この授業で強調されたのは、コンドームは「避妊」としてではなく、「性感染症予防」としての側面が強い、ということです。清水さんはケニアでのコンドーム普及活動の経験から、エイズの恐ろしさについても言及しています。コンドームを付けずに性行為をする、ということは、妊娠のリスクだけでなく、性感染症に罹るリスクも同様に高まります。
「びわこんどーむ君」と学ぶコンドームの大切さ
清水さんは、「琵琶湖の主」とも呼ばれる「ビワコオオナマズ」をモチーフにした、「びわこんどーむ君」というキャラクターも作成しています。一見普通のナマズですが、よく見るとコンドームの形をしています。リンク先でぜひその姿をご覧になってみてください。ビワコオオナマズに興味を持った方は、こちらの記事もご覧ください。
小学生妊娠のリスク
小学生の妊娠は身体的にも危ないと言われますが、具体的にはどのようなリスクが伴うのでしょうか。具体的な症状を挙げながら、小学生だけに絞らず、15歳以下の妊娠がどのように危険であるのかお伝えします。
小学生妊娠のリスク①妊娠中毒症
「妊娠中毒症」は、2005年に呼び方が改められ、現在は「妊娠高血圧症候群」と呼ばれます。妊娠して20週目以降に高血圧になり、出産後12週までに正常の値に戻る症状を指します。妊婦さん全体の5%が罹るといわれています。高齢出産の場合そのリスクは高まるといわれていますが、15歳以下も次いでリスクが高いのです。
小学生妊娠のリスク②未発達の体で心配される難産
身体がまだ成長段階にある中での「妊娠」および「出産」であるため、難産になることが予測されます。また、15歳以下の妊娠は「ハイリスク妊娠」に分類されるため、慎重な経過観察が求められます。
小学生妊娠のリスク③出産しても高い死産の可能性
妊婦さんの50人に1人の割合で、死産は起こるといわれています。先ほどもお話したとおり、15歳以下であると身体的に未発達な部分も多く、お腹の中の胎児にきちんと栄養が行き渡らず、成長が滞る場合もあり、死産のリスクも高まります。
小学生妊娠・出産をすすめないもっともな理由
ここまでは、「身体的なリスク」という側面から小学生の妊娠について考えてきましたが、今度は「生活面」に及ぼす影響について、項目を具体的に挙げながら、現実的な視点をもって、考えていきます。
精神年齢の幼さ
中には大人びた考えをもっている子もいるでしょうが、小学生というと、まだまだ遊びたい盛りですし、精神的には幼いものです。これは小学生だけに言える事ではありませんが、親になる心構えというのも、すぐにできるものではありません。
精神年齢が幼いと子育てができないというのはもっともで、まだ人格も形成されきっていないうちに親になってしまうと、言うことを聞かない子どもに手をあげてしまう…つまり、虐待にいたるケースも多くなってしまうのです。
学業との両立が難しく経済的弱者になる
中学生までは義務教育なので、等しく教育を受けられますが、学校へ行っている時間は、誰かに子どもを見てもらわなければなりません。加えて、仮に高校へと進学するとなれば、学費もかかってきます。
高校は行かずに働くことになったとしても、日本は根強い学歴社会であるため、高い収入は見込めません。必然的に経済弱者へと追い込まれてしまうのです。こういった社会的な側面からも、小学生での妊娠はかなりリスキーなのです。