無実の罪で斬首刑となったアン・ブーリン|強く生きたその生涯をご紹介

アンブーリン個人の肖像画にはほとんどと言っていいほど、その胸元にBという文字とパールが輝くネックレスが描かれています。このBは自分のイニシャルであるブーリン(Boleyn)の意味を持っていました。

テューダー朝時代、個人のイニシャル入りの装飾品を身につけることはとても人気があり、ヘンリー8世も自身のイニシャルのブローチを持っていたと言われています。アンの死後、彼女の持ち物は処分されるか娘のエリザベスのものになるかだったようですが、このネックレスは未だに見つかっておらず、その行方は謎に包まれたままです。

あの有名ブランドもアンブーリンをモチーフにした?

この春有名ファッションブランドBalenciagaは、アンブーリンが身につけていたものとよく似たネックレスを発表しました。この時彼女を思い起こしたファッション関係者は少なくはなく、アンの伝説は生き続けている、と人々は言いました。たとえこの新作ネックレスのBがブランド名BalenciagaのBだったとしても、と。

アンブーリンの登場する映画とは?関連作品について紹介

Free-Photos / Pixabay

波乱含みの生涯を送ったアンブーリン。彼女は現在まで映画の題材として幾度も取り上げられています。ここからいくつかご紹介していきたいと思います。気になる作品があった方はぜひご覧になってみてくださいね。

ヘンリー8世とアンブーリンの愛憎劇『1000日のアン』

Amazonで見る

はじめにご紹介する作品は1968年の『1000日のアン』。この作品でアンを演じたジュヌヴィエーブ・ビュジョルドはアカデミー主演女優賞にノミネートされました。ヘンリー8世を演じたのはリチャード・バートン。2人の白熱の演技は必見です。

アンブーリンとその姉妹について描かれる『ブーリン家の姉妹』

ブーリン家の姉妹 Blu-ray

Amazonで見る

2008年に公開されたこちらの作品は、同名の小説を原作としており、アンブーリンが姉、姉妹であるメアリーが妹として描かれています。先ほどメアリーが先にヘンリー8世の愛人であったとお伝えしましたが、この作品ではメアリーとアン、それぞれのヘンリー8世への愛の形が描かれています。

彼女たちを演じるのはスカーレット・ヨハンソンとナタリー・ポートマン。2大女優の迫真の演技が光る大変見応えのある作品となっています。衣装など美術面も素晴らしく、こちらも要チェックの作品です。

まさかのあの映画に肖像画が?!

実はアンブーリンはある映画にこっそりと登場していました。それはまさかのハリー・ポッターです。彼女の肖像画が魔法学校ホグワーツの壁に飾られているシーンがあるのです。先ほど彼女が処刑された罪状のひとつが魔術であったとお伝えしましたが、そこからきているようですね。イギリスなりの彼女に親しんだユーモアであると言えるでしょう。

アンブーリンに関するオペラがある!

ガエターノ・ドニゼッティ作曲のオペラである『アンナ・ボレーナ(Anna Bolena)』は、アンブーリンと、ヘンリー8世の3番目の妻となったジェーン・シーモアに関する作品です。1830年の12月26日に初演されてからというもの、一時期上演が減った時期はあったものの、現在に至るまで名作として上演され続けています。

アンブーリンの演劇もある!

2010年7月24日に披露されたハワード・ブレントンによる戯曲『Anne Boleyn』。こちらも人気を博して何度も再演されています。また、イギリスのThe Queen Mother Theatreという劇場では、今年の6月17日から22日まで上演されることが決定しています。

6月にイギリスへ行く予定がある方、または今回の記事で彼女に興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。役者たちによって蘇る、彼女のリアルな魅力を感じられることでしょう。

NEXT 見限られ斬首刑となった悲しき王妃アンブーリン