トタテグモとは
トタテグモとは感じにすると戸立て蜘蛛になります。その漢字からもどういった名前の由来があるか、なんとなくイメージ付くはずです。この蜘蛛は自分の巣に、戸を付けることができるのです。ごく普通蜘蛛の巣を想像してしまうと、戸を付けるとは一体どういったことなのか疑問に感じるはずです。
トタテグモは原始的なクモ
まず初めにこの蜘蛛は皆さんが想像されるような蜘蛛とは一風変わっています。これからその変わっている生態や特徴についてお話していきますが、この蜘蛛が何故ほかの種とは異なった、生態や特徴を持っているか、それは「原始的な蜘蛛」と言えるからです。
トタテグモの特徴
体長は役10~15センチメートルくらいで、体色は黒やに黒に赤みがかったような色です。通常の蜘蛛はおおよそ脚は8本ですが、この蜘蛛は頭部に生えている触覚も脚に錯覚して見えるため、10本あるように見えてしまうのです。それが最大の特徴と言えます。
またこの蜘蛛は掲載されている写真からもわかるように、そのまがまがしいフォルムゆえに、毒を持っていると先入観が働きますが、実は毒を持っていません。また巣を作り戸を立てることでも有名な蜘蛛ですが、このことはまた後程ご解説していきます。
トタテグモは日本にもいる?
日本にもいくつかの種類のトタテグモが存在します。分布は本州の中ほどから南にかけて広く生息して、地域によってその種が違うものが生息しています。苔や泥などがあるような湿っぽい場所を好み、我々の住居環境にも普通に生息しているのです。また世界を見ても、さまざまな地域に分布して生息しています。
我々人間が生活している住居環境でも見ることができる蜘蛛なのですが、他にも身の回りに存在する蜘蛛は意外とたくさんいます。そんな蜘蛛の中でも私たち人間にとっていい働きをする、いわゆる益虫で知られている「オニグモ」について気になる方はぜひこの記事をご覧ください。
トタテグモの巣の特徴
では気になる巣の特徴についてこちらのコラムでご説明していきます。まず巣というのは蜘蛛の巣のような、規則的に並んだ糸ではなく、ほかの昆虫などの巣のように、地中に穴をあけるタイプの巣だということを理解してください。
巣穴は補強され扉もついている
その土や泥を掘って空けて作った巣には、我々人の家同様にドビラがついているのです。そのトビラとはまず入り口部分には自身の蜘蛛の糸で覆っており、そしてその覆ってある糸と繋がっている、同じく自身の蜘蛛の糸で作り出した蓋も穴をふさぐのです。これがトビラということのになります。
巣穴は避難場所や子育てをする場所でもある
そんな巣の扉の近くに、いつも潜んでいて大きな生物や捕食者が近づくと危険を察知して、その意図で作った蓋で閉じ緊急脱出するかのように避難するのです。またその巣で食事をしたり、子供を産んだり安全に育てたりするのです。
また通常の蜘蛛の子供は巣立ちの時には自身の蜘蛛の糸で、空を舞うようにして巣を作り探し出しますが(バルーニング)、この蜘蛛の子はバルーニングを行わず、自分の足をつかって棲家を探し出すのです。