう。

死の予言をする「件」

突然人の前に現れて、その人の死を予言する事で知られている「件」も間違われやすい妖怪として知られています。

人間の様な顔を持ち、身体が牛と言う姿をしています。死を予言するだけではなく、災厄の前兆とも言われているのが特長です。

牛鬼の手助けをする「濡れ女」

島根では濡れ女は牛鬼と関りがあるとされていますが、女性の顔に蛇の様な身体を持っていて人を食べる妖怪です。

浜辺に現れる事から、同じような場所で人を襲うとして同様に考えられているのではないでしょうか。

現在でも行われている牛鬼祭

祭りとしても名前が知られています。各地で行われていますが、多くの場合、東北や関東ではなく西日本が主な開催地です。

2日から3日続けておこなわれる祭りもある為、̪市や地区を中心とした大掛かりなお祭りである事がわかります。

愛媛県・宇和島周辺

もっとも有名な「牛鬼」のお祭りが宇和島周辺でおこなわれています。

市内中をパレードして歩き、踊りやパフォーマンスと共に楽しむ事が出来るでしょう。花火大会も開催され、大きなお祭りである事がわかります。

奄美大島

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奄美大島には八本の足と八本の尻尾、角を八本も持つ牛を農耕の神としてあがめる祭りがあります。

お祭りは2月と4月の二回おこなわれます。大きい祭りというわけではない為、あまり知られてはいません。

長崎県

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長崎にも名前は違いますが、宇和島でおこなわれている祭りと同じような内容の祭りをおこなう風習があります。

祭りの詳細は多少違うとは思いますが、獅子舞の様な形をしている被り物などを用いておこなうのではないでしょうか。

鹿児島周辺

鹿児島周辺の村では「海牛」という名前の怪物が海から出現し、人々を困らせるとされています。

出現する時期が決まっており、当日は海を避けて過ごします。祭りは祟りや畏れる気持ちを鎮めるためにおこなうのではないでしょうか。

年中行事は何のためにあるのか

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年中行事は、人々の「畏れ」を収めるために行われる様になったのではないかと考えられます。

疫病によって人が亡くなってしまう事や作物が不作である事を妖怪の仕業と呼んで納得させ、退治したり祀ったリして収めようとした、というモノが年中行事のはじまりという説があります。

海や浜辺にあらわれる妖怪

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他にも海や浜辺など、水のある場所に出現する妖怪は意外と多く、耳にした事がある妖怪もいるかと思いますが、あまり一般的ではない個体もいるのではないでしょうか。

いくつか紹介しますので、知識を深めるためにも、ぜひ参考にしてみて下さい。

船幽霊

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伝承には水辺に多く出没すると言われていますが、海に現れる「船幽霊」は海に深い関りがある事で知られています。

「船幽霊」はひしゃくを欲しがるお化けで、正体は海で起きた不慮の事故で亡くなってしまった怨霊です。ひしゃくを得ると海水をすくって船を沈めようとします。

磯女

磯女は「磯姫」とも呼ばれており、海に現れては人間を襲って血を吸うお化けです。

見た人は一瞬で死んでしまうという言い伝えもありますが、美しい女性の姿と蛇の様な身体を持っているとも言われています。伝承のある地域では、海岸で美女に近づいてはいけないと言われているほどです。

海坊主

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「海入道」と言う名前でも知られている妖怪です。漁をしている船を壊し、漁をさせない様にしてしまうお化けです。

大きい姿をしていると言われていますが、見ている側が見上げると大きく、見下すようにすると小さくなるという言い伝えもあります。

人魚

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童話にも登場し、日本だけではなく海外でも姿を目撃されているという「人魚」は、多くは美女の半身を持ち、足はなく魚の尾ひれが付いています。

日本の伝説では不老長寿の薬としても知られており、肉を食べた八百比丘尼の伝説は800歳まで生きたというモノです。

人間と関わりの深い妖怪は他にもいる

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人間に恐れられたり襲っている妖怪ばかりではなく、人間とかかわりを持っている妖怪も少なからずいる事をご存知でしょうか。

さまざまな伝承や物語に登場する妖怪をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

天狗

民間伝承としても有名な「天狗」は、長い鼻と赤い顔で背中には鳥の様な羽根があります。

もともと山伏だったり、カラスだったりと様々な存在が元になっていると考えられるでしょう。山で迷った人間をかどわかすと言われています。

なまはげ

ユネスコ無形文化遺産にもなった「なまはげ」も、古くから人に親しまれてきたました。

正確には鬼ではなく神として人々の前に現れる存在です。怠け者や悪さをした者の釈明を家人がし、お酒を振る舞ってかえって頂くというモノですが、なぜ鬼の様な姿になったのかは所説あります。

カッパ

川に出没し泳ぎは上手く、子どもの様な姿をしている妖怪です。頭の上には皿があり、亀の甲羅を背負っている姿で描かれるイラストは数多くある為、目にした事がある方も多いでしょう。

動物などを襲うと言われていますが、人間を襲ったという話はほとんどありません。

座敷童

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家に棲みつき、棲みついた家に富みを与えると言われている妖怪です。小さな子どもの姿をしていると考えられており、さまざまな物語に登場しています。

見ただけでも幸運が訪れると言われており、座敷童がいると言われている旅館は人気が高いと言えるでしょう。

妖怪・牛鬼はただの昔の言い伝えではない

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妖怪「牛鬼」についてご紹介しましたがいかがでしたか。姿を目撃したという伝承も残されていますが、エピソードの多くは「現象」なのではないでしょうか。

人が考えてしまう恐れを形にしたものが由来となって、名前を付けられ、伝承や信仰として残されているのでしょう。

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