この世界は仮想?シミュレーション仮説について紹介!証拠から否定的意見も

これまで幾度となく議論されてきた“シミュレーション仮説”。それは「私たちが見ている世界は“仮想現実”なのではないか?」という驚きの仮説であり、哲学や物理学などさまざまな分野で語られているテーマです。この記事ではシミュレーション仮説について分かりやすく紹介。

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シミュレーション仮説とは?

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様々な分野で議論されている仮説についてご存知でしょうか。

その仮説とは、今見えているモノがもしかすると、誰かによって考えられた「作られた場所」なのではないか、もしくは何かの「シミュレーション実験」を行う場なのではないかという説です。何故そのような仮説が出来たのか、経緯や議論の内容についてご紹介します。

私たちが見ている“世界”は“仮想世界”?

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「もしも」の事の様に感じてしまいますが、見ている空間がバーチャルワールドであったならば、どのように感じるのでしょうか。

触れている部分や感じている事も仮に想像されたモノであったならば、今の暮らしが根底から覆される事になってしまいます。

高度な文明によってシミュレーションされている可能性

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地球上では知的生命体として生活している人間ですが、人間よりも高度な文明をもって生活している生命体がいるとしたらどうでしょうか。

高度な文明の力を持つ生命体によってワールドが作られたのであれば、人間の存在意義や、生き方についての研究、議論されてきた意味はどこにあるのか、という点についても考えていかなければならないでしょう。

哲学者ニック・ボストロムによるシミュレーション仮説

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2003年に世界中で議論を呼んだ衝撃的な論文が発表された事をご存知でしょうか。

オックスフォード大学の教授でもあり、哲学者でもあるニック・ボストロムが、我々はコンピューターシミュレーションの中にいるのではないか?といった仮説を発表しました。この説によって、様々な人々に「シミュレーション仮説」が知られるようになります。

高度な文明を持った個体群が存在するのではないか

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説の中では、自分達の様な人類が技術力を駆使しても、シミュレーションをする為の空間を作り出せるとは考えられないとし、我々人類の他にも高度な文明をもっている個体群がいるのではないかと提唱しています。

人類よりも高度な知的技術力を持った生命体や文明はあるのかは現在までに確認されていません。

発展した文明はシミュレーションを行う可能性があるのではないか

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発展した文明は、過去や人類の祖先について興味を持つ事もあるのではないかと論じています。

そのため、興味を持った対象、つまり人類をシミュレートしているのではないか、という事も考えられるという説です。社会的に見ても道徳的とは言えない方法ですが、あくまでも可能性のひとつとして挙げています。

人類もその1つではないか

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高度な文明や技術力を持つ者達が作り出した空間が、我々の様な人類なのではないかという事も説の中で述べています。

科学的技術の発達した今だからこそ、バーチャルワールドの創造が出来るようになった場合には、我々も模擬実験をする可能性もあり、自分達が仮想の中に生きている事を否定できないというモノです。

ニック・ボストロムが導き出した選択肢とは?

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論文に記載されている論述としては、大きく3つの主張に分かれており、模擬実験されている空間が本当にあるものなのか、この世がバーチャルであると主張するための3つの項目についてご紹介します。

①現実と区別ができないほどの世界を作れる生命体はいない

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我々人類の様な生命体が、現実と区別できないようなワールドを作る事が出来ないだろうという事を述べています。

現実の様な空間を作り出す事は難しく、その技術力にまで到達する事も難しいと言います。

②高度な技術を持っても何らかの理由からシミュレーションはしない

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現実的には不可能だと考えられるワールドを、作り出す事が出来る技術力を持っていたとしても、作り出す事に関心を持てないでいるのではないか、とも提唱しています。

それほど文明が発達していた場合、他の空間を作り出したいと考えるかどうかを疑問視しており、模擬的な検証自体をしない可能性もあるでしょう。

③私たちはもう既にシミュレーションの中にいる

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上記2つの可能性をふまえて、道徳観念や法的な観点から模擬検証をしてみるといった考えを生まないとしていながらも、過去や祖先に興味を持つなど、何らかの原因によって検証してみたいと考える事もあるでしょう。

この事から、実はすでに模擬的な検証装置として生きているのではないかと導き出されます。

世界がシミュレーションである可能性

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見えている現実が模擬実験場であるとするのなら、どのような可能性が考えられるのかご紹介します。

現実が真実ではないのでは、生きている意義を根底から覆される事になるでしょう。そういった事を頭に入れながら、「もしも」を考えてみて下さい。

未来人類の仮想現実

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もっと先の未来の人間たちによって仮想現実として作られた模擬実験場ではないかと考えるケースもあります。

高度な文明を持った別の種族ではなく、遙か未来の技術力で作られているのではないかとする説です。

夢という仮想現実

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空や海、周囲の人々は誰かの夢の産物であり、夢の中で生きているのではないかと言う事も考えられます。

夢を見ている時を考えてみると、自身が見ている夢のはずなのに、意識は自分以外のモノを操る事が出来ません。夢の中では夢自体が現実の様に考えてしまう思考はどこから来るのでしょうか。

ゲームキャラクターである仮想現実

VRゲームが登場してきた事もあって、ゲームワールドでキャラクターとして生きているのではないかと唱える人もいます。

ゲームキャラクターとして設定されているワールドを舞台にした物語なども数多くありますが、音声や感触、匂いまでも再現できるというのは、よほどの技術力を要するでしょう。

シミュレーション仮説の証拠?二重スリット実験

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量子力学について詳しい方の中には「二重スリット実験」をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

二重スリット実験は、目に見えない小さな電子を二重のスリットがはいった壁にあててみるとどうなるかという実験で、電子は粒であり干渉しあう波の様になって2本の筋ではなく何本もの濃さの違う筋が映し出されました。

証拠の1つとして挙げられる“二重スリット実験”

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実験の結果を受けて、電子が粒でもあり波でもあるとされた結果に異論を唱えた物理学者は多く、観測するポイントを増やして実験をする事になりました。

スリットと映し出す板の間にも観測ポイントを設置してみたのですが、結果は、観測ポイントを増やしたことによって影響を受けてしまい、正しい結果は得られなくなってしまったのです。

“観察”することで現れる現実

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観察するポイントを増やしたことに影響を受け、結果が変わってしまう事は「観測問題」として学者たちの間で議論され、その中でパラレルワールド的な解釈がなされるようになりました。

最も近い観測ポイントでも同じ結果にならないのは、分かれているために波の干渉がされないといったモノです。

私たちが“観察”することで世界は成り立っている?

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観測者がいるからこそ、成り立っているのだという解釈も有力で、観察している人間によって、別のワールドにある波は観測できないという考え方は、証明方法が全く見つかってはいませんし、想像もつきませんが、考えられるすべての可能性に説明が出来ます。

シミュレーション仮説にバグは存在する?

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