短い怖い話おすすめ13選③
もしも高層ビルの最上階まで歩いていかなければならないとすると、この5人のように何か気を紛らわせながら何とか登ろうとするでしょう。しかし、それにとらわれすぎていると大事なものを忘れてしまうことに…。
高層ビル
1999年の大晦日、ある5人の大学生がシンガポールへ旅行に行きました。シンガポールには100階建てのホテルがあり、5人はその最上階である100階に泊まれる事になりました。5人はチェックインを済ませ、早速遊びに行くため外へ出ようとしました。
すると、フロントの職員に呼び止められて「今日は2000年問題が起きるかもしれないので12時にホテルの電気は全て消します。なので、12時までには戻ってきてくださいね」と言われました。しかし5人は夜遅くまで遊び呆け、約束の事をすっかり忘れてしまいました。
ホテルに戻った時には12時を大幅に回っておりホテルは真っ暗になっていました。電気が止められているので、もちろんエレベーターは使えません。当然エアコンも付いていないので、寒くてロビーで夜を明かすことも出来ません。仕方なく5人は100階の部屋を目指して階段を登り始めました。
しかし道のりは遠く、50階まで登ったところで遂に力尽きて座り込んでしまいました。「このまま黙々と登ってても辿り着けない」とその内の1人が言いました。「気分転換に1階上がるごとに交代で怖い話をしよう」そして5人は交代で怖い話をしながら、なんとか99階まで辿り着く事が出来ました。
やっと部屋に戻れると皆がほっとする中、1人が言いました。「今から俺がする話は本当に怖いぞ。絶対に驚くなよ」。皆は息を呑んで彼の話に耳を傾けました。すると、彼はこう言ったのです。「実はな…部屋の鍵を1階に忘れてきたんだ」
こちらは怪談と思わせておいて笑い話だったというものです。怪談をしていて途中で怖くなってしまった時はこのような笑い話を交えて気分を紛らわせてみるのもおすすめです。最後の最後まで怖い話であるかのように語るのがポイントです。
短い怖い話おすすめ13選④
こちらは民間伝承を元にした後味の悪い話です。誰でもひとつやふたつ、恋愛の経験があるかと思いますが、もしも知らないところで自分が儀式に使われていたら、と想像しながら読んでみてください。
花嫁人形
日本のある地方には、男性が未婚のまま亡くなった時に棺へ花嫁を象った人形を一緒に入れる風習がありました。人形には架空の女性の名前を付け、あの世で幸せな結婚生活が送れるようにとの願いを込めて遺体と一緒に燃やします。
しかし、ある男性が女性に振られて自殺してしまった時、家族はその女性の名前を花嫁人形に付けてしまったのです。しかもその女性の写真まで一緒に棺に入れて…。それだけでなく、男性の遺影の横にもその花嫁人形の写真を飾り、裏にはその女性の名前が書いてあるそうです。
遺族の想いは伝わるものの、その女性からするとゾッとする話です。似たような風習として「ムカサリ絵馬」というものがあります。こちらは架空の人物との結婚生活を絵や写真で描いたものを寺に奉納し、あの世で幸せに暮らせるよう願ったものです。
このムカサリ絵馬については、結婚相手には実在の人物を使用してはいけないとされています。もし実在の人物を使用すれば、その人が死後の世界に連れて行かれてしまうと言われています。死後婚も方法は違えど目的は同じで、この女性にも何か影響が出てしまっているかもしれません。
短い怖い話おすすめ13選⑤
いつも利用している交通機関。普段は大勢の人が乗っているはずなのにその日に限って自分1人だったとしたら。その時は要注意です。何者かがあなたが1人になるのを待ち構えているのかもしれません。
後ろの子
D子さんが大学生の時に体験した話です。当時D子さんは自動車教習所に通っており、駅から教習所までは無料の送迎バスを使っていました。彼女はいつも運転席のすぐ後ろの席に座ると決めていて、その日も同じ席を選んで座りました。席はガラガラで、誰も乗っていないように見えました。
けれどふとルームミラーに目をやった時、一番後ろに黒縁眼鏡の女の子が座っていることに気付いたのです。俯いていて顔がよく見えませんでしたが、D子さんと同い年くらいに見えました。その後、D子さんと後ろの彼女だけを乗せてバスは走り出しました。道中、2人乗っているにも関わらず不思議と運転手はD子さんにばかり話し掛けて来ました。
けれどD子さんは彼女に悪い気がして、適当に返事をしてやり過ごしました。気まずいので後ろの方をなるべく見ないようにしつつ、バスは目的地に到着しました。降りるとき、D子さんはちらりと後部座席を盗み見ました。
すると、そこにいたはずの彼女がいなくなっているのです。バスは途中で止まったりしていなかったので、考えられる事はひとつだけ。最初から女の子などおらず、ずっとD子さんだけだったという事です。
わざわざD子さんが一人でいる所を狙って現れた事から、彼女に気付いて欲しかったのでしょう。同じくらいの歳の彼女に何か訴えたいことがあったのかもしれません。だからこそ、D子さんも後ろを振り返ってみたりしたのではないでしょうか。