牛の首を聞いてはいけない?聞くと死んでしまう最恐の怪談の正体に迫る!

ギリシャの神話に登場する迷宮の住人、牛の頭を持つ怪物、それがミノタウロスです。人を殺めることも厭わぬ凶暴さ、何よりその姿かたちに共通性が多く見受けられます。

日本は渡来した神が八百万に暮らしている国ですから、牛の首についても、ミノタウロス伝説を聞いた昔の日本人たちが作り上げた可能性があります。

牛の首を聞いて本当に死ぬ?恐怖で人は死ぬのか?

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そもそもいくら怖いとはいえ、話を聞いただけで人間が死ぬなんてこと、ありえるのでしょうか?

「いいえ」と言うのは簡単ですが、事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、世の中には歌を聞いただけで絶望し、映画を見ただけで恐怖のあまり死んでしまった人も実在するのです。噂話だけが除外される理由がどこにあるでしょうか。

ショック死のメカニズム

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ここでのショックとは、精神に刺激を受けた結果引き起こされる機能不全のことを刺します。恐怖というのは心的な負荷であり、瞬間的に強烈な、また持続的に与え続けられることで心不全のリスクが上昇することも分かっています。

そう、分かりやすい言い方をすればストレスです。ストレスが身体に悪いことは誰でもよく知っていることですね。

もしかして牛の首を聞いて本当に死んだ人が?

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インドではホラー映画を見た観客が死亡したという事例があります。先ほどのメカニズムと合わせて考えてみても、人間は「死ぬほど怖い」というストレスのせいで、本当に死んでしまうこともあるということです。

牛の首が噂通りのおそろしさであれば…死んでしまうのも決してありえないことではありません。

牛の首が掲載された小松左京の『小松左京全集 完全版 25』

小松左京全集完全版〈25〉短編小説集―全ショートショート集

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日本SF御三家の一人である小松左京先生のショートショートにも、牛の首の話が登場します。都市伝説をそのままモチーフとして小説に登場させました。

連載は昭和40年とかなり昔になりますが、この作品のおかげで牛の首の話が広く周知されるようになったと言われており、ファンの間でも色あせない名作として有名なタイトルです。

あらすじ

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怪談好きの「私」は、「牛の首」という恐ろしい怪談がある、という話を聞きつけ、その内容を教えてもらおうとあちこち尋ねてまわるが、誰もが異口同音に「あんな恐ろしい話はきいたことがない」と言うばかりで、内容を話してくれない。そのうちに「私」は真相に気づいて震え上がる。(引用:wikipedia)

あらすじだけ読めば確かによく聞く話なのですが、この「私」が気づいた真相こそが重点になってきます。

また小松左京先生は他にも幽霊、きつね、餓鬼、鏡の世界などオカルト的なモチーフを近代社会に組み合んだ作品を生み出しています。多くの文庫も出版されているので、気になった方はぜひ著書をお読みください。

牛の首は「自己責任」系怪談に近い

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怪談や都市伝説の中にはこういった「話を聞いてしまったことによって何かしらの不幸が起きる」という、口伝自体が召喚の儀を成しているお話があります。

近年ではそういう分類を「それを了承して読む必要がある=自己責任(系)怪談と呼ぶことがあります。では他にはどういった自己責任系怪談があるのでしょうか。

カシマレイコ

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内容は世代や地域によってパターンが異なりますが、不幸な亡くなり方をした女性の霊という点は共通しています。彼女の死にまつわる話を聞いてしまうと、数日ないし当日の夜には彼女がやってきて殺されてしまうというもの。

不思議と大抵の場合、退けるための呪文や、一定の儀式などの対処が存在しています。

紫鏡

誰でも一度は聞いたことがあることでしょう。このワードを二十歳まで忘れずにいると死んでしまうという都市伝説です。

おふざけや嫌がらせとして、成人直前の人に思い出させるためわざと告げる人がいませんでしたか?また対処策として、白い水晶をお守りに持っていると助かるという説もありました。

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