ショアジギングでショックリーダーが必要な理由は?
ショアジギングで主に使用されているラインはPEです。これは①ナイロンに比べて強度がある分、細い糸を使える。②細いとたくさん巻ける。③細いと遠くに飛ぶ。しかもナイロンに比べて伸びないので、④糸がふけにくい。(たるみにくい)⑤ジグの操作性が高い。という利点があります。
ショックリーダーの目的は根ズレ、バラシ、事故防止
一方でPEは擦れに弱く根(岩礁など障害物)や、シーバスのエラ洗いやルアーに食い付くフィッシュイーター(魚を食べる魚)の鋭い歯で切られやすいのです。PEに直にルアーを結ぶとガイド(ロッドに付く糸を通す輪)とこすれて切れ、ルアーがあらぬ方向に飛んで事故を起こすこともあります。それらをすべて防ぐのがショックリーダーです。
ショアジギング用ショックリーダーの長さを考察!
ところでこのショックリーダー。長ければよいというわけでもないし、短ければよいというものでもないのです。言ってみれば時と場合に応じて、使いやすく理想の長さがあるのです。どんな場合にどんな長さのショックリーダーを使うのがよいのでしょう? ショアジギングにおけるショックリーダーの長さを3つの要素から考察していくことにします。
ここでは、一般的に言われているフロロカーボンの1.5mというショックリーダーを基本として、それより長いほうが良いのか、短いほうが良いのかを考えていきます。程度問題ですが、短い場合は40cm、長い場合は3mという場合もありますので、1.5mは大まかな基準として考えてください。
ショアジギング用ショックリーダー長さ考察1.キャスト時
ショアジギングにおいて、最もラインに付加がかかるシチュエーションのひとつがキャスティング、つまり投げるときです。そこでます、キャストするときにショックリーダーについて考えておかなければならない、①ロッドの長さ、それに②タラシの長さについて、それぞれショックリーダーの長さについて紹介しましょう。
キャスト時における長さ考察①: ロッドの長さ
ロッドの長さはそのまま飛距離に関係します。長いロッドのほうが飛ぶ。けれど飛べばいいかというと釣り場と狙うポイントによってはそうでもないのです。また、足元までルアーを引くという意味では、サーフよりも堤防などのほうが、長いロッドが必要になります。では、ロッドの長さとショックリーダーの長さはどう関係するのでしょう?
キャスト時のタラシの長さを考慮したい
ロッドからどの位糸をたらしてキャストするかは、ロッドの長さと狙うポイントによってきまります。ロッドが長いと、キャストするときに邪魔になりませんが、短いロッドでは長いと邪魔になります。また、近くの岩礁周りを狙ってキャストするときには、タラシを長くして下からフワリとキャストしたほうが、狙ったポイントに届きやすいのです。
短いロッドでは, 巻き込みが発生する
入門書を見るとショックリーダーは1ヒロ(約1m50cm)と書かれています。この長さで、短いロッドで投げやすい長さのタラシを作ると、ショックリーダーがリールに巻かれるか、あるいはロッドの中頃まで巻かれることになります。最低でもショックリーダーはロッド先端のガイドと2番目のガイドの間でとどめたいので、この場合は短くします。
長いロッドなら, 巻き込みなしも可能
長いロッドでは、ある程度タラシが長くてもキャスティングできます。タラシが長くなる分ガイドから入ってくるショックリーダーも短くなり、リールに巻き込む可能性も減ります。つまり、ロッドの条件から考えると、ショックリーダーは長いロッドのほうが長くできるといえます。
キャスト時における長さ考察②: 遠投
一般的にルアーフィッシングの場合は、ポイントに向かって、なるべくラインがたるまないように直線的に投げ、テンションを保ったままでルアーを操作することが求められます。30gとか40gのジグの場合には、この考え方でいいと思いますが、70g以上のジグで遠投(100m以上)しようと思うと考え方が変わってきます。
遠投するほどショックリーダーは長いほうがいい
タラシを長くすると、竿先(ロッドティップ)を中心に重さのあるジグが円を描き、キャスティング時には遠心力が生まれるので、ロッドのしなりにプラスして遠くに飛ぶ力が生まれます。つまり、ショックリーダーとタラシがある程度長さがあるほうが、遠くに飛ぶことになります。
ポイントは狙いにくくなる
