エンパスとは?日本人の5人に1人はエンパス?
“エンパス”という言葉をご存知でしょうか?社会的な知名度はまだ低いため、あまり聞きなじみのない言葉でしょう。エンパスというのは生まれながらの体質のことを言います。なんとその割合はなんと日本人の5人に1人!
その統計からすると、なじみのない体質ながら、意外と身近に存在します。では貴方はそのエンパスと呼ばれる体質なのでしょうか。一体どんな体質なのでしょうか?まずはその概要を解説致します。
エンパスは“エンパシー”と“力(ちから)”を組み合わせた言葉
その言葉は「empathy(共感、感情移入)」と「力」を組み合わせた造語で出来ています。意味はそのまま共感力・共感能力、といったところで、この言葉の通り「共感力が生まれながらにして高い体質」のことを指します。
エンパスとは共感能力が異常に高い特性のこと
特徴は先ほども書いた通り「生まれながらにして高い共感力を持つ体質」、無意識のうちにその力が発揮される場合もあります。他者の気持ち自分のことのように受け止め、行き過ぎればそれが元となり体調不良にまで陥ってしまうケースもあり得るのです。
誰かが体調不良になったと思ったら、周囲に同じような体調不良に見舞われる人はいませんか?こういったことは家族間で起きやすいのですが、友人や知人の関係性でも度々起きるなと思い当たる節があるのであれば、他者の身体的な痛みに引きずられやすい特徴に当てはまります。
割合は体調不良に表れることが多いですが、そのようなネガティブなケースに限らず、ポジティブなエネルギーであったり能力、更には他者の知職に影響される稀有なケースまで存在します。オンオフを自在に操れるようになると、その人生は豊かなものになるかもしれません。
“Empathy”にもその特性の意味が含まれている
また「empathy(エンパシー)」が元となっているということもその特徴を上手く表しています。「empathy」は他者の気持ち・感情をそっくりそのまま「自分のもの」と感じるという意味。よく似たニュアンスの「sympathy(シンパシー)」も同じく共感と訳されますが、「同情や思いやり」といった意味が強いです。
この「empathy」と「sympathy」の違いは、共感力の意味合い、ニュアンスを説明するわかりやすい例といえます。同情で胸が苦しくなる、相手の痛みを理解する、推し量る、寄り添うのは少し意味合いが違ってくるのです。
というと「synchronize(シンクロ)」と同義かと思われるかもしれませんが、これもまた違います。シンクロは「同時に示し合わせたように起きること」を言いますから、また意味合いが変わってきます。エンパス体質の共感力は、もっと厳密に意味合いを掘り下げていくと「共鳴・同調」が正解です。
エンパスの正体は?HSPやサイコパスとの関連についても紹介
しかし何度聞いても聞きなじみがない、と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?では逆の特性である「サイコパス」はいかがでしょう。聞いたことがある!と思われる方、いらっしゃるはずです。このセクションではエンパスの正体、サイコパスとの関連について解説致します。
エンパスは病気でも特殊能力でもない
まず勘違いされやすい部分が、それが精神疾患や特殊な能力からくるものではないかというところです。実際それは全くの見当違いで、単なるその人の特性のことを指しています。同調・共鳴といったワードからサイコメトラーのような能力を想像する方もいらっしゃいますが、それもまた違いますのでご注意ください。
エンパスとは体質です。色々なストレス、感情、雰囲気など様々なものに対し「感じやすい人」のことです。程度の差はありますが、その結果は主に体調に表れやすく、昨今よく言われる「生きづらい特性」のうちのひとつだといえます。
精神疾患のコタール症候群について興味のある方はこちらもご覧ください
エンパスはHSP(敏感体質)の一種
近年、発達障害やHSPなどの「生きづらい特性(病気ではないのでご注意ください)」がメディアで取りざたされ、その知名度は年々高いものになりつつあります。エンパスもこの特性に当てはまります。
このHSP(Highly Sensitive Person)は感受性が強かったり、他者のエネルギーを感じ取ってしまう特性があります。とここまで見ると、変わりのない体質と思われることでしょう。ではこの二つはどう違うのでしょうか。
これに関してはHSPという大きな項目に属しているという見解です。HSPの中でも、一層他者に影響されやすい性質がある人をエンパスと呼びます。しかしHSPの人は必ずしもエンパスではない、ということです。
もう少しわかりやすく説明すると「外部的な刺激(嗅覚・視覚・聴覚・味覚・触覚など)に対し影響を受けやすい人はHSP」で「自分や他者の内面的なエネルギー(感情・ストレス)に対し影響を受けやすい人はエンパス」です。
エンパスやHSPの割合
上記にも記したように、日本人の5人に1人、更にHSPの中での割合は4人に1人。決して珍しい体質ではないのです。日本人に多く見られるというのも、「場の空気を読む」といったお国柄が大きく関係しているのでしょう。
エンパスとサイコパス(精神病質者)は正反対?
