ネフィリムとはどんな存在なのか?
ネフィリムとは旧約聖書に登場するある種族の名前で、一般的には巨人の一族とされています。この後の記事でどんな存在でどういった経緯で生まれたのかを解説します。
旧約聖書に登場する巨人
ネフィリムは『ネピリム』とも言われていて、名前は「天から落ちてきた者達」という意味があります。
この呼称は複数形を指す言葉で、単体を指す場合はネフィルと呼ばれます。
堕天使と人間の間の子供
ネフィリムは一般的に堕天使が地上に降りた来た際に人間と関係を持ち、人間との間に生まれた子供だと言われています。
その体は巨大で地上で暴れまわったとされています。またその存在を超人とする説もあります。
様々な書物に登場するネフィリム
ネフィリムは旧約聖書に最初に登場し、その後も様々な書物で語られています。出典によってその成り立ちや性質に差異があります。
創世記
創世記は古代ヘブライ語で記されたユダヤ教やキリスト教の聖典で、イスラム教の啓典である聖書(旧約聖書)の最初の書でもある正典の一つです。
創世記の第6章1~4節には、地上に人が増えてると娘たちが生まれました。神の子らは人の娘たちが美しいのを見て、それぞれが選んだ娘を妻にした。これによって神の子たちと人間の娘たちの間に誕生したとされていて、彼らは太古の高名な英雄たちであったと言われています。
民数記
民数記とはモーゼ5書の中の一書とされていて、伝統的に四番目とされています。イスラエルの人口調査に関連する記述があることから、民数記という名称になったとされています。
ヨベル書
ヨベル書はヘブライ聖書の書物のひとつで、創世記の時代の出来事が記されています。ヨベル書を正式に聖書として認めているのはエチオピアのユダヤ教徒とエチオピア正教会のみです。その他のほとんどのユダヤ教とキリスト教においては、偽典として扱われています。
7:21~23によれば、巨人たちが人の娘をめとりネフィリムが生まれ、共食いや同族同士で殺しあったと言われています。
第一エノク書
エノク書または第一エノク書は、紀元前1~2世紀頃成立と推定されるエチオピア正教会における旧約聖書の1つです。エノクの啓示という形をとる黙示とされています。
第一エノク書の7章では地上に降りて人間の娘と交わった天使たち(グリゴリ)によって生まれました。体長は1,350mもあり、人間達や動植物を食べつくすと共食いを行った言われています。
ネフィリムは邪悪な存在だった?
その強大な体と力を駆使して地上で暴れまわったとされています。その脅威な力は地球上の多くの生命を脅かしました。
その巨体で地上の食べ物を食べつくした
その巨体で地上の食べ物や動物、人間などを食べつくし地上は地獄絵図と化していました。地上の食べ物を食べつくし、食べるものが無くなると同族で共食いを始めたとも言われています。
地獄絵図について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
神の怒りを買ってしまった
地上の食べ物を食べつくし、生きとし生けるものの命を脅かし続けた結果、神の怒りを買ってしまいました。
元々堕天使との間に生まれた存在ですが、欲望のままに生きた代償を払うことになりました。
ネフィリムは大洪水で一掃されてしまった
地上で欲望のままにその強大な力を奮い、あらゆる物を食べつくしました。その結果神の怒りによって、種族は地上から一掃されてしまいます。
『ノアの箱舟』の大洪水で流されてしまった
旧約聖書に登場するノアの大洪水が神によって引き起こされました。大量の水が地上を覆いつくし、あらゆる生命を押し流しました。
ネフィリムも例外ではなく、大洪水によって一族は根絶やしにされてしましました。
『ノアの箱舟』はどんな話?
ノアの方舟は旧約聖書の創世記の6章~9章に登場する大洪水にまつわるノアの方舟の物語です。善良なノアに神が箱舟の建設を命じ、ノアの家族と動物のつがいを乗せ邪悪な存在を洗い流す大洪水から逃れます。
洪水が収まり世界が平和になるとノアは鳥を放つと白いハトがオリーブをくわえて戻ってきたとされています。白いハトに興味がある方はこちらの記事をご覧ください。
ネフィリムは滅ぼされ平和になった
ノアの大洪水以降は、邪悪な存在は地上から一掃され地球は一度リセットされました。
その後は箱舟に乗った善良な生命だけが生き残り、世界は平和を取り戻した。
ネフィリムは本当に実在したのか?
伝承の中の存在であるネフィリムですが、本当に存在したのかは謎な部分が多くあります。
しかし、巨人が存在した可能性は否定できなともされています。
人間が巨大化した姿だった可能性
堕天使と人間の間に生まれた子供とされていることから、突然変異で巨大化してしまった人間だという可能性があります。
現在でも巨人症といってホルモン分泌の異常で、四肢が通常の人よりも長くなる場合があります。日本では2㎝以上を基準にしていますが、世界の記録によれば274㎝の人もいました。
巨人の骨が発見されたとも言われている
ネフィリムは大昔の大洪水でその存在を一層されてしまいました。
しかし、世界各地で巨人と思われる謎の骨が数多く発見されています。
世界各地で伝承が残されている
彼らは旧約聖書にによって伝承されていますが、世界各地にも同じような巨人の伝承が数多く存在すします。
偶然というにはあまりに世界各地に伝承が残っている為、太古の昔は巨人が存在していた可能性が大いにあります。
人類が小さかった可能性もある?
一般的には巨人と言うととても大きい体をしている種族を指します。しかし、巨人は人類を基準にした場合にそれより大きい人を指す事から、人類が小さかった可能性もあります。
小人症
低身長をきたす様々な疾患を総称して小人症と呼称されています。
身長が著しい低身長であり本人の希望があるか、もしくは重大な疾患を合併し治療対象となる場合に小人症と呼ばれる。身長の低い種族に突然変異で大きな人間が生まれ巨人として伝承された可能性もあります。