まだ生きてる!?絶滅した巨鳥ジャイアントモアを徹底解説!写真や剥製も公開

ジャイアントモアには消化を助けるために石を飲む習性がありました。それらの石は胃の中で石同士の摩擦によって、食べたものをすり潰す役割を果たします。マオリ人はその習性を使い、モアたちに焼け石を飲ませて弱らせ狩っていきました。また、彼らにとって最も重要なあの脚を棍棒で叩いてバランスを崩すことで狩ることもあったようです。

補足になりますが石を消化のために飲み込む習性は現在でもダチョウなどにも見ることができます。また、恐竜のプレシオサウルスやブラキオサウルスなども同じ習性を持っていました。恐竜と鳥が同じ習性を持っているなんて、進化の道筋を感じますね。

繁殖能力の低さや環境の変化

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ジャイアントモアは一度に2〜4個の卵を産んだとされていますが、繁殖能力自体は高いとは言えませんでした。また、彼らの住処だった草原や森が開墾されていったこともジャイアントモアを追い詰めてしまった要因でした。

大人になるまで10年

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ロンドン動物学会のサミュエル・ターヴェイらは、モアの骨の中に刻まれた、木の年輪のような骨の成長の痕跡を発見しました。それが示すところによると、モアたちが生まれてから性成熟するまでには10年近くも要したということがわかりました。

現在生きている鳥たちは、モアたちに似たダチョウやエミューなども含め皆孵化から1年以内には大人になるというのに、この年数は驚くべきことです。大人のジャイアントモアがどんどん狩られてしまっては当然ながら卵は生まれませんし、成長までに10年もかかっては急速な減少を食い止められなかったのも残念ながら納得です。

ジャイアントモアはおとぎ話?

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今でこそ史上最大の鳥として名高いジャイアントモアですが、その存在が認められるまでには少々時間を要しました。初めのうちは誰もがジャイアントモアは単なる伝説の存在だと考えていたようなのです。それはなぜだったのでしょう。

17世紀にはもういなかった

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1769年、イギリス人探検家のジェームズ・クックがヨーロッパ人として初めてニュージーランドに上陸し、そこからこの地は捕鯨やアザラシ漁の補給地として利用され始めます。人々はマオリ人からジャイアントモアの話を聞きますが、既にそんな巨大な鳥はどこにもいませんでしたので、誰もそれが実在したと信じようとはしなかったのです。

ジョン・ハリスとリチャード・オーウェン

リチャード・オーウェンはイギリスの生物学/比較生物学/古生物学者です。1839年、ニュージーランドに住む引退した外科医ジョン・ルールからの手紙が彼の元に届きます。甥のジョン・ハリスがマオリ人から手に入れた15cmほどの骨を買い取ってもらえないかというものでした。

ジョン・ハリスはニュージーランド東海岸に住む、その地ではヨーロッパ人として初めての交易商で、その骨を手に入れた際、ニュージーランドのとある河口の泥の中から見つかったものだという説明を受けていました。

謎の巨大鳥類

オーウェンはこの骨を巨大な鳥類の大腿骨であるとしましたが、他の学者はそんな鳥いるわけがないと信じようとはしませんでした。しかし程なく他にもニュージーランドから箱いっぱいの正体不明の骨が続々と届くようになると、徐々にその骨格が復元されました。それは伝説とされていたジャイアントモアが、実在したと認められた瞬間でした。

恐竜という言葉を作ったオーウェン

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オーウェンは様々な生物の発見や分類において多大な功績を残しました。実は現在世界中で当たり前に使われている恐竜(dinosaur)という言葉を作ったのも彼でした。こちらではその恐竜からさらに分かれ、モアたちと違い空を飛ぶことを選んだ翼竜たちをご紹介しています。興味がある方はぜひご覧ください。

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