上記で記した通り、サイコパスとの関連があります。というのもこちらサイコパスをご存知でしょうか?サイコパスの大きな特徴は「共感能力の欠如・低さ」です。共感力の高さを特徴とするエンパスとはまるで正反対の性質なのです。
更に関連性は感情へ対する敏感な体質です。共に特徴的な部分は相手を察する力。唯一の違いはその体質のベースです。エンパスはベースが共感性から成り、自らの心をすり減らすことを厭いません。
サイコパスもまた非常に細かく察する能力を有しています。しかしそのベースはサイコパス特有の「同情心・共感・罪悪感の欠如」です。サイコパスとは良心の呵責を感じることがなく、更に言えば罪悪感を抱くこともありません。これが極端になっていくと、シリアルキラーのような悪人が誕生するのです。
こうして比較してみるとよく似ていて、共通点である察しの良さに関しては互いに同等といっても差支えがないほどです。大きな違いは互いの体質、それも生まれながらの先天的な体質、ただそれだけなのです。
エンパスの特徴・その①人の感情や痛みが分かる
ではここからわかりやすく特徴をまとめていきたいと思います。先ほども書いた通り、敏感に相手の感情をくみ取るといった部分をさらに深く掘り下げて解説していきますので、自分はエンパスなのか、違うのかを是非検証してみてください。
直感的に人の感情や思考を読み取ることができる
先ほどのサイコパスとの比較を思い出していただきたいのですが、双方とも「察する」といった特徴があったのを覚えていらっしゃるでしょうか。様々な情報から読み取るのではなく、彼らは直感的に相手の気持ちに気付いてしまうのです。
話す前から言いたいことが分かり嘘も見抜ける
何となく、と彼らはその言葉をよく使っては、相手の嘘を暴きます。しばしば相手を見て考えていること、言いたいことを察する力を持っていて、それが相手の嘘であったり、はたまた切り出そうか否か迷っている話題だったりするのです。
話題を出す前に察して事前に準備してくれていたり、今日はあれが食べたいなといった気持ちを察してくれたり、そういった状況に覚えがあるのならば、その相手がそういった体質である可能性が高いでしょう。
人の身体的な痛みが移ることがある
またこちらもすでに書いていますが、相手の感情に影響されすぎるあまり、それがあたかも「自分の痛み」だと思ってしまうケースがあります。どこまでの痛みを伴うか、程度の差こそありますが、よくあるケースといえます。
相手が泣いたり怒ったりすると自分も同じような感情になる
こちらも痛みのケースによく似ています。こちらは感情の共鳴のケースで、相手の感情を察するわけではなく、相手の感情を自分にくっつけて「自分の感情」だと思ってしまうのです。周囲の感情に引きずられやすいタイプなど、まさにこの典型といえるでしょう。
相談を持ち掛けられることが多々ある
この体質の方は相手を思いやり、察する力に長けています。またその「共鳴」のために他者の悩み事に本気で悩み、心配をし、涙をすることがあります。その優しさのため様々な人に相談役として慕われやすいのです。
エンパスの特徴・その②疲れやすく人混みが苦手
いかがでしたか?書いた通り、日本人に5人に1人の割合で存在するので、決して少ないとはいえません。周囲に覚えはあったり、自分に覚えがあったりと様々でしょう。次は少々ネガティヴな特徴を紹介致します。
表情や身振り手振りから知らぬ間に意図をくみ取ってしまう
無意識に察する力が高いことを紹介致しましたが、勿論表情からも、更には身振りも併せて敏感に感じ取ります。嘘をつくときの癖や言葉の癖などに気付きやすい人に覚えがありませんか?気付かないようにしていても、無意識のうちにその意図をくみ取ってしまうのが特徴です。
人の感情の変化に気づきやすい
人は基本的に、他者の言葉に気分を害したとしても、それを表に出すことはあまりありません。特に日本人はこういった「外面」というものに敏感です。にも関わらず、相手のちょっとした仕草や雰囲気ひとつで「相手の気分を害した」と敏感に気づいてしまった経験はありませんか?
