この歴史的事件を受け、それまでブームになっていたとも言えるオカルト系番組に対し「オウム事件を誘発したのではないか」というクレームが連日入るようになりました。そのあおりを受け、TV業界は一気にオカルト系番組を自粛。キー局からはオカルトを匂わせるワードが一切消え、代わりに連日、オウム真理教を扱った番組がTV欄に並びました。
宜保愛子メディアから消える
宜保愛子の一番の売りはその霊視能力でした。オウム真理教を扱う番組に宜保が呼ばれるはずもなく、オカルト系番組が消える中で彼女の出演回数も激減。ここから、約5年間メディア露出から遠ざかることとなります。そして、フジテレビ制作のネプチューンの番組「力合わせてゴーゴゴー!宜保スペシャル強力版」が最後のTV出演となりました。
宜保愛子の死
メディアから遠ざかったものの、宜保を信頼し支持するファンの数は少なくありませんでした。しかし数年後、世間は宜保の急な訃報に驚くこととなります。そこには、発表された死因とは別の恐ろしい呪いの噂が存在しました。
宜保愛子の死因は「胃癌」
宜保愛子は2003年5月6日、胃癌により、入院先の病院で亡くなりました。激動の人生を駆け抜けた彼女は、享年71歳でした。意外にもこの時、彼女に批判的だった大槻義彦は「私は彼女の霊能力について疑問を抱き、検証、批判をしたが、彼女の人間性は評価していた」という旨の追悼の言葉を発表しました。
近親者のみでの葬儀
宜保の生前の希望により、葬儀は近親者のみで行われました。宜保のファン、支持者たちも参列したいと願いましたが、それは叶わずに終わります。あれほどの人気を博した人物があまりにもひっそりと送られていったことで、もしかしたら宜保の死には普通ではない何かあるのではないか?という噂が飛び交うようになりました。
まことしやかに囁かれる「かもめ荘の呪い」
宜保愛子は、生前長きに渡って膨大な数の心霊相談、霊視、心霊スポットへの訪問、除霊を行ってきました。その経歴と「ひっそりと行われた葬儀」というキーワードから、人々はもしや宜保の死因は胃癌ではないのではないか、何か霊的な力が働き、公に出来ない形で亡くなったのではないかと考えました。
例えば悪霊の力、祟り、呪い…そういうものに取り込まれてしまったと考えてもおかしくないのではないか?皆がそんな考えを持った頃、どこからともなく浮上したのが「かもめ荘の呪い」という言葉でした。
宜保愛子の死因とかもめ荘
宜保の死に浮かび上がった「かもめ荘の呪い」。あの宜保愛子を死に追いやったのだとしたら、それは相当に強い力であると言えます。かもめ荘とはどこにある、どのような建物なのか?また、その「呪い」とは一体どういうものなのでしょうか。
島根県「かもめ荘」の場所
かもめ荘は、島根県出雲市大社町日御碕(ひのみさき)にある巨大な廃墟で、日本屈指の心霊スポットと呼ばれています。昔は国民宿舎として賑わっていましたが、営業不振から閉館、その後取り壊しもされず今に至ります。現在は肝試し感覚で人々が訪れ、その内部は心霊スポットに付き物の落書きだらけです。
かもめ荘の呪い
かもめ荘は元々、肝炎や結核患者の隔離病棟だったという噂があります。また潮の流れの関係で、すぐ近くの海岸には漂流物が流れ着く場所があり、水死体が漂着することも珍しくないようです。この様な場所は、霊魂を含め様々な思念の吹き溜まりとなります。このことから、かもめ荘付近には無念を抱えた沢山の魂が漂っていると考えられます。
また地下には鉄格子、その奥に開かずの扉があり、そこに入った者はその後高熱にうなされた、いないはずの子供の声を何日も聞いた、との証言があります。霊は本来寂しがりや。病気で苦しみながら亡くなった者、冷たい海で溺れ死んだ者がかもめ荘という場所に集まり、今日もその絶望、悲しみ、生きている人間への恨みを抱え彷徨っているのです。