遠投する場合には、約45度、時計で言うと10時の位置で指を離して放物線を描くように投げます。しかし、ちょっとした角度の違いも、遠くなればなるほど、ジグの着水位置が狙いとずれます。その分隣の釣り人と糸が絡んだり、サーファーに当たったりする可能性も高くなります。十分注意し、また練習した上で行ってください。
ジグのじかまき
河口や湾奥で、しかも30gほどのジグでシーバスを狙うなどの場合は一般のミノーのようにスイベルやプラグでルアーをつける方法でよいでしょう。しかし70g以上のジグで遠投となると、ジグも常時底にすれ、船でのジギングに比べても激しく結束部位が消耗します。ショックリーダーを長めにしてジグ交換時には結びなおすことをおススメします。
キャスト時における長さ考察③: メインラインの太さ
メインライン、つまりリールに巻く糸は、細いほうが風などの抵抗を受けることが減るので良く飛びます。だからといって、ジギングはどんな魚が食いついてくるかわかりません。食ってきた魚はバラシたくありません。場所や対象魚によって太さを選ぶ必要があります。では、メインラインの太さとショックリーダーの関係はどうなのでしょう。
太いメインラインは, スプール上で食い込みにくい
PEラインを使う場合に、1番気になるのがライントラブルです。ナイロンに比べて、スプール上でPE同士が絡んでしまう。あるいはガイドに絡むことがあります。PEには4本の糸をよったものと8本の糸をよったものがあります。できるだけ8本拠りの糸を使い、しかも太いラインを選んだほうが絡みにくくなります。
細いメインラインには短いショックリーダーを
PEラインは細いとショックリーダーにも巻きつくことがあります。つまり、あまりショックリーダーを長くしてスプールに巻かれるほどの長さを持つと、メインラインとスプール上で絡む可能性も高くなります。細いメインラインをご使用の場合には、ショックリーダーは短くしたほうがよいでしょう。
ショアジギング用ショックリーダー長さ考察2.フッキング時
魚が食いついたとき、針がしっかり刺さるように合わせを入れます。この一連の動作がフッキングです。魚の活性が高く合わせが必要ないときもあります。しかし一般には合わせが必要です。フッキングするときには、遠くにあるジグを瞬時に操作できる能力がラインシステムに求められることになります。
PEメインラインは, フッキングの良さも長所
PEラインは、ナイロンやフロロカーボンに比べて糸自体が伸縮しない性質をもっています。そのぶん、波や風で糸がたるみにくいだけではなく、魚のアタリが来たら、瞬時にアワセに応じられるのです。では、ショックリーダーを使いながらPEのこの長所を生かすには、長さをどうすればよいのでしょう?
長いショックリーダーは, 低伸縮性を損なう
ナイロンにしてもフロロカーボンにしても、ライン自体は伸縮します。ショックリーダーが長ければ長いだけ、ラインが伸縮して、ロッドの動きを伝えにくくなります。つまりフッキングを考えるならば、できるだけショックリーダーは短いほうが、ロッドの動きを伝えやすいのです。
良好なフッキングに長いショックリーダーは禁物
つまりフッキングのアクションを瞬時にジグに伝えるためには、ショックリーダーは短いほうが良いのです。もちろんこれはフッキングだけでなく、ジギングで最も大切なしゃくりの動作についてもいえます。スローにしてもクイックにしても、釣り人の動きをダイレクトに伝えるためには、長いショックリーダーは禁物です。
ショックリーダーは結び方も大変重要です。強い結び方、簡単な結び方、対象魚など釣り方による結び方はいろいろあり、知っておいて損はありません。それら結び方の違いについては、ぜひこちらを参考にしてください。
ショアジギング用ショックリーダー長さ考察3. ファイト時
シーバスが釣れたときに見せるエラ洗いはアングラーをドキドキさせてくれます。しかし歯だけでなく背びれも鋭い。PEがすれたら切れてしまいます。シーバスだけでなく青物も同じような動きをします。太刀魚やヒラメの歯も鋭いです。ここではファイト時においてのショックリーダーの長さを考えてみたいと思います。
ファイト時は, ラインの緩衝性が肝心
ファイト時にラインに伸縮性がまったくないと、この動画のように激しい魚の動きに振り回されてフックが外れてしまうことがあります。フッキング時、あるいは魚を寄せてくるにはラインの伸縮性をいかして、バラシを減らすことも考えなくてはなりません。