誰と一緒にいるかによって自分が変わることも
では、自分の評価について、全く真逆のことを言われた経験はありませんか?その場合、よく似た評価をされた人が近くにいるのではないでしょうか?「共鳴」のケース、感情の共鳴で周囲の人の感情や性格に影響されやすいところも、特徴の一つです。
親しい関係性になることが苦手
面倒ごとに巻き込まれやすい、人の感情に気付きやすいために振り回されやすい、人の顔色を窺いすぎるなどの特徴を持つHSP、特にHSP由来の外的刺激に敏感なエンパスは人づきあいが苦手。親密な相手を見つけることが困難で、いつもどこかしらで我慢を強いられます。
“音”や“ニオイ”に敏感
これは特にHSPの要素が強いです。HSPは五感(聴覚・視覚・嗅覚・触覚・味覚)が過敏であり、HSPの中のエンパス体質も例にもれず、これに当てはまります。聴覚過敏など割とメジャーな言葉ですので聞いたことがあるのではないでしょうか?
胃や腸が弱く体調を崩しやすい
ストレスで胃腸が悪くなる人は決して少なくありません。ストレスを抱えるエンパスの多くがこの症状があてはまります。またこの胃腸の裏側にも影響が出ることで腰痛が現れる場合もあります。心のケアも大事ですが、体のケアも怠ってはならないのです。
エンパスの特徴・その③予想外の事態が起こると不安に
この体質の特徴のひとつに、「イレギュラーな事態が起きると混乱してしまう」というものがあります。また競争しなければならない場面であったり、物事がどんどん進んでいく場面では神経が高ぶることも。こちらでは予想外の事態について解説致します。
日常に変化が起こると混乱してしまう
日々の暮らしの中で変化が起きると混乱してしまうことがあります。これはエンパスに限らずHSPの特徴ともいえます。元々あらゆることに過敏な体質だということも相まって刺激となり、不快感が増すのです。
競争させられると緊張して本来の力が発揮できない
元より競争が苦手な人はたくさんいますが、この性質はこの体質にとって物凄く強いもので、場合によっては感情の高ぶりが体調にもろに出てしまうことさえあるのです。また競争というのは相手を押しのけていく気概が重要ですから、かなりストレスになるのです。
たくさんのことが一気に起こると不快な気持ちになる
過敏に色々なことを察知する性質から、ひとつのことに集中しがちで、周囲でたくさんの出来事が起きるだけでかなりのストレスを感じます。またHSPゆえの五感の過敏も相まって耐えられないほどの苦痛や不快感を覚えます。
エンパスの特徴・その④自分から変化を起こすのは好き?
さてここまで「人の好さ」についてフォーカスしてきましたが、その心の中に全く違う感情が渦巻いていることにも言及せねばなりません。常に頭の中で二つの対立した感情が、頭の中で議論を繰り広げ、それがエンパス体質の人を疲れさせる原因となります。
その正反対の感情は自己犠牲と正反対の「解放されたい、自由でありたい」という気持ちが強いです。心の奥ではもっと勝手気ままに生きていたいと考えながらも、実際は誰かのために自分をおざなりにしがち。そんな彼らの好む変化の一例を解説致します。
突発的に無計画な旅行に出ることが好き
先ほど「イレギュラーな事態が起きると混乱してしまう」と記しましたが、同時に渦巻く正反対の感情として「刺激がないと退屈」だと思っています。その最もたる例として突発的で無計画な旅行うが挙げられます。
またこの体質は総じて自己犠牲の精神が強く、長いこと自分の心も体もおざなりにしがちです。それにうんざりしてくると、ある時突然「自分探しの旅」といってどこかへふらりと行ってしまう場合もあります。少しずつでもこうして自分から刺激を起こすことが大切なのです。
時間や規則に縛られず自由でいたい
上記の「無計画の旅行」と同じ要素です。自信を開放したいという気持ちから、はじめに時間や規則に意識が向きます。それは日常で一番身近な拘束だからです。集団で生活するためには絶対必要な拘束だからこそ、余計に鬱陶しく思うのでしょう。