モンクロシャチホコの生態とは?桜餅の香りで美味しく食べられるって本当?

モンクロシャチホコは桜の木に大量発生することで知られています。しかし、本当に有害なのか、果たして駆除すべきなのか、についての情報はあまり多くありません。この記事から、モンクロシャチホコの生態について詳しく理解しましょう。虫の画像もあるので苦手な方は要注意です!

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釣り具店勤務してました。エギングやライトゲームが好きです!
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モンクロシャチホコとは?その生態は?

モンクロシャチホコとはいったいどんな生き物なのでしょうか?この不思議な名前からはすぐにはイメージできないと思います。こちらは実はガの仲間。手始めにその生態と名前の由来についてご説明しましょう。

幼虫がシャチホコみたい

モンクロシャチホコという特徴的な名前は、幼虫がとるシャチホコのような姿に由来すると言われています。毛虫の区別はなかなか難しくても、そういうポーズをとっている虫を見たことがあるという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?よく桜に幼虫同士寄り集まってくっついているのでその印象が強い方も多いかもしれません。

人には害を及ぼさない

毛虫の中には、うっかりその毛に触れると皮膚がかぶれたりちくちくとした痛みやかゆみがでてしまうものもいますが、モンクロシャチホコは無毒です。見た目から怖がられてしまうこともありますが、人体には害を及ぼしたりしません。

桜の葉を食い荒らす

モンクロシャチホコの幼虫は8月~9月あたりの時期に桜の木を探すと、葉の裏などに幼虫同士密集して張り付いている姿を見つけることができます。

幼虫は桜の葉を主に食べて成長していきます。ナシ科バラ科などの葉も好み、樹木にとっては大きな損害を被ることもあるため、そうした意味では害虫とする向きもあるでしょう。

日本全国に生息

こちらは成虫の画像です。幼虫時代のチクチクイガイガとしたイメージとは異なり、どことなくかわいらしくも見えます。北海道から九州は対馬まで生息が確認されているため基本的には日本中で観察が可能です。

モンクロシャチホコの発生する時期とは?

一年間のうちにモンクロシャチホコを観察することができる時期は具体的にいつ頃なのでしょうか?その生態についての説明も含めながら、幼虫と成虫、それぞれについての発生時期をご紹介していきましょう。

年に1回発生

モンクロシャチホコは年に一回発生します。幼虫は8月~10月あたりまで発生し葉を食べて成長すると黒っぽくつやつやとしたサナギになります。こちらの画像はサナギの姿です。サナギは地中に潜っており、冬を越えやがて成虫へと変化するのです。

成虫は6,7月

成虫は体長およそ45から60mmほど。6~7月あたりの時期になるとよく観察されるようになります。成虫はたくさんの卵を葉の裏にまとめて産みつけます。幼虫がよく葉の裏にまとまっているのは卵の時期から一緒なのですね。

幼虫は8月から

こちらはまだ成長していないほんの小さな幼虫のころの姿です。幼虫は8月ごろから見られるようになります。主に桜の葉を食べて、やがて体長およそ50から60mmにまで成長します。

成長すると黒々とした硬いサナギになって、地中などあたたかい場所で冬を耐え抜き、やがて6月ごろにはまた成虫として地上で見つけられるようになるという一年のサイクルです。

モンクロシャチホコは桜の木にとっての天敵!?

人体に害はないとはいえ、葉をごっそりと食べられてしまう桜などの樹木からしてみれば、モンクロシャチホコは間違いなく厄介者であると言えるでしょう。こちらでは桜への食害についてもご紹介したいと思います。

枝を食害する!

同じ葉に大量の卵をまとまって産みつけられるということもあって、発生したモンクロシャチホコは群れのように大群で移動し、枝を端から端まで丸裸にしてしまうような、凄まじい勢いで葉を食べ尽くしてしまうこともあります。

それにしても、幼虫たちがぎっちりと集合している姿はかなりグロテスクに見えますね。一匹ではさしたる被害にもならないかもしれませんが、これほどまでの大群となると、樹木への食害はさすがに甚大なものとなってしまいます。

モンクロシャチホコは駆除すべき!?

モンクロシャチホコは駆除すべきなのでしょうか?この疑問については難しいところがあるのですが、あくまでモンクロシャチホコ自体は人間には無害という点を考慮して、目立った駆除が行われることはあまりないようです。

駆除に使う農薬の方が有害かも!

そうというのも、モンクロシャチホコ以上に駆除農薬の散布の方が人体やあるいは周辺の環境に影響を及ぼす可能性があるのでは?という懸念も少なからず存在しているためです。

しかし、リンゴやナシを育てる農家さんなどでは葉を食い散らかされると困るということもありますし、また、目に余る大量発生には駆除もやむを得ないというように、何事も状況や程度によるところがあると言えるでしょう。

桜にはもっと厄介な虫も!

地上波でニュースとなることもあるほど、近年桜への害において話題となっているのがクビアカツヤカミキリという昆虫です。このクビアカツヤカミキリは名前の通りカミキリムシの仲間で、首のあたりが赤くつやつやとしています。簡単にご紹介していきましょう。

桜を枯らせてしまう?

このクビアカツヤカミキリは外来種で、日本では東京都の他に数府県においてその存在が確認されています。この昆虫の厄介なところは桜や桃などの樹木へ害を及ぼすところ。特に幼虫が桜にとって本当に厄介な存在なのです。

クビアカツヤカミキリは樹木の内部を食害します。幼虫が樹木の内部を食い荒らしてすかすかにしてしまうため、倒木の恐れなども考えると人にとっても厄介な存在と言えるでしょう。食害を防ぐためにネットを幹に巻くなどして入り込めないようにするなど対応するのだそうです。

捕獲で報奨金が出る場合も

なんと、成虫の捕獲に対し、報奨金を出す団体や自治体もあるようです。ニュースでも取り上げられるとおり、それだけクビアカツヤカミキリが危険視されているということになるでしょう。興味のある方はぜひ調べてみてください!

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