かもめ荘を訪れた1ヶ月後に宜保愛子死去
生前、宜保愛子は心霊番組の撮影でこのかもめ荘を訪れていました。漂う霊たちを除霊するという企画だったそうですが、そのあまりの多さに宜保は除霊を断念。「ここは本当に危ない」と言い残し、引き返したそうです。そしてその1ヶ月後、宜保はこの世を去っています。
多数の霊が集まると、その影響で太刀の悪い霊も新たに誕生します。この一連の流れから、人々は「宜保の死因はかもめ荘で悪霊に憑りつかれたことではないか」と考えました。そして「宜保愛子でさえ太刀打ち出来なかった」として、かもめ荘はより強力な心霊スポットと認知されました。
霊能力者も危険!かもめ荘以外の絶対に近づいてはいけない場所
かもめ荘を始めとし、全国には霊能力者でさえも危険な心霊スポットが数多くあります。それぞれに恐ろしいエピソードがあり、危険な反面、非常に興味深いものともなっています。ここではいくつかの心霊スポットをご紹介。また、訪れる際の注意点もまとめました。
福岡県「犬鳴峠」
犬鳴峠(いぬなきとうげ)は、福岡県の宮若市と糟屋郡久山町を跨ぐ峠です。宜保愛子も訪れたことがありますが、かもめ荘と同じく、身の危険を感じすぐに引き返しています。犬鳴峠には「写真を撮ると必ず何かが写る」「帰路で事故などに合い、無事に家まで辿り着けない」などの噂があります。
またこの峠には「犬鳴村」という集落があり、入口には「この先日本国憲法通じません」と看板が立てられています。犬鳴村は地図などの行政記録に記載がなく、電波は圏外。一説によると村人は外界を遮断し生活していると言われており、よそ者が来ると襲い掛かってくるのだとか。一度入ったら何があってもおかしくない、非常に危険な場所なのです。
東京都「吹上トンネル」
吹上(ふきあげ)トンネルは東京都青梅市にある吹上峠に位置し、関東最恐の心霊スポットと言われています。トンネルはいくつかありますが、危険なのは一番古い「旧旧吹上トンネル」。1958年、現在廃墟道と化したこのトンネルのすぐ手前の廃屋では殺人事件が起こっており、その被害者の霊が彷徨っていると言われています。
「白い服を着た女性の霊が出る」「トンネル内に複数の霊がおり、恐ろしい形相で追いかけてくる」「少女のすすり泣く声が聞こえる」「ここを訪れると、1ヶ月以内に不幸に見舞われる」など、恐ろしいエピソードには事欠きません。風水的にも最悪の場所であり、負の力の強い霊達の溜まり場となっています。
北海道「常紋トンネル」
常紋トンネルは、JR北海道石北本線、生田原駅と金華駅を繋ぐトンネルです。ここには元々「人柱を立て作られた」という噂があり、進んでも進んでも血みどろの男性が出てくる、常紋駅に配属されると不幸になる、駅員の身内が列車に飛び込み自殺した、と様々なエピソードがあります。
そして1968年、十勝沖地震によってトンネルの壁が損傷、なんとその中から大量の人骨が発見されたのです。その数100人以上。後に、これらはトンネル建設に関わったタコ部屋で、過酷な労働の中亡くなった人達だということが判明。中には撲殺の跡があるものもあり、人権を無視して殺された人達の魂が、未だ浮かばれず彷徨っているのです。
心霊スポットに行く時の注意点
上記のような心霊スポットへ行く際は「決して一人で行かない」「その場所の物を触らない、持ち帰らない、自分の物を落としてこない」「線香をあげたり、塩を撒いたりしない」「帰りは必ず寄り道をする」などに注意をしてください。一人で行けば危険時に助けを呼べなくなりますし、その場所の物と繋がることは霊との接点を作ることになります。
線香や塩を出せば、霊は自分達に関心があるのだと思い、ついてきます。帰りに寄り道をすることで、多少の霊は振り払うことが出来ます。宜保愛子でさえ、心霊スポットの力によりあのような結末を迎えてしまいました。皆さんが心霊スポットを訪れる際は、どうか最善の注意を払ってください。
ここまでご紹介した「犬鳴峠」「吹上トンネル」「常紋トンネル」について、もっと詳しく知りたい方はぜひこちらの記事をどうぞ。
また、心霊スポットへ行き体調が悪くなった場合はどうすればいいのか?覚えておいて損はない、霊障への対処法はこちらをご覧ください。
人気霊能力者たちのその後と現在
宜保愛子の能力、そして人気度の高さや亡くなるまでの過程をご覧いただきました。宜保が活躍していた当時は、オカルトブームだったこともあり他にも数々の霊能力者がメディア出演していました。今ではあまり姿を見なくなった彼らは、現在どのように過ごしているのでしょうか。
織田無道
宜保と同じく90年代に露出の多かった霊能力者ですが、オカルト番組自粛後、激動の人生を送っていました。2002年、織田は宗教法人の議事録改ざん、虚偽の登記変更の疑いにより逮捕、執行猶予付きの判決が下っています。また、2007年には格闘技イベントを開催、観客が集まらず、ギャラを踏み倒しています。
2009年にはテーマパークを経営、失敗し、従業員への賃金が払えず閉鎖。2014年には海老の養殖事業を始めますが、こちらも成功したとの話は聞きません。またその後は大腸がんを患い、現在は療養中。こんな破天荒な織田ですが、現在は奥様と仲良く穏やかに暮らしています。
細木数子
細木数子は占い師として六星占術を生みだし、またその毒舌と高圧的な態度で人気を博していました。メディア露出時から何かと話題に事欠かない細木でしたが、2008年より「充電期間」と称しレギュラー番組を全て降板。以降、TVには出演しないものの、CMや本の出版などは行っています。
2015年には東京神楽坂に4億円の新事務所を建設。また2017年にはなんと70億円をかけ、京都嵯峨野に隠居用の寺院も建設しました。そして同年久しぶりにメディアに登場しましたが、絶頂期に比べかなり痩せていたことから体調を心配する声が上がりました。そして2019年現在、養女の細木かおりを後継者とし、ついに現役を退きました。
下ヨシ子
宗教家でもあり僧侶でもあった下ヨシ子は、2000年に岐阜県の町営住宅におけるポルターガイスト現象を除霊したとして話題になり、メディアに登場し始めました。その柔らかい物腰と聡明さ、そしてTV番組で披露される霊視や除霊の実力に、宜保愛子を思い出した人も少なくありません。
下は元々宗教家であったこともあり、露出の減った現在も数々の書籍の出版、各地で霊的な世界に関する講演活動などを行っています。しかし、彼女の運営する肥後修験総本山にある「六水院」の評判はあまり良くなく、下自身も相談者から多額の金を騙し取ったとし、2012年には裁判で敗訴しています。
記憶に残る霊能力者「宜保愛子」
宜保愛子の数々の伝説、その稀に見る能力、そしてその穏やかで聡明な人間性が伝わりましたでしょうか。彼女は確実に、「霊能者」という一ジャンルに革命を起こした人物でした。彼女の残した言葉たちはファンのみならず、未だに人々を救い続けています。
見えざるものにも平等に優しく、威張ることなく、穏やかな物腰で見えない世界を紐解いてみせてくれた宜保愛子。彼女のような霊能者は、現代の日本に何人存在するのでしょうか。皆さんも、ぜひ今一度、彼女の当時の映像をご覧ください。新鮮な驚きに満ちたその魅力は、いつでも私達に宜保愛子という霊能者の面白さを教えてくれます